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緊急特集「新型コロナウィルスの影響で日本は食料危機に!?」Vol.4(最終回)
執筆:ラボラトリオ研究員 後藤ヨシヒロ
遅くなりましたが、本年もご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。
昨年は新型コロナウイルス感染による騒動をキッカケにして、世界中の多くの人々が大きな変化を求められた一年でもありました。
新型コロナウイルスの感染によって、ご逝去されました方々のご冥福を心よりお祈りいたしますとともに、ご遺族の方に哀悼の意を表します。
そして、いま現在も感染拡大防止に取り組み続けている全ての皆様に心より感謝御礼申し上げます。
■世界同時多発的な食料危機は本当に起こるのか?
2020年3月31日、
国際機関のFAO(国際連合食料農業機関)、WHO(世界保健機関)、
WTO(世界貿易機関)、3つの国際機関が共同で
「世界同時多発的な食料危機に対する警告」という声明を発表しました。
この共同声明がキッカケとなり
「新型コロナウイルスの世界的なパンデミックの影響によって、世界同時多発的に食料危機が起こるのではないか!?」と警鐘を鳴らす方々が続々と登場しています。
食料危機を警告する方々の根拠は、大きく次の4つに集約されます。
▼日本国に食料危機が起こる4つの根拠
・根拠1. 各国の食料輸出制限
・根拠2. 世界同時多発的な虫害被害
・根拠3. 中国の豪雨被害
・根拠4. 低すぎる日本の食料自給率
この緊急特集では、過去3回に渡り「根拠1」から「根拠3」の真偽について詳しく解説してきました。
もしも、まだお読みでない方は、まずは過去の記事をご参照いただければと思います。
▼過去の記事
・特集記事-Vol.1:2020年09月14日
・特集記事-Vol.2:2020年09月28日
・特集記事-Vol.3:2020年11月05日
今回は「根拠4」の「低すぎる日本の食料自給率」(以下、食料自給率問題)とコロナ禍との関連、食料危機との関連について解説してみたいと思います。
■食料危機に対する不安感の増加がミスリードを起こす
世界的な新型コロナウィルス感染に関する状況は、日々世界中で変化し続けています。昨年度から続くこの連載も、できるだけ世界各地の変化を常に反映させながら執筆しています。
特に日本の食料輸入に影響を及ぼす可能性ある国々の状況は、注意深く調べていますが、現時点では食料危機を引き起こすような事態は起きていないようです。
しかし「世界同時多発的な食料危機説」は消えゆくどころか、食料危機に対する不安感は日増しに強くなっているように感じています。
国内で2度目の「緊急事態宣言」が発令され、コロナ問題が収束しないことによるストレスと不安感から、食料危機を心配する気持ちが自然と湧いてくることは理解できます。
ですが、心配する気持ちが優勢過ぎると、フェイクニュースの真偽を見誤るリスクが高くなるので注意が必要です。
なぜなら、皆様からのご批判、誤解を恐れずに言えば、「食料自給率問題」は、誠に残念ながら国民をミスリードするためのフェイクにまみれているからです。
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