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安藤忠雄とカンヌ映画祭

久しぶりに、安藤忠雄ギャラリートーク@兵庫県立美術館へ。
御歳81歳、お顔の色はあまり良くないようにお見受けするが、1時間強を立って話し、質疑応答にもしっかり応えて下さる。
いつもネタにされているけれど、臓器を5つ取っている方とは思えない。

ところで、カンヌ映画祭。

という前振りで話が始まった。
数年前、ユニクロの柳井正会長の息子さんから、30億ほど資金があるか何か出来ないだろうか?と相談を受けたそう。
何をしたらいいかなぁ…と話を進めるうちに、ある方の勧めで東京五輪もあるので東京の公共トイレを綺麗にしようということになり、その資金はそちらに使われたらしい。
そのトイレのことを知ったドイツ人映画監督のヴィム・ヴェンダースが、日本は清潔で素晴らしい!一日中トイレを掃除する男の映画を撮りたい、俳優は役所広司で!と言い出して、トイレ掃除の話?何を考えているんだこのおっさんは?と安藤さん思っていたとのこと。

そして今年のカンヌ映画祭。
役所広司さんが、ヴィム・ヴェンダース監督の『パーフェクト・デイズ』で主演男優賞を受賞した。
公共トイレの掃除を生業にしている男の日常の話らしい。

受賞後、安藤忠雄氏には連絡があったとか。
まさか、最初の話からここに繋がるとは思わなかったそう、そりゃそうだよね😆

この話は余談。
でもタイムリーな話題で面白かった。

それにしても、「世界の安藤忠雄」だけあって交友関係も広く、話のスケールも大きい。それでも、お金はあの世に持っていけないので、儲かったらウクライナ🇺🇦へ寄付しているとのこと。
自らだけでなく、関連される周りの方にも勧めているそう。
日本には寄付の文化がなかなか根付かないと苦言を呈されていた。

ちなみに安藤さん。
こども図書館を各地に建設している。
大阪、神戸、熊本、松山、タイとカンボジアでも建設中。設計費と建築費は安藤さん持ち。太っ腹だなぁ。
もちろん、事務所の所員にも払ってますよと笑ってらした。

人生に必要なのは、『自由と勇気』それと『持続力』。(東大、京大出身者をあまり評価はしないが、持続力だけは高学歴の人間の方があるとのこと)
やる気のないひとは、この先へどうぞと。(すぐそこは海)
辛辣な言い方だけどもちろんユーモアたっぷりで、81歳でこれだけエネルギッシュに動いている安藤さんを見ていたら、何かアクションを起こさないとな…という気になりました。

ゴッホ・アライブを観ようかと思ったら、長蛇の列で退散しました。

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