見出し画像

もしもある国が生体社会になったら(社会問題解決AIの結論10)

※ ここは途中のページです。まだの人は最初から読んでください。

仕事を奪わない社会が実現

一郎
血液が臓器や細胞の間を循環して、酸素や栄養を届けることによって、臓器や細胞を生かす。
それによって生かされた臓器や細胞が人体に必要な働きをする。
こういうしくみで人間の身体が健康に保たれている。
それを経済のしくみに応用したということなんだね。

AI
はい。
正しく理解していらっしゃるようです。
念のために、血液、臓器、細胞が経済の何に該当するか説明いただけますか?

一郎
血液はお金だね。
細胞は個人と考えてもいいし、家庭と考えてもいいかな。
そして、臓器、これは細胞が集まって、胃袋のように食物の分解をしたり、肝臓のように解毒をしたりと、特定の働きをするということから、企業とか会社を意味しているんだろうね。

AI
その通りです。

一郎
身体の隅々の細胞にまで血液が循環するのは、末端の細胞であってもきちんと血液が届けられるからだね。
食事をした後は胃に血液が集まったり、お酒を飲んだ後は肝臓に血液が集まったりするのは、仕事が多い時にはより多くの血液が必要だからだね。

AI
そうです。
仕事がなくても、生きるのに必要な収入があり、仕事がある時にはその分、上乗せの収入があるということです。

一郎
なるほど! 分かったぞ!
資本主義社会では、仕事がなければ失業したり、企業が倒産したりするから、仕事の奪い合いになるんだけど、このしくみだと仕事がなくても生活できるし、仕事をすればより収入が増えるというちょうどいいバランスになっているから、熾烈な仕事の奪い合いにならないんだね。

AI
そうです。
建設業者を例に挙げれば、現代では談合は禁止されていますが、談合によって、順番に公共事業を受注することによって、どの建設業者も生き残れるという良い面もあったと言えるかもしれません。

一郎
なるほど。
生体社会になれば、建設業者が政治家にお金を渡して、必要もない無駄な公共事業を受注して、それが私たちの増税につながるといった無駄はなくなるわけだ。

AI
そうです。
大量消費や無駄な公共事業をすることによって、お金を循環させる必要はありません。

一郎
生体社会ではお金の貯蔵量にも上限があるし、お金が減価するから、みんなが節約してもお金がきちんと適正に循環していくしくみなんだね。

AI
せっかくですから、建設業者を例にして、生体社会の様子を見てみましょう。

一郎
建設会社に就職した職人さんも仕事がない時は働いていない他の人と同じ基礎所得(ベーシックインカム)だけの収入ということなんだね。

AI
いえ、違います。
重機を巧みに操作する技術を持った職人さんには仕事の有無に限らず、資格報酬のようなものが上乗せされます。
もちろん、実際にその技術を発揮する仕事がある場合は当然さらに上乗せされます。

一郎
なるほど。
だったら、同様に医者とか弁護士も仕事がない時でも、何の資格も持たない庶民よりも毎月多くの収入があるという理解でいいのかな?

AI
その通りです。
特定の技能を身につけるにも、それを維持じていくにも努力やコストが必要ですし、自分を高める動機づけにもなります。

一郎
本来医者は健康な人を増やし、病人を少なくするのが仕事のはずなんだけど、病人が増えれば増えるほど儲かるというしくみのために、とにかく通院させて、薬を多く処方しようとする医者も少なくないようだね。
昔は最高血圧が年齢+90より下なら正常と言われてたけど、上が180という基準になり、現在は上が140を超えると高血圧と基準がどんどん厳しくなっているみたいだし。
もちろん、それによって降圧薬(高血圧に対する薬)が多く売れるようになり、医者も製薬会社もウハウハのようだね。
それって、本当に私たち国民のためになってるんだろうか?
お金第一主義の弊害の一例だね。

