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ピッチングパフォーマンスに関連する個人因子は?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

野球のピッチングパフォーマンスに関連する個人因子:スコーピングレビュー

Mercier MA, Tremblay M, Daneau C et al.: Individual factors associated with baseball pitching performance: scoping review, BMJ Open Sport Exerc Med 6(1), 2020 , e000704.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的] 投手のパフォーマンスを測定するには、球速、精度、ゲーム統計の3つの方法がある。しかし、投手のパフォーマンスの個人的な決定要因は、より明確ではない。本研究の目的は、野球の投手に関連するパフォーマンス要因を分類し、ゲームのすべての特徴を通して投手の能力を定量化するために使用される方法を特定し、パフォーマンス要因と指標の関係を文書化することである。

[方法] MEDLINE、Academic Search Complete、CINAHL、SportDiscus、PubMed、PsycINFO、Cochraneの電子検索および灰色文献の検索を、開始から2019年1月まで実施した。研究を選択するための適格基準として、健康な野球投手におけるパフォーマンス指標と個人のパフォーマンス要因との関係を調査した横断的研究を選択した。

[結果] 投球パフォーマンスの個々の潜在的要因を調査した34件の横断的研究が、選択基準を満たした。調査された主なパフォーマンス要因は、運動学的、キネティック、タイミングの結果、個人的特性、身体テスト、可動域であった。肩水平内転(SHA)、上体前屈、最大肩外旋、上体回旋角、上体側屈、リード膝屈曲(LKF)、体幹前傾(FTT)が、球速増加に関連する重要な運動学的特徴として確認された。また、肩関節近位力と肘関節近位力のピーク値は、ボール速度の増加と関連していた。跳躍テストにおける個人のパフォーマンスと体重(BW)も投球パフォーマンスと関連している。

[結論] 偏りのリスクが低いおよび中程度の研究に基づいて、BW、年齢、およびFTT、LKF、SHA、体幹の外側傾斜などの運動学がピッチングパフォーマンスと関連すると結論づけた。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

個人的には、跳躍テストがパフォーマンスに関連するというところが面白い。臨床においてもそうだが、トレーニングメニューを考える際にも有用だ。


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