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オフィスにグリーンを!植物から提案する新しい空間。parkERsインタビュー(1/3)

コクヨ株式会社が展開するオフィスづくりのサービスDAYS OFFICE(デイズオフィス)。

「人が集まり滞在したくなる」ワークシーンには、内装や家具だけではなく居心地の良さを演出できる雑貨、植物、飲食、書籍が必要だという考えから、植栽デザインの監修としてparkERsにもお声がけいただき、4年前から一緒に「DAYS OFFICE」に取り組んでいます。

そして今回、「DAYS OFFICE」の新しいメディア『GOOD WORK DAYS.』編集部のみなさんにparkERsメンバーがインタビューを受け、parkERsの空間づくりに対する想いやオフィスに植物を取り入れるメリットについてお話した記事が完成しました。
毎週金曜日に新着記事をアップしているparkERsのnoteですが、今週は番外編としてこちらの記事をご紹介させていただきます!

以下、『GOOD WORK DAYS.』インタビューより

* * *

こんにちは!GOOD WORK DAYS.編集部です。今回は、DAYS OFFICEともパートナーシップを組んでいるparkERs(パーカーズ)さんに、オフィスと植物についてお聞きしました。

parkERsさんは、青山フラワーマーケットで有名な「株式会社パーク・コーポレーション」のブランドで、オフィスはもちろん住空間や商業・公共空間をプロデュース・デザインしている素敵な会社様。DAYS OFFICEを採用いただいた企業様の多くに、parkERsさんがコーディネート(パッケージ化)したグリーンが導入されています。

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全3回の1回目は、parkERsさんのお仕事から、空間に植物を置くメリット、オススメのグリーンなどについてお聞きしました!

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PROFILE(写真左から)
株式会社パーク・コーポレーション parkERs事業部
辻永岳史さん :グリーンライフ室 マネージャー
片平麻衣子さん:クリエイティブ室リーダー/空間デザイナー
森大祐さん  :クリエイティブ室 プランツコーディネーター


parkERsって、どんなお仕事しているんですか?

-parkERsさんってどんなお仕事を手がけられているのか、改めて教えてください。

辻永:parkERsは、フラワーショップ「青山フラワーマーケット」を国内外に100店舗以上展開するパーク・コーポレーションの空間デザインブランドです。「日常に公園のここちよさを。」をコンセプトに、植物をはじめ水や木など公園の要素を使って、都市部に公園のような心地よいオフィスや住空間、公共・商業施設など様々な空間をプロデュース・デザインさせて頂いています。

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-日常に公園のここちよさ…すごくわかりやすいコンセプトですね!なんですけど、公園って一人一人少しずつ違うイメージみたいなものがあると思うんです。parkERsさんでは、何か皆さん統一で理想の公園みたいなイメージがあったりするんですか?

辻永:公園って遊具もあったり、芝生広場があったり、ベンチが配置されていたり…ひとりひとりの思い描く公園は違いますよね。でも、色々な世代や性別の方が集まって、思い思いの過ごし方ができる場所だと思うんです。そして、帰るときには清々しい顔で帰られる方がとても多いと思うんです。

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-あ、公園に訪れたときの「気持ち」のほうを大事にしてるんですね。

辻永:そうですそうです。じゃあ、なんでそういう気持ちになるのかっていうのを分解・分析し、公園を形成する7つの要素を導き出しました。緑・花・水・石・木・光…そして、中心には人がいます。この要素と、五感を掛け合わせて、空間を創っています。

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↑parkERsで大事にしている7つの要素相関イメージ。

ーさらっと話していますが…五感までかけ合わせると、すごく難易度が高いですよね笑 空間というよりは、感覚・環境のデザインですもんね。

辻永:おっしゃる通りで、私たちの考える空間は、人と植物を中心にしながら、様々な要素を掛け合わせることが必要なんです。なので、parkERsには、片平のような美大や建築系出身の空間デザイナーと、森のように、植物や環境が専門のプランツコーディネーターがいて、プロジェクトごとにプロデューサーと3人1組でチームを組んで、幅広いご提案ができるようにしています。空間をデザインして終わりではなく、日々成長する植物の手入れ=「育てるメンテナンス」を行うことで、心地よい時間をお届けできるよう取り組んでいます。

植物を取り入れて、どんなメリットがあるんですか?

-空間にグリーンを取り入れるメリットってどんなものがあるんでしょうか?

片平:少しスケールの大きい話になりますが、人は元々大自然の中、植物に囲まれて長い歴史を歩んできました。そして日本様式では庭(外)を取り込み楽しむ、西洋ではレリーフや柱など自然をモチーフにした建築で楽しむといったように、常に植物を感じられる環境で過ごしてきました

-はい。

片平:そうやって人は植物と寄り添って暮らしてきたにも関わらず、現代の人々は大地から離れた高層ビルに入り、直線的で無機質な建物の中で日夜問わず働き過ごすことで、日々たくさんのストレスを感じている方も多くいらっしゃると思うんですね。

-確かに、現代病もストレスが原因のことが多いですもんね。

片平:植物は眼精疲労に効く、ストレスを軽減、リラックスするなどの効果がよく知られていますが、人とグリーンの関係性を意図的に作り出すことで、より効果的にアプローチすることが可能です。例えば人とのコミュニケーションを活発にしたり、植物越しに話すことで良好な関係を築けるといった心理的に作用する効果や、目隠し・吸音効果、領域作りなど機能的な効果があげられます。

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↑parkERsさんの南青山にあるオフィス。

-眼精疲労を和らげるなどは聞いたことありましたけど、配置の仕方で関係性まで変わるんですね!