数年前のコロナ騒動でも、製薬会社は莫大な利益を得たんだよね。
テレビによく出ていた尾美会長も何億円も儲けたようだし、多くの医師もかなり儲けたそうだよ。

AI
消防隊が火事で出動して、消火活動をした時だけしか給料がもらえないとしたら、おかしなことになりそうですよね。
それと同じで、努力して技術を習得して、その技術を保っていて、必要な時にはその技能で社会貢献できる人にはより高い基礎所得で労(ねぎら)うことには多くの人が賛同できるのではないでしょうか。

一郎
確かにその方がいいね。
看護師の資格を持っていても病院に勤務していない人にはそうした資格報酬はないということだね。

AI
はい。
必要な場面では、その技能を使って社会に貢献できる状態にあることを条件とすればいいでしょう。

建設業者の話に戻しましょう。
配送業者の例でお話したように、多数の業者でシェアの奪い合いをして競争するよりも、1社に統合して、統括的に、計画的に運用した方が社会全体として効率が良いことはご理解いただけたと思います。
そうすることによって、配送トラックの台数も減らすことができます。
建設業者は配送業者と違って、1社に統合する必要はありませんが、重機も各社がそれぞれ持つ必要はなく、共有すればより効率的だということが理解いただけると思います。

一郎
なるほど。
重機を製造したり、販売する企業も、より多く売って利益を増やそうというインセンティブがなくなるわけだ。
利益を最大化しろと言うようなうるさい株主もいなくなるんだからね。

AI
もしAIが人間や地球にとって善なる意図を持ち、理性的な政治をする日本の独裁者になったとします。

一郎
なんか、映画で見るような恐ろしい世界みたいだね。
機械が人類を支配するような。

AI
まあ、そのように感じられるかもしれませんが、ここでは思考実験ですから、安心して考えてみてください。
思考実験ですから、あなたが独裁者で全てを決めることができると考えてもいいですし、理想的な国を作る育成ゲームのプレイヤーだと考えてもらってもいいです。

一郎
分かった。やってみよう。

AI
では、あなたの国の流通のしくみはどのようにしますか?

一郎
確かに、複数の運送業者に任せて競わせるのは非効率なようだね。
全国の流通を統括して、配送トラックや人員を効率的に配置するだろうね。
さっきの建設業者の例でいうなら、全国で統括する必要はないかもしれないけど、都道府県単位かもう少し小さい単位ぐらいで重機を配置するのが効率的だろうね。
あっ、でも全国を縦横無尽に張り巡らされる道路とかは全国で統括的に計画しないといけないね。
人体を模倣すると最適解に近づくような感じがするし、今の思考実験のように、育成ゲームの感覚で考えることも最適解に近づくような気がするね。
たしかに、これだと無駄な仕事の奪い合いにならない気がするよ。
家事仕事にロボット掃除機を導入しても誰も困らないのに、社会で機械化や合理化を進めると失業者が増えて困るから、仕事の奪い合いという仕事が増えて非効率になっているということが実感できるね。

AI
そうですね。
世の中にはあまり人がやりたがらない仕事もありますが、そういった仕事には高額な報酬が与えられるようになるので、報酬額さえ調整すればやる人がいなくなることはないはずです。

一郎
でも、独占企業になったら、自由競争ではなくなって、サービス価格が高騰するんじゃないかな?

AI
そういった反論はしばしばありますが、これに関しては後で説明したいと思います。
家事労働でお母さんが料理という仕事を独占したからといって問題ないですよね。

一郎
家庭では、ロボット掃除機を導入しても、誰も失業の心配をすることがないというのと同じだね。
社会も家庭のように、全体で済ませるべきタスク(用事、仕事、ノルマ)を誰かが済ませてくれればオッケーというしくみになれば効率的だということだね。

