【世界初ミトコンドリア超複合体を見える化】スタミナを伸ばす薬物を見つけたぞ

パラサイトイブという小説があって、すべての動物の細胞にはミトコンドリアという細胞小器官の1つが反乱を起こして、人類を攻撃するホラー小説。

ミトコンドリアはエネルギーを産生してくれて、そのエネルギーが動物を動かす力になっている。つまり、これがうまく動いてくれないと人間は動くのもままならない。

このミトコンドリアをいかに活性化させるのかという研究も進んでいる。とりあえず、少し飢えた状態にさせておくとミトコンドリアが活性化しやすいそうな。プチ断食がいいのもこの効果もあるらしい。

ミトコンドリアは母親から子に受け継がれるので、ルーツはすべて母親からたどることができる。1つの説があって、そのルーツをどんどん遡っていくと、アフリカ系女性に行き着くという。この女性をミトコンドリアイブと呼ばれている。

ただし、ただ一人の女性というわけではなくて、この女性以外の同世代の女性に行き着くことも可能なので、一人の女性がイブだったというのはよくあり誤解。


東京都健康長寿医療センター研究所は理化学研究所と埼玉医科大学との共同研究で、世界で初めて生きた細胞の中でミトコンドリア超複合体の「見える化」に成功した。

さらに「見える化」によって、ミトコンドリアの超複合体を増やすことができる薬物を発見した。この薬物をマウスに与えると運動持久力が高まることがわかった。

筋肉が十分に力を発揮し運動を行うためには大量のエネルギーを必要としており、そのエネルギーを産生してくれるのが筋肉細胞の中にあるミトコンドリアという細胞内小器官。

そのうちの3種類の複合体が集まってより大きな構造体となって働くことにより、多くのエネルギーを産生できることをマウスにおいて筋肉の運動持久力を高めマラソンランナー型になることを明らかにしていた。

しかし、生きたままの細胞でミトコンドリアが実際にエネルギー産生をしているところを見いだしておらず、実態を捉えて詳しい働きとどのようなコントロールがなされているかはわかっていなかった。

今回の研究ではミトコンドリア超複合体に蛍光タンパク質を連携したマウス由来の筋肉細胞を作成した。エネルギーが産生することでタンパク質が光るところをレーザー顕微鏡で観察することにより、生きたままの細胞でミトコンドリア超複合体の可視化に成功した。

このことにより、どの薬物がミトコンドリア超複合体を増やしているのかも特定し、モデルマウスに同薬物を投与したところ、いずれの薬物もマウスは運動持久力を高める効果があり、筋肉におけるミトコンドリア超複合体の量を増やすことがわかった。

これをヒトにも通用するのなら、高齢者のサルコペニアに効果が期待できるだろうし、普段から疲れやすいと運動不足でくたびれているヒトにも恩恵を与えてくれるだろう。

むしろ、高齢者と呼ばれている年代にもフルマラソンなどにチャレンジできる機会が増えるかもしれないし、それは限りなく生き生きと過ごしていけるようになれるともっといい。

この薬をはじめとして、長寿外来と行った感じで専門のクリニックができるようになったりして。

#日本の研究 #世界初

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