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無料チャットアプリ「パルケトーク」ができるまで

はじめに

2022年9月27日に〈完全無料〉のチャットアプリ「パルケトーク」をローンチしました。
この市場における後発組のなかでも最後尾なので、その分、訴求ポイントを分かりやすくしながら、どんな世代やITリテラシーの人にとっても使いやすいシンプルなチャットアプリを目指して元気にやっていこうと思います。
仕事に限らず、気持ちのよいグループコミュニケーションをサポートしていきたいので、大学のゼミやサークル、PTA、マンション理事会など様々なコミュニティで活用いただけると嬉しいです。

なお、今年の5月31日には無料ウェブ会議「パルケミート」を開始してますので、それから約4ヶ月経って、コラボレーション領域において2つの無料アプリを提供することになりました。
無料のコミュニケーションアプリを提供するパルケとして覚えていただけると大変嬉しいです。
パルケトークは早速、次なる大型アップデートのための開発がすでに進行中ですので、3つ目のアプリが登場するのはしばらく先になります。

このnoteではパルケトークを開発する過程で議論してきたことをお伝えできればと思います。

「ビジネスチャット=メディア」と再定義

みなさん、ご存知の通り、ビジネスチャットはコロナ禍をきっかけとして300人以上のエンタープライズ企業やスタートアップを中心に急速に普及しました。
気軽でクイックなチャットでのやりとりは一度、やってみると便利で、読者のなかには「チャットなしで仕事を進めるなんて考えられない!」という方もたくさんいるのではないでしょうか(当社のメンバーは間違いなくそうだと思います 笑)

2021年12月 当社独自調べ

300人未満のSMB(中小企業)の導入率も33.3%と進んでいるとはいえ、導入の余地はまだまだ大きくあります。
SMBの方々にインタビューをしていると、ビジネスチャットの活用メリットは理解しつつも、無料メッセージアプリ「LINE」の影響は大きく「チャットは無料」というイメージが強いことを痛感しました。お金を払って、チャットアプリを使うという発想が持ちにくいようです。
そのイメージを覆しながら、巨大な先駆者がいるビジネスチャット市場を開拓するのは後発のスタートアップにはあまりにも無謀なミッションと感じました。

そこで僕たちはビジネスチャットを「可処分所得が高いユーザーが頻繁に接触するメディア」と再定義して「ビジネスチャット=メディア事業」と捉え直すことにしました。
通常、SaaSプロダクトは「高機能化&高価格化」の一途をたどることが多いですが、メディア事業として考えていくと「無料>有料」「シンプル>高機能」という発想の転換によって、ユーザーの裾野を広げることを重視すべきではないかという考えに至りました。
そして、それはSMB(中小企業)をはじめとして多くの企業のDX推進に貢献する意義あるサービスになり得るのではないか。
そのように考えて「シンプル&無料」を特徴としたビジネスチャットを開発することにしました。

自分たちの親世代でも使えるか

パルケトークは「シンプル&無料」が出発点であり、幅広い世代やITリテラシーの方々に使っていただくアプリを目指しています。
プロダクトデザインを議論しているとき、何度か出てきた言葉があります。
それは「自分たちの親世代でも使えるか」です。
もう少し噛み砕くと、次のようなことに気をつけながらデザイン設計を進めました。

プロダクトデザインのコンセプト
・機能やボタンはなるべく少なめに
・気をてらった体験は提供しない
・難しい言葉は使わない
・迷いそうな操作には文章で補足説明をおこなう

なお、一般的なビジネスチャットの場合、ユーザー管理はシステム管理者などが扱う機能です。社員は招待メールにしたがってアプリの設定を行えば、チャットを開始できました。
一方、パルケトークは無料アプリということもあって、LINEのようにそれぞれのユーザーが友だちを招待して、自由にチャットできた方が使い勝手がいいと考えました。
とはいえ、LINEでチャットを楽しむ自分たちの親たちを見ていても「招待」はチャットアプリのなかで最も難しい機能だと感じていました。
そこで、パルケトークは難易度が高い「招待」機能を誰でも扱えるようにすることを目指して、キーメッセージも「とにかく簡単につながる無料ビジネスチャット」と設定して、看板に偽り”あり”にならないよう日々、頑張っています(正直、日々、試行錯誤です…)

また、無料ビジネスチャットだからと言って、ストレージなど原価が発生する以上、何の制限もなくサービス提供するわけにはいきません
一方で、〈完全無料〉を謳うからにはビジネス用途である以上、やりとりしたチャットに閲覧制限をかけるべきではなく、その辺りのバランスを調整しながらサービスの特徴を次の通り、定めました。