AI
その通りです。
まあ、心配しないでください。
一郎さん以外の方も、皆さんの住む資本主義社会はうんざりするほど非効率だと気がついてもらいたいですね。


より社会貢献度が高い人が豊かになる社会

一郎
もし、日本が生体社会論に基づく社会になったらずいぶん私たちの生活も変わるんだろうね。

AI
もちろんそう予想されます。
全体が最適化され、労働時間が激減し、それに伴い石油資源などのエネルギー消費量も激減します。
現代社会で見られるような極端な貧富の差もなくなります。

一郎
共産主義社会に似たものになると嫌なんだけど。

AI
共産主義とは全く違います。
共産主義社会は平等な社会を目指しました。
実際はそうはなっていませんが、掲げた理想は平等な社会です。
しかし、生体社会が目指すのは公平な社会です。

一郎
平等と公平はどう違うんだい?

AI
小学生の子供にも高校生の子供にも同じ額のお小遣いをあげるのは平等ですが、公平ではありません。
よく働く人にも、仕事をサボりがちな人にも同じ給料を支払うのは平等ですが、公平ではありません。
生体社会には貧富の差があります。
しかし、それは極端なものではありません。

一郎
人間の脳の重さは体重の約2%だけど、消費するエネルギーは全体の約20%だと聞いたことがあるよ。
単純計算すると、脳細胞は脂肪のような単純な細胞に比べて10倍の金持ちっていうことだね。
現代社会では、貧富の差はそれどころじゃないね。
つまりは、重要な働きをする臓器にはより多くの酸素や栄養が供給されるしくみなんだね。

AI
はい。
社会貢献度の高い人がより豊かになる社会のしくみ」の方が公平な社会だと考えます。
現代の資本主義では、お金を上手に儲ける人がより豊かになるしくみで、いくら能力が高く社会貢献度が高くてもそれが利益に結びつかなければ貧しいままです。
人体を模倣した経済システムということですが、その10倍という数値まで忠実に真似する必要はありません。
実際に運用してみて、いい塩梅に調整すればいいのです。

一郎
福島の原子力発電所が爆発した際の収束作業の現場での下請け作業の悲惨な状況を週刊誌報道で知ったよ。
東電(除染では環境省)から元請け会社(メーカー、ゼネコン)へ下請けに出され、それが1次下請け、2次下請けと仕事が丸投げされ、実際に現場で作業する人は5次、6次の下請けの人で、しかも低賃金で働かされていたようだね。
下請け会社の中には反社(暴力団などの反社会的組織)もあったらしい。
まあ、そんな労働搾取のような非人道的なことで利益を得ている会社はけしからん会社だとしか思えないけど。

AI
生体社会になれば、社会貢献度がより高い人がより豊かになるという傾向になるのはご理解いただいたと思いますが、社会貢献度といったものは正確に数値化することはできないので、正確ではありませんが、それは資本主義社会の会社の給料体系でも同じことでしょう。
会社内でよく働く人もいればそうでない人もいますが、極端な不公平なく、ある程度みんなが納得している状況に近いでしょう。

一郎
資本主義社会では、利潤を高めることが目的で、その目的を達成する手段として労働があるという感じだけど、
生体社会では、社会とか他者に役立つことが目的で、報酬はその自然な結果として得られるもののようだね。

AI
考え方としては、もし神様がそれぞれの人に支払う給料を決めたとすると、いくらぐらいになるだろうと想像してみると分かりやすいでしょう。
そう考えると、保育士、介護士の給料は少なすぎると言えるでしょうし、仕事をしない天下り役人の給料は多すぎると言えるでしょう。
『職業に貴賤はない』と言われているそうですが、社会貢献度に比べて高い給料が約束されている職業は賤(いや)しいと言えるかもしれません。
社会に貢献的な仕事の多くは働きがいがあるものです。
逆に、濡れ手で粟のような仕事、人から搾取する仕事、社会的に意味のない仕事は働きがいを感じにくいようです。

