南の島の大王はマジで偉大だった

画像だけ見るとウクレレ奏でるかみなり様のようにも見えるけれど、海を渡って植民地支配をしようとした外国の侵略を退け、ママラホエ・カナヴィという戦時における人権法のモデルを作ったのがこの人。

19世紀に王族の元に生まれた時から命を狙われて、ナントカ生き延びて王家に帰ることを許される。14歳で戦士の教育を受けたら、めきめきと実力をつけて、2メートルほどの巨漢になっていたという。

ハワイに住むポリネシアンはフィジカルがすごい強くて、かつては大相撲でもポリネシアンが目立っていたよね。高見山とか小錦とか。あと曙。

しかも、頭も良くて、結構人気もあったという位なので、ナンバー2にすえられたときは、王様は立場危ういと思って、命を狙った。

こんな狭い島でも内紛ってあるんだなと思ったりもしたんだけど、カメハメハ1世は頭も良かった。うまいこと山を戦場にして、キラウエア火山の噴火で相手の戦力を減らしたっていう。

こうしてハワイで王位を得たんだけど、今度はイギリスが船でやって来て、文化侵略が始まっちゃうんだ。ジェームズ・クックとは仲良くやっていたんだろうし、そのあとイギリスとの交流もあったし。

ただ、洗練されたイギリスの文化に染まっちゃうと植民地支配待ったなしになってしまう。


カメハメハ1世もそのことよく分かっていて、ヨーロッパから来る強国の侵略から守るために、ハワイ諸島を統一しようとしたわけで。


で、なにをしたかというと、イギリスと交易を始めて、文化をどんどん吸収した。この国には文字がないのに、数ヶ月で英語を覚えてしまったという大王。


で、近隣の島を統一しようと攻め入って、どんどん領地を広げていく。


なお、ハワイ諸島は鉄器を使う技術が無かったので、動物の骨で作った武器や、ナックルパンチくらいしか戦うすべはなかった。

だけど、カメハメハ1世は銃器をそろえていた。ホントに交渉上手なポリネシアン。相手の島も銃器を持っていたこともあったんだけど、戦もうまかったから、やっぱり勝っちゃった。

そして、ハワイ諸島を統一。交渉も上手だったカメハメハ1世、外国からの土地の所有を禁止したり、宗教に関しても厳しく取り締まったりで、

ヨーロッパ勢が何か仕掛けてくるものなら、イギリスと仲がいいところを見せたり、イギリスが何かしようものなら、世界中の文化を受け入れ、世界を味方につけるなど、弱者としての強みを最大限に発揮していた模様。


これだけ、たくさんの外国との交流があったのは、それだけ魅力的な土地だったんだろうね。アメリカ大陸の中継地点にもなるし、貿易ができたってことは特産品が相当レアものだったんだろうか。


カメハメハ1世の生涯は激動の中だったんだろう。その中で、現代の人権法のモデルになるママラホエ・カナヴィという他人への思いやりや自分を大切にするという言葉の意味で戦時中の「非戦闘員の保護」を明文化した法律を作った。義経、聞いとけよ。

カメハメハ1世が戦でボートが座礁したときに漁師に頭をぶん殴られたそうな。

あとになって、漁師は連れてこられたんだけど、漁場と家族を守りたかっただけだから、といって、処分なしに解放したんだとさ。


武力、知力、交渉力、外交センス、とても小さな島国で育ったとは思えない人間だった。名前だけ知っていたけど、ここまで優れた人間とはしらなんだ。


ここで、連想してしまったのがバーフバリなんですよね。


いまは、一人だけに才能が集中してしまうと、権力を持つには都合の悪いことばかりだけれども、カメハメハ1世のような人間がいたら、先ず忠誠を誓ってしまうだろうな、うん。

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