【ブタの皮膚から角膜を制作】人工角膜で視力回復に成功したぞ

豚の組織が人間に近いから、遺伝子組み換え蓋から臓器移植をするというアイディアが実現されていて、心臓や腎臓の移植も割とうまくいっているそうな。

移植手術の大きなハードルは、適合するドナーを探さなければならなくて、それが見つかるまで、ずっと待っていなければならない。日本はそういうドナーになってくれる人が少なくて、海外の方が結構多いとか。

これは日本人と外国の人の肉体に関する価値観の違いじゃないかと思うけれど、外国人の方が肉体を一つの部品とするイメージが強くて、日本人からしたら、内臓一つでも譲ることにすごく抵抗感を持ってしまうものがある。おそらくは、死後の世界を強く信じていて、肉体が欠損していたら困るという意識かもしれない。

死んだ後なんだからと、言えばその通りなんだけれど、そのあたりは合理的に割り切れない気持ちが存在しているなと。自分も含めて。


スウェーデンのリンショーピング大学などの国際研究チームはブタの皮膚由来のコラーゲン分子で、科学的、光学的に処理した人工角膜を開発した。

このブタから作った人工角膜で角膜の病気を持つ20人のうち完全に失明した14人の視力の回復に成功し、2年後の追跡調査で14人の盲人が視力を回復させ、そのうちの3人は完全な視力を取り戻した。

角膜とは、眼球にある光を入れる一番最初の部分。目玉にちょんと丸く突き出ているのがそれ。角膜の病気は「円錐角膜」という病気で、角膜がニューッと尖ってしまう。こうなると屈折率が変わってしまうので、光がまぶしく見えてしまったり、見え方がおかしくなってしまう。

手っ取り早く解決するなら、角膜の移植なのだけれど、この手術は設備が重要で、角膜移植を受けられるのは70人に1人の割合でしか受けられず、所得の低い国では困難であった。

そこで、研究チームは食肉でも回収できるブタから皮膚を使って、皮膚由来のコラーゲン分子から、人工角膜を開発した。これなら、ドナーも必要ないし、材料はたくさんあるのでたくさん作れる。しっかり保存すれば、最大2年も保存が出来るとのこと。

侵襲性の低い方法も考案されており、それなら多くの病院でも手術が可能になる。所得の低い国家でも安価な費用で手術が可能になるかもしれない。

円錐角膜と言えば、北斗の拳の作画を担当した原哲夫先生もこの病になってしまって、右目がほとんど見えなくなってしまったとか。知ってる限りだと、右目を閉じて描いているらしい。

手術をしたらどうかなと思うけれども、リスクが大きいのかな、もしくは手術をしたくない理由があるのかな。


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