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ドローイン歩行で膝関節の負担を減らす

▼ 文献情報 と 抄録和訳

ドローイン歩行が膝の内転モーメントと股関節筋活動に及ぼす影響

Fujita R, Ota S, Ogawa Y, et al.: Effects of walking with a "draw-in maneuver" on the knee adduction moment and hip muscle activity, J Phys Ther Sci. 2021 ;33(4):329-333.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed(Free text), Google Scholar

[目的] 歩行時にドローインを行うことが,膝関節内転モーメント(KAM)や股関節・体幹の筋活動に及ぼす影響を検討する。

[方法] 健康な若年成人30名(21.5±0.6歳,男性16名,女性14名)を対象とした。正常歩行またはドローイン歩行(DI歩行)しながら,KAMとレバーアームを測定した。また,股関節と体幹の筋肉(内腹斜筋[IO],外腹斜筋[EO],多裂筋[MF],大殿筋[GM])の表面筋電図(EMG)を測定した。

[結果] DI歩行時には,KAMの第1ピークが通常歩行時に比べて有意に低かった。立脚相前半のIO,EO,GMと立脚相後半のIO,EOの統合筋活動は,DI歩行時に正常歩行時よりも有意に高かった。

[結論] 通常歩行と比較して,DI歩行では,レバーアームが短くなるため,KAMの第1ピークが減少し,GM,IO,EOの筋活動が増加した。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

腰痛疾患や脊柱のマルアライメントを認める対象者に対し,いわゆるDI歩行のようなものを指導することがある。しかし,それが実際力学的にどのような変化が生じ,筋活動にどのような変化が生じるかは分からなかった。こうした結果を知ることで,「どういう目的で」DIもしくはDI歩行を指導するかがクリアになるだろう。

普段何気なく指導してしまっているDI(私だけ?)。様々な研究が行われている(一例)。

腰痛の3年後の再発が75%から35%に減少する
DI操作を行う際にテープメジャーを用いたフィードバックを行うことで,フィードバックを行わない場合に比べて,寝た状態,座った状態,立った状態での腹横筋の収縮の分離が効果的に促進される

意味があり、効果のあるDIを指導していきたい。



少しでも参考になりましたら、サポートして頂ければ幸いです。