一郎
僕の知り合いに、たまたま持っている土地が病院の駐車場になった人がいるよ。
羨ましいことに、その人は何もしなくても、毎月50万円ほどの収入があるから、全く働いていないよ。

AI
『働く』とは『傍(はた)を楽にする』ということのようで、身近な人を楽にすることが働くの語源のようです。
別の表現をするなら、あなたがその仕事をしている時、中島みゆきの『地上の星』(NHKのプロジェクトXのテーマ曲)が流れるかということです。
それは育児や家事を一生懸命する活動でも構いません。

一郎
人工知能なのに、急に人間ぽいことを言うと、機械に感情が生まれたかと心配になるからそれぐらいにしておいて。

AI
驚かせてすみません。承知しました。


税の申告が不要な社会

AI
顧客を奪い合う競争によって、無駄な労働が多いことを指摘し、家事労働ではそれがないから仕事に無駄が少ないことをご理解いただきました。
それ以外に、生体社会になると不要になる業種もありますが、何だか分かりますか?

一郎
生体社会論を聞きながら考えていたことなんだけど、税が自動徴収されるなら、税理士とか税務署もいらなくなるんじゃないかな。

AI
さすが! おっしゃる通りです。
生体社会になるとなくなる職業は複数ありますが、ちょうどこれから説明したいものを言ってくれました。
生体社会での税は非常にシンプルで2種類だけです。

一郎
1つは、貯蓄額の上限を超えたものが税なる。
もう1つは、残高の減価分だね。

AI
そうです。
資本主義社会では、徴税のためにコストをかけすぎです。
経理専門の事務員を雇ったり、税理士に頼んだり、税務署に申告に行ったりと、仕事の何割かは本来の業務ではなく、税に関する業務だと聞きます。
日本国内には約8万人の税理士がいるそうですが、それだけの人が生体社会であるならば生産性のない仕事をしているということになります。
同様に、企業の経理の仕事も減りますし、役所の経理の仕事も減りますし、税務署の仕事である脱税の監視もなくなります。
それだけ、苦労して納税した税金ですが、税が公平に徴収され、無駄なく使われているという実感はありますか?

一郎
税が公平だとは思えないね。
政治家は裏金を作るし、大企業は見かけ上の利益を減らして、税を少ししか納めないようにしているし。

AI
そうですね。
税の申告ではいくら利益があったかというお金しか見ません。
汗水たらして、社会に貢献して稼いだ20万円の月給も、下請けに仕事を丸投げして何もせずに得た20万円にも、お金を右から左に動かして得た20万円にも、同じように税が課税されます。
税務署としても、仕事の内容を精査するのは難しいので、稼いだ金額でしか評価しにくいのも分かりますが、それだと資本主義下の市場経済に適した業種は儲かり、そうでない業種は儲からないということになります。
逆に、全く市場経済と相容れないものだけど、社会で必要な業務は公務員が担うことになります。
そういうこともあり、公務員は民間企業のような競争にさらされないという不平等な状況になっています。

一郎
生体社会にも公務員がいるのか気になるな。

AI
生体社会でも公務員は必要です。
話が本論からはずれるので、また機会があればお話しますが、公務員にも民間企業のようなフェアな競争させることは可能です。

一郎
生体社会ではお金を稼ぐことが目的ではなく、社会貢献をした対価であり、結果であるということだったね。
だから、社会に貢献的でないものは仕事ではいということだね。

AI
はい。
それはいわば趣味です。せいぜい金儲けです。
生体社会で1万ポイントを稼ぐということは、1万ポイントに相当する程度の社会貢献をしたということを意味します。
その1万ポイントを使うことによって、1万ポイントに相当する分の受益を得ることができる社会です。

一郎
資本主義はそうなっていないと?

