見出し画像

日本という、このすばらしい国 その9

執筆:ラボラトリオ研究員 杉山 彰

古墳時代に書き記された資料が現存していない

古事記や日本書紀が編纂されたのは西暦712年~西暦720年の間、奈良時代に入ってからです。編纂を命じたのは天武天皇です。原本は現存していませんが、写本が数多く存在します。また、古事記や日本書紀の資料となった帝紀(ていき)や旧辞(くじ)が編纂されたのが西暦681年頃です。こちらに関しては、残念ながら原本はもちろん、写本も現存していません。また、古事記や日本書紀以前の歴史書としては、西暦620年頃に聖徳太子と蘇我馬子によって編纂された天皇記と国記が知られていますが、こちらも残念ながら、原本はもちろん、写本も現存していません。西暦645年に起きた乙巳の変の際に焼失してしまったようです。

従って、古墳時代、そして、それ以前の我が国の歴史を紐解く国産資料としては、残念ながら古事記と日本書紀に頼る以外にありません。もちろん風土記や万葉集を傍証資料としての研究が行われていることも承知した上でのことですが、有り体に言えば、弥生時代晩期から古墳時代晩期までの歴史を紐解く第一級の資料が、天武天皇という権力者が命じて編纂された古事記と日本書紀以外には見当たらないのです。また、近畿地方に数多く存在する天皇陵の大部分の発掘がまったく行われていません。天皇陵に立ち入ることさえ、いまだに禁じられています。果たして天皇陵には、どのような遺物が埋葬されているのでしょうか?

当然のことですが「歴史は、絶えず権力者の側から語られる」という格言によるまでもなく、古事記と日本書紀によって語られている日本国誕生の経緯は、すべてとはいいませんが、多くの史実が闇に葬られている疑いがあります。そこで、中国の歴史書が、古事記と日本書紀の検証資料として存在するわけです。代表的な歴史書としては「梁書諸倭伝」、「後漢書倭伝」、「魏志倭人伝」があります。これらの歴史書の個々の内容は多くの歴史学者や専門家によって、それこそ星の数ほど出版されていますので、本シリーズではあえて言及しません。卑弥呼が誰で、邪馬台国がどこにあったかというテーマを、本シリーズで言及するつもりはありません。当然のことですが、私は、歴史学者でも言語学者でもありません。

しかし、数字という事実を網羅し整理し、臨機応変に仕分けていくアナリストとしての解析力、そして「事実は一つでも、真実は山ほどある」という経営者の陰の部分、闇の部分を見つめてきたコンサルティング業務の専門家として、漢字という文字が、我が国の言語文化にどのような影響を与えたのか。また、日本語(やまと言葉)という我が国古来の<はなし言葉>が、どのような経緯を経て確立されたのか? そしてその<話し言葉に>には、なぜ「言霊(ことだま)」が宿っている、と言われるようになったのか・・・。私なりに解析し、分析してみたい、と考えています。かのハインリッヒ・シュリーマンのトロイ遺跡発掘などの例を挙げるつもりは毛頭もありませんが、門外漢であるが故に、その道の専門家の方々とは異なる視点から、光を当てるべき部分は数多くあると信じています。(つづく)

←その8に戻る

→その10に進む

・・・・・・・・・・

【杉山 彰(すぎやま あきら)プロフィール】

◎立命館大学 産業社会学部卒
 1974年、(株)タイムにコピーライターとして入社。
 以後(株)タイムに10年間勤務した後、杉山彰事務所を主宰。
 1990年、株式会社 JCN研究所を設立
 1993年、株式会社CSK関連会社 
 日本レジホンシステムズ(ナレッジモデリング株式会社の前身)と
 マーケティング顧問契約を締結
 ※この時期に、七沢先生との知遇を得て、現在に至る。
 1995年、松下電器産業(株)開発本部・映像音響情報研究所の
 コンセプトメーカーとして顧問契約(技術支援業務契約)を締結。
 2010年、株式会社 JCN研究所を休眠、現在に至る。

◎〈作成論文&レポート〉
 ・「マトリックス・マネージメント」
 ・「オープンマインド・ヒューマン・ネットワーキング」
 ・「コンピュータの中の日本語」
 ・「新・遺伝的アルゴリズム論」
 ・「知識社会におけるヒューマンネットワーキング経営の在り方」
 ・「人間と夢」 等

◎〈開発システム〉
 ・コンピュータにおける日本語処理機能としての
  カナ漢字置換装置・JCN〈愛(ai)〉
 ・置換アルゴリズムの応用システム「TAO/TIME認証システム」
 ・TAO時計装置

◎〈出願特許〉
 ・「カナ漢字自動置換システム」
 ・「新・遺伝的アルゴリズムによる、漢字混じり文章生成装置」
 ・「アナログ計時とディジタル計時と絶対時間を同時共時に
   計測表示できるTAO時計装置」
 ・「音符システムを活用した、新・中間言語アルゴリズム」
 ・「時間軸をキーデータとする、システム辞書の生成方法」
 ・「利用履歴データをID化した、新・ファイル管理システム」等

◎〈取得特許〉
 「TAO時計装置」(米国特許)、
 「TAO・TIME認証システム」(国際特許)

この記事は素晴らしい!面白い!と感じましたら、サポートをいただけますと幸いです。いただいたサポートはParoleの活動費に充てさせていただきます。