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#200 子ども同士のケンカが複雑化する要因

Å「先生、○○君がいじわるします。ボールを貸してくれません。」
B「ちがうよ!A君が貸してくれないんでしょ。」
A「なんでよ、僕じゃないよ!B君だよ!」

さあ、またまた発生しましたよ。子ども同士の言い合いが。調停員として双方の言い分を聞き、この場を収める必要があります。学級では先生が、ご家庭なら親御さんが、その役割を担うことが多いですね。

子ども同士のケンカがこじれることがあります。明らかに、どちらかに「非」がある場合は、事実確認をすれば、双方が納得してくれます。しかし、ここに落とし穴が隠れていることがあります。

先生の手前、しぶしぶ誤っている子、絶対に自分の「非」を認めない子です。この子たちは、なぜ素直に自分のやってしまったことを認めないのでしょうか。この問題を解決するためには「時間」を遡る必要があります。

人間関係において、行為とその結果の間に「時間差」がある。

実際には、その何日か前に、A君がB君を傷つけるようなことを言ったか、貸して欲しいと言われた物を貸さなかったといったことがあった。そして、B君からの反撃を受けた時には、もうとっくにA君はそのことを忘れてしまっていた。

つまり、感情を傷つけられたB君が、同じように仕返しをしただけなのだ。しかし、この事実がA君には見えていないことが多い。特に、幼い低学年にとっては、この「時間差」を把握することは難しい。時間が経てば経つほど忘れてしまう。「自分は何もしていないのに、やられた」と感じたとしてもしょうがない。

僕たちは知らず知らずのうちに、自分の言動で誰かの気持ちを傷つけてしまうことがある。そして、その結果は「時間」を経て、目に見える形となって現れる。この「時間的な遅れ」があるために、僕たちは、自分が相手に気付つけられているのか、自分が相手を気付けているのか、の理解がぼやけてしまうのである。

意固地になって謝らない子はいる。そんな子は、やったことは認めつつも、謝りたくないと言う。これを頑固な子で片付けるのではなく、時間軸を遡って見てあげよう。

「もしかして、前に何か嫌なことされたことがあるの?」

その子の行動の原因が分かるかもしれない。当事者は「時間差」に気付きにくい。第三者となる先生が、時間軸をもっていることで解決できるケンカがある。何より、子ども同士が納得できることが大事だ


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