パルケトークの特徴
・完全無料でチャットの閲覧制限なし
・ファイルの保存期間も制限なし(ただし、送信時にファイルサイズなど一定の制約あり)
・いくつでもグループトーク(チャット)に参加できる
・何人でも友だち追加できる(ただし、トークあたりの上限人数は100人)

ホームページには親しみやすいイラスト

ホームページも「無料&シンプル」「幅広い年代やITリテラシーの人に使っていただく」というコンセプトに沿って制作されています。
そういった点では無料ミーティングアプリ「パルケミート」と同じで、「深い階層構造にはしない」「親しみやすいイラストを使う」ことを引き続き意識しました。
一方、パルケミートのイメージカラーはブラック&ブルーですが、パルケトークのイメージカラーはグリーン&イエローとすることにより、サービスの違いを強調しています。

モバイルのネイティブアプリが最優先

パルケトークには気持ちのよいチャット体験が欠かせません。
それを踏まえて、最優先すべきユーザーの利用環境はモバイルのネイティブアプリとし、React Nativeを採用することに決めました。
それ以外のユーザー環境はNice-to-haveとして、PCは縦長のモバイルレイアウトのままとして、左右にブラックの横帯をつけてWeb表示することにして、それらをReact Native for Webで実装することにしました。
このようにメリハリをつけることで開発工数とデザイン工数を圧縮しながら、最短ローンチを目指して走り抜けました。
なお、PC向けアプリの開発はプロダクトロードマップに組み込まれています。

無料アプリならではの”勝ち筋”とは?

パルケトークはビジネスチャットなので、もちろんSaaSですが〈完全無料〉ということもあって、マーケ施策には工夫が必要です。
チャットアプリのグロースの柱はなんと言ってもPLG(Product-Led Growth)戦略ですが、それだけで偉大な先行プレイヤーに追いつける気はしません。
もちろん、いくつかのデジタルマーケ施策は実施しますが、デジタル一辺倒では届かないユーザー層も確実に存在します。
また、特にグロースの初期段階では収益性がそこまで高くはないのでフィールドセールスやインサイドセールスを主体としたSLG(Sales-Led-Growth)戦略は採用しにくいプロダクトです。現状、支払うフィーも捻出できないので代理店制度の構築も難しいでしょう。
この辺りの整理を行なった上で、現在、いくつかの施策を同時に走らせて、それぞれ小さなテストを繰り返しながら”勝ち筋”を探っています
他にも「これぞ!」という施策があれば、アドバイスいただけると嬉しいです。

パルケトークのマーケ施策とは
・PLG(Product-Led Growth)戦略 : これだけでは厳しい
・デジタルマーケ : デジタル一辺倒では届かないユーザー層も存在
・SLG(Sales-Led Growth)戦略 : 収益性の観点で特に初期は厳しい
・代理店制度の構築 : 支払うフィーが捻出できない

無料ミーティングアプリ「パルケミート」との連携

このnoteでも何度か触れてきた通り、パルケは無料でウェブ会議を開催・参加できる「パルケミート」も提供しています。
パルケトークとパルケミートは同じアカウントでそれぞれログインすることができるだけでなく、便利な連携機能もリリースされています。

これまでウェブ会議で商談が盛り上がったあと、その後のコミュニケーションのための連絡手段(メールアドレスなど)の交換などで手間取ったことはないでしょうか。
パルケミートであれば、2クリックだけで気軽なチャットコミュニケーションをスタートできます。

パルケミートでチャット招待する方法
①ウェブ会議中に「チャットをはじめる」ボタンを押して招待リンクを発行する
②会議メンバーは招待リンクをクリックして(初回はメール認証が必要)グループチャットに参加する

パルケトークの今後

というわけで長々と書きましたが、僕たちなりにユーザーの課題に向き合いながら、どうすれば解決できるのか考えた結果、今回は世代やITリテラシーを問わない「無料&シンプル」なチャットアプリをお届けすることにしました
身もふたもありませんが、〈完全無料〉ですし、百聞は一見に如かずということで一度試していただけるとメンバー一同、嬉しく思います。

アプリでのご利用
iOS
https://apps.apple.com/jp/app/id1631267741
Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=io.parque.app.talk

ウェブでのご利用
https://talk.parque.io/

また、冒頭でパルケトークの大型アップデートに向けた開発が既に始まっていると自らハードルを上げるようなことを書いてしまいましたが、次はビジネスチャットを使いこなしている人たちにも便利に感じていただける機能を追加リリースする予定です。

もし僕たちの活動に意義を感じていただいたり、興味を持っていただいた方がいれば、お気軽にご連絡ください!


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