見出し画像

日本の農業に未来はあるか ─ 種子が危ない? Vol.4

画像12


九州地方豪雨災害の復旧・復興、新型コロナウイルスの収束を祈念しつつ、今回もインタビューをスタートしたいと思います。

前回は「種子法廃止」問題および「種苗法改正」問題の背景に存在する「遺伝子組み換え種子」(以下、GM種子)について解説してもらいました。

詳しい解説のお陰で「GM種子」に関する基礎知識、反対運動家の方々が懸念する「グローバルGM種子会社」による「イネGM種子」の市場参入の実態など、幾つかの疑問や疑念がクリアになりました。

今回はいよいよ「種苗法改正」問題の本題に突入したいと思います。


「種苗法改正」法律案は継続審議

【ゴトウ】
今回からようやく「種苗法改正」問題の本題についてですね。

そういえば、反対派の方々からのクレームやご意見などが編集部に来てはいませんか…?

【編集部】
現在のところ来ていないようです。

【ゴトウ】
そうですか、それは残念です。
もしかして読まれていないのかも知れませんね…。
あるいは「アウトオブ眼中」なのかな、やっぱり。

【編集部】
購読者数は順調に増えているようですので、モチベーションを下げないようにお願いします。(苦笑)

【ゴトウ】
お気遣い、ありがとうございます。
では気を取り直して始めましょう!

あらためて、今回から「種苗法改正」問題について解説ということですが、結局のところ法案が提出された「第201回国会」では、法案の成立は見送りとなりました。

既に国会が閉会して1か月以上経過した今では、「種苗法改正」問題についての議論は、マスコミでも、SNS上でも、すっかり静かになったような気がします。

当初より「種苗法改正」問題は、黒川前検事長の定年延長問題、新型コロナウイルス問題という大きな話題の裏側で、いわゆる「火事場泥棒」的にわざと目立たないように閣議決定されている…というような陰謀論の匂いを発しながらSNSなどで拡散されていましたよね。

「種苗法改正」に対して反対の声を上げている人の中には、「種苗法改正」に対する反対というよりは、国会でのドタバタ騒動に対する辟易、不満の鬱憤、信頼の欠如などから、「けしからん!許せん!」という感情が引き金になって、反対運動に乗っかった人もいたのではないかという感じがしています。

今国会の「種苗法改正」は、「種子法廃止」の時と同様、そもそも実際の農業現場では、最初から特に問題視されてはいませんでした

法改正によって影響を受けるであろう、本来の当事者である農家、農業関係者ではなく、直接的な関係のない政治家、市民運動家、芸能人などを中心とした反対運動だったことに対しては、最初から違和感がありました。

【編集部】
そういう実態もあるかも知れませんが、もしかしたら、私たち国民が正しく理解していないだけかも知れないですよね?
問題の本質を正しく理解すれば、今は何の疑問や問題意識を持っていない人でも、反対運動に目覚める可能性もあるのでは?

【ゴトウ】
確かに、その可能性はあります。
でも、その反対に反対運動から撤退する人も出てくるかも知れないですね。
いずれにせよ、法案は廃案になったわけではなく、継続審議になりましたので、このタイミングで「種苗法改正」についての理解を深めたいと考えている方々に対して、このインタビューが役立てれば幸いです。

スクリーンショット 2020-07-30 11.38.49

ここから先は

6,810字 / 5画像

¥ 200

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事は素晴らしい!面白い!と感じましたら、サポートをいただけますと幸いです。いただいたサポートはParoleの活動費に充てさせていただきます。