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魔女になりたかった

 最近、幼き頃に読んだ本を再読している。久しぶりに、ふと昔の本棚を眺めていると、大好きだった本が目につき、丁度読む本が無かったのでお風呂の中で一気に読み終わった。すると、あの頃のワクワクやらドキドキやらがぶわぁー-っとあふれてきて、思わず感傷に浸ってしまった。そうそう、これだよこれ!という感覚。そこには私を形成したのにもかかわらず、失われていたファンタジーな成分がぎゅっと包み込んであった。本を開くだけで一気に、魔法やら魔女や妖精の世界に自分もトリップできる。それはディズニーでは決して体験はできない。そこ(現実世界)には無いのに、ここ(私の世界)にはある。

1.         「大おばさんの不思議なレシピ」著:柏葉幸子
 たしか、はじめて自分で選んで、買ってもらった古本であった気がする。内容は、主人公は料理や裁縫は全くダメな女の子であったが、ある日大おばさん(魔法使い)のレシピを発見する。それらを作ってみると、異世界の通行所みたいな場所に飛ばされ、それを求めている人の元へ届けに行くことになる。しかし、料理や裁縫が苦手な彼女は、レシピ通りの完璧なものは作れない。だが、その完璧ではない製品と彼女の性格も相まって、飛ばされた世界での問題を解決してしまう。
 主人公が女々しすぎず、なんでもやってやろうじゃないのという気概が強く、その姿勢が読んでいて楽しい。飛ばされた場所の人たちは、しかめっ面だったり泣いていたりするのだが、主人公が現れたおかげで解決している姿が憧れだったのかなと、ふと思い返した。自分と境遇が似てるのも感情移入しやすかったのだと思う。

2.         なんでも魔女商会シリーズ 著:あんびるやすこ
3.         魔法の庭ものがたりシリーズ 著:あんびるやすこ
 このあんびるやすこ先生の本達には多大なる影響を受けた。イラストが可愛らしく、内容も可愛らしい。お菓子やら裁縫、ハーブティーなど女の子の憧れがたくさん詰め込まれている。自分の原点はここにあるという感覚がひしひしと感じた。
ハーブティーは、大学生になってお金に余裕ができてからふと手に取ったし、作中の食器や洋服(カントリー調)がもろ今の自分の好みで、びっくりした。自分は何も変わっていたんだなと改めて感じたのである。

自分の小さい頃を思い出すことを最近意識していたのだが、我の原点はここにありという感覚でとても嬉しかった。あの頃と良い意味で何も変わっていない。自分が好きな世界は相変わらずここにあった。本という形に残っているものはこうやって、月日を経ても比較的手に取りやすいのが良い。題名を思い出すことができずにモヤモヤしていたが、いつも通っていた図書館に行けば一発で分かった。

 自分が何に対して、ドキドキワクワクするのかを分かった今、どう繋げようか。魔女になるのがずっと夢だったが魔女とは一体どうやってなるのか、私は魔女のどんな姿に憧れていたのか。

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