大卒ホームレス、起業する 第5話 「生き残り研修」


1週間研修をやって何も成果が出なければ、バイトをクビになる。
後々聞いたことだが、これが僕を雇用する条件だったらしい。



バイトをやることになった僕は、外で暮らしながらバイト先に通う
という日々が続いた。

服は1つしかなかったし、靴下は履いてないから足は真っ黒。
バイト先がマンションだったから毎日出社するなりお風呂を借りて髪と足を洗っていた笑・・・

それを見かねた、社員のチャラ男(第3話で出てきたチャラ男)先輩が、「お前、毎日同じ服じゃね??足も汚いし・・・やばくね??」と気づいてくれて、色々心配をしてくれた。

この先輩がまためちゃくちゃ良い人で、すごくお世話になったんだけど。
チャラ男先輩が、お前正直に話してみ。と言ってきたので、この先輩になら暴露しても良いかと思って

「実は・・・僕はホームレスなんですよね」

「え、マジで?」

「はい笑 家がなくて」

「お前、それやばいジャン〜」

「社長には内緒でお願いします」

という話で一度落ち着いた。


仕事の方はというと、研修は大変だった。。
飲食店向けの油抑制装置を売るためのアポを取るテレアポだったんだが
これがまた電話をする先が厄介で。

油を半分にして経費を削減しませんか?
っていう提案だったんだけど、お店が老舗のとんかつ家とかが
多かったため、もう毎日100件怒鳴られる・・・

「お前2度とかけてくんな!」
「うち担当いないんで・・・ガシャ。」
「出直してこい」
まあ、暴言をはかれまくった。

僕は毎日1アポしか取れない日々が続いてた。

僕よりも少し先に来ていたバイトのAさんっていう
女性の先輩アルバイターは3件くらいとってて
僕のことを常に馬鹿にしてきた。
「こいつにだけは負けたくない・・・」とメラメラ燃えていた。


「2度とかけてくるな!」と言われたら
「え、では3度かけますね!」

「担当いないので」
「僕が担当やりましょうか?」

「うち必要ないので」
「油使ってるのに必要ないってことは自然破壊ですよね」

まあ、今思えばとんでもない反論処理なんだけど笑
23歳の僕は、オラオラと営業するしかなく。

けど、暴言を吐かれても全くめげずにむしろ闘う姿勢も評価してもらったし
成果としても最終日には4件取れてなんとか僕は1週間の研修期間を生き残ったのである。


しかし、平穏な日々がくるはずもなく。
研修が終わった後、M社長から呼び出しを食らうのである。


続く


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