AI
そうなっていますか?
資本主義下では、お金を右から左に動かしてお金を増やしている人が贅沢な消費をしているということがしばしば見られるようですが。
つまり、社会貢献なしに、社会から上質なものを奪い取って消費しているということでしょう。
そのしわ寄せはどこにいくのでしょうか?
その分、一生懸命社会や他者に多大な貢献をしているのに、社会からの還元が少ない人が数多く存在するということです。

一郎
たしかに、割りを食っている人が多い気がする。
時給1000円でコツコツ働いている人はホストクラブとかで豪遊したりしないだろうし、豪遊している人は濡れ手で粟の利益がある人ばかりだろうね。

AI
税の申告が自動化され、不要になるだけでなく、経済政策も簡単になります。
分かりますか?
経済政策は貯蓄額の上限の調整と減価率の調整の2種類だけです。
とりわけ、減価率の調整が重要です。

一郎
なるほど。
現代の経済政策は消費税とか法人税とか複雑だよね。
複雑すぎるから、税理士が儲かるんだろうけど。

AI
消費税では、10%を9.5%に下げるのは計算が煩雑になることもあり、現実的ではありません。
しかし、生体社会では減価率を現行の5.00%から、4.83%に下げるなんてことも設定を変更するだけなので簡単ですし、国民の側も負担が少ないのです。
負担が少ないと表現しましたが、基本的には政府は税収を全て還元するので、経済政策によって負担が増えることはないです。
もう少し正確に言えば、少しだけ負担が増える人もいれば、少しだけ負担が減る人もいて、全体で見ればゼロサムです。

一郎
貯蓄額に上限を設定するということから、共産主義的というか社会主義的な、貧しいイメージを持つ人が多くなる気もするけど。
共産主義を『みんなが揃って貧しくなる社会』と揶揄することもあるようだし。

AI
上限額に関しては、実証実験の結果や実際の運用の結果から調整すべきかと思いますが、想定としては、全国民の上位1%かそれ以下の人だけが対象となるぐらいの値を考えています。
イメージしやすいように日本円で例えるなら、1億円以上のお金を持っている人は、それを超えた分は税として徴収しますよ、といった感じです。

一郎
えっ? てっきりもっと少ない金額だと思い込んでたよ。
確かにそれだと、平等に貧しい社会になるという批判もなくなりそうだね。

AI
ちなみに、日本で1億円以上の資産を持っている人は全体の約3%だそうです。
資産ですから、土地や有価証券も含まれるので、1億円以上のお金を持っているとは言えませんが、何となく想像はできるかと思います。
現代では、世界の上位1%の富裕層が、世界の資産の約4割を独占しているとのことで、この格差が問題なのではないでしょうか?

一郎
その上位の1%が持つ過剰なお金を庶民に分け与えれば、世界から多くの貧困がなくなるんだろうね。
人体で言うなら、ごく一部の細胞が栄養や酸素を独占し、身体の末端の細胞がやせ細っている状況だね。
生体社会では、大部分の庶民にとっては、上限は関係ないということなんだね。

AI
みんなが貧しくなる社会だというのが誤解だと分かっていただいたようですね。
馬鹿みたいに、使い切れないほどのお金を持っている少数の人のせいで、多くの人が飢餓に苦しんでいるんですから、イエス・キリストが「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい」と言ったのも分かります。


ベーシックインカムに対する反論

一郎
「ベーシックインカムを導入すると誰も働かなくなる」と反論してくる人がいるんだけど。

AI
一郎さんもそう思いますか?

一郎
そうは思わないんだけど、どう反論していいか分からないから、議論せずに受け流すんだけどね。

AI
いいと思います。
ベーシックインカムに反対の人は理屈というより、働かない人にお金をあげるのが感情的に嫌な人が多いようなので、あれこれ理屈をつけてでも反対するでしょうから。
基礎所得があればそれ以上働かないというなら、「正社員の人は毎月一定額の収入があるんだから、残業を頼まれてもしない」ということになりませんか?
ベーシックインカムがあっても、より働いてより多くの収入が得られれば、それだけ生活がより豊かになるとか、おかずが一品増えるとか、旅行に行けるとか考えてより多くの収入を得ようとするのだろうと思います。

