【アザラシの深海探査:東南極の未知なる海底を明らかに】センサーをつけたアザラシが南極の海底深く潜ったぞ

アザラシの深海潜水が、南極の未知なる海底を照らし出しました。最新の研究により、東南極の大陸棚下に存在する新たな深海領域が発見され、棚氷を下から浸食する水路について詳細な情報が提供されました。

クライブ・マクマホン博士は、シドニー海洋科学研究所(SIMS)とIMOS(統合海洋観測システム)動物タグサブファシリティの責任者であり、最新の研究の主執筆者です。また、タスマニア大学の海洋・南極研究所(IMAS)でACEAS(ARCオーストラリア南極科学精鋭センター)のゾウアザラシのタグ付けプロジェクトを主導しています。

南極大陸周辺の南氷洋は未知の領域であり、従来、船舶による調査が限られていました。そこで、アザラシの深海潜水を追跡するプロジェクトが重要な情報をもたらしました。

このプロジェクトでは、アザラシに小型の衛星連動装置を取り付け、彼らの泳ぐ際の温度、塩分、水深などを測定しました。特に、東南極の大陸棚の下で2004年以来、50万回以上の潜水を行ったアザラシに焦点が当てられました。

共著者であるマーク・ヒンデル教授によれば、「アザラシの潜水データは、南極の海洋学的プロセスに関する理解を深める上で極めて重要です」。

驚くべきことに、これまでの深海の推定深度の25%以上が実際の深度よりも浅かったことが明らかになりました。アザラシが潜水していた深度は、想定よりも何百メートルも深かったのです。最も驚くべき事例では、従来の海底とされていた深度よりも1,000メートルも深い場所で潜水していたことが発見されました。

この潜水から得られたデータは、シャックルトン棚氷やアンダーウッド氷河沖の谷、ヴァンダーフォード氷河近くの深い峡谷など、新たな水中地形をも明らかにしました。最新の砕氷船、RSVヌイナ号のマルチビーム・エコー・サウンダー調査でも、ミロウンガ・ヌイナ峡谷などの存在が確認されています。

「アザラシから得たデータは、特に棚氷が海水に接する箇所や、そこから水路が形成される場所について、貴重な情報を提供します」とマクマホン博士は述べています。「この知識は、棚氷の融解速度を理解するために不可欠です」。

東南極氷床は、世界の海面上昇に影響を及ぼす重要な要素です。ヒンデル教授によれば、「気候変動が進む中、棚氷の裏側から海水が侵入する可能性が高まることが予想されます」。

「正確な情報が得られれば、将来の海洋や気候に与える影響を量化できるでしょう」とヒンデル教授は語りました。

アザラシの深海潜水は、南極の未知なる海底を明らかにし、今後の研究や気候変動への対応に向けた貴重な情報を提供しています。

ChatGPTより作成


地球の大気圏にはたくさんの静止衛星があって、地球上のあらゆるところを空から確認できている。なので、事実上地球上でもう発見していない土地はないものだと思っていいはず。しかし、海底や地下はどうなのか。

海底も地下も調査はしているけれども、まだまだ塗りしろがあるようで、クラウドファンディングでも資金を募ったプロジェクトがあったし、自分もそれに協力したこともある。

人が行けない場所というものがどれだけあるのか、それが分かれば、上限が分かりそうなものだけれど、人がいけそうにない場所だから、認知の外にあるわけで、誰かが気づいてそこに行ってみなければ、ずっとわからない。

アザラシの行動範囲は想定以上に深くて、研究者も驚いていたんだろう。こういった動物にセンサーをつけて泳がせる試みはおそらくよそでもやっているんだろうけれど、まだまだ新発見が出てくるに違いない。

まだまだ調査が進んでいないうんと深い海底に深海生物でGPSをつけてみてはどうか。電波が届きにくいかもしれないけれど、これをトレースすることができたら、面白いものが見つかりそうな気がしている。


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