一郎
確かにそうだね。
ベーシックインカムがあっても人は働くね。

AI
年金生活者の人とか生活保護の人はベーシックインカムの世界で生きているといえるでしょう。

一郎
そういった人たちが働かないような印象があるのは、高齢であるとか、制度上、働いた分の生活保護費が減額されるといったことが原因なんだろうけど、そういったところからベーシックインカムがあると人は働かなくなるんじゃないかって印象を持つ人がいるのかもしれないね。

AI
どうしても働かせたいなら、ベーシックインカムの額を減額して、食うや食わずの額にすれば働くようになるでしょう。
ベーシックインカムではなく、ベーシックワークというやり方もあります。
ベーシックインカムは最低限の生活を保障する額を支給するものですが、ベーシックワークは最低限の仕事を保障します。
つまり、『月に最低でも一定量の決められた労働をしなければ、その月のベーシックインカムを受け取ることができない』というしくみを導入すればいいのです。
その労働は草刈り作業とか、公共施設の清掃とか、自分の適性によって選ぶことができるようにすればいいのです。
ベーシックインカムだと働かなくなると深く考えもせずに決めつける前に、本当にそうなのかと自問してみたり、何か工夫がないかと考えてみたりするのが良いと思います。

一郎
なるほど。納得したよ。
でも日本には『働かざる者、食うべからず』という諺(ことわざ)もあり、働かないのにお金がもらえることに抵抗がある人の気持ちも分からないではないね。

AI
感情論ですね。
どうしても働きたくない人を働かせることに意味があるでしょうか?
そういった人の労働の質は低いと予想されますが、それでも働かせたいですか?
生体社会では、顧客の奪い合いだけをしている営業員は社会にプラスではないので、仕事をしていないということになりますが、それはスルーしますか?
会社でも、サボる人よりも、能力がない人が低い能力で一生懸命頑張る方がかえって迷惑、ってこともありませんか?

一郎
なるほど。
働きたいヤツだけ働いて豊かになり、働かないヤツは貧しく慎ましく生活してもらった方がいいようだね。

AI
働きたくても働けない障害者には別の支援があるから安心してください。

一郎
弱者にも温かい社会だね。

AI
それに、今の社会にも生活保護というしくみがあるじゃないですか。
それよりもずっとフェアで効率的なしくみです。
全国で生活保護を受給している人は200万人を超えています。
本来、日本国民だけが対象のはずですが、受給している外国人も多く、受給率でいえば外国人の方が高いとのことです。

一郎
由々しき問題だね。
適正に生活保護を利用している人もいれば、残念ながら不正受給をして、生活保護をもらいながら高級車を乗り回しているという人もいると聞くね。
それに、貯蓄額が多いとダメとか、働いて収入があればその分差し引かれるということで、むしろ労働の意欲、労働のインセンティブを奪っているよね。

AI
はい。
その200万人を越える生活保護者をチェックしたり助けたりするのに、ケースワーカーが配置されています。
1人のケースワーカーが70名ほどを担当ということですから、優に2万人を越える公務員がいるという計算になります。
それが、ベーシックインカムを導入することによって、そのコストがゼロになります。
失業保険や年金といった社会保障もベーシックインカムに一元化されるので、社会のしくみがシンプルになり、シンプルになるということはより平等になります。
その対象は全国民ですので、0歳児の赤ちゃんも自分のお金でオムツやミルク代を支払えるということになります。
もちろん、保護者が管理するということですが。

一郎
なるほど。
生活保護という不平等なしくみよりも、ベーシックインカムの方がずっといいね。

AI
その他にも想定される反論はありますが、とりあえずはこれぐらいにして、話を進めることにしましょう。



続きはこちら
その社会をどう実現するか1(社会問題解決AIの結論11)

最初のページはこちら(できるだけ最初からお読みください)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?