片平:また植物を空間に取り入れるメリットは、クライアントのお客さまが求めるモノ・コトにより様々です。なので、求められる用途や目的に応じて”どのような空間や人との関係性を築くか”が重要と考えているんです。

-私たち、DAYS OFFICEはオフィスを手がけているので、お聞きしたいのですが、法人のお客様は、どんな効果を望まれてグリーンを入れることが多いですか?

辻永:例えば、社員のコミュニケーションを活発にしたいのでグリーンを入れたい、社員がリフレッシュするスペースにグリーンを入れたい、集中して作業するためにグリーンを入れたい、といった声は多いです。

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↑parkERsさんの南青山にあるオフィス。

-実際に導入後に、どんな効果を感じていただけていますか?

辻永:実際に植物を入れて効果を実感したのは、植物のない時は人がいなかった空間に、植物が入った途端に人が集まってきたことです。グリーンの存在自体もそうですが、その日の成長の変化がコミュニケーションのきっかけになっているのだと思います。例えば、大崎センタービル(東京建物) 3階エントランスラウンジを手がけさせて頂いた時は、施工が完了した翌日から、多くの人が集う空間となり賑わいが生まれました。

-あ、動き方とかも植物で変わるんですね!空間全体の導線にも関わってくるのか。すごい。

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↑大崎センタービル(東京建物様)
 3階エントランスラウンジの施工事例。by parkERsさん。

多種多様な植物の選び方。

-グリーンや生花は、どんな風に選んでいるのですか?

森:植物は文字通り、多種多様ですよね。ショップなどでよく見る観葉植物だけでも何百種類。また同じ種類でも、産地や育て方によって、葉の緑量や幹の力強さ、樹形など、全く印象が異なります

-そうですよね。当たり前ですが、同じ形の植物もないですもんね。

森:そのため植物自体を選ぶ前に、空間のコンセプトと、そこで人がどう過ごすかをしっかりイメージすることが大切なんです。例えば、広いエントランススペースにソファがいくつか並んでいるとします。

ポツンと配置されているソファと、大きな樹が1本寄り添っているソファがあったらなんとなく「木がある方に座ろう」という気持ちが生まれませんか?

-そうですね。

森:ではさらに座ったあとに、樹の枝が頭上を覆うような広がりがあって、葉が細やかで透過性のある植物だったらどうでしょうか?見上げたときの木漏れ日を想像してみてください。

-ふむふむ…(想像している。。)あ、なんかすごい居心地良さそう!

森:そうですよね。そうやって色々な要素の相乗効果から「心地よさ」を感じられるようにコーディネートするようにしています。特に生花は旬のものが必ずあるので、「季節感」も大事にしています。日本の四季はとても奥深いですが、都市生活ではそれを感じにくいですよね。グリーンと合わせる一輪の花で、豊かな時間が生まれると思います。

-品種とか大きさだけではなくて、ここでもやっぱり「感覚」とか「五感」を大事にされているんですね!

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↑DAYS OFFICE×parkERsさん。
グリーンの側で過ごすのは心地好さそうですね。

今、注目のグリーンは?

-ちなみに、品種つながりでお聞きしたいのですが、カフェとかにすごく珍しくてオシャレなグリーンがあったりするじゃないですか。何か皆さんが注目しているグリーンってあるんですか?

辻永:実は、個人的には、珍しい植物をオススメしていないんですよ(笑)というのも、日常の中で違和感なく植物のある時間を過ごせるようにして欲しいんですね。

-確かに、オシャレすぎると緊張しちゃいそう…。

辻永:珍しいというだけで入れてしまうと、飽きやすいんです。なので、いつまでも楽しめるような、馴染みのある植物を入れるようにしています。私の方でよくオススメしているのは、その土地に昔から生えていた品種を調べて、それを使って空間を作ることです。普段身近にある植物でも、昔から人とどのような関わりがあったのかというストーリーを加えると、まるで新しい植物のように感じてもらえます。

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-植物の地産地消的な!

辻永:まさにそうですね。そうすると、風土にも合っていて、長い時間、飽きずに楽しんでもらえると思います。

-でも、都会だと、なかなか森もないですし、どんな植物が生えていたのかわからなくないですか?

辻永:そういうときは、神社や仏閣に訪れるんです。そうすると、昔から生えていた木などが残っていることが多いんですよ。

-そうなんですね!ちょっとオフィスや家の近所もチェックしてみます。

辻永:SDGsの浸透もあってか、これまでのような熱帯植物(葉が大きく厚く光沢のあるような樹種)よりも日本に昔からある自生種に近い植物がparkERsのお客さまには人気です。室内にいながらも日本の森を感じられるような空間が、人はホッとするのかもしれませんね。

(つづく)

parkERsさんとDAYS OFFICEの取り組みについてはこちら!

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以上、『GOOD WORK DAYS.』編集部によるインタビューの第1弾でした。

次の回では、parkERsが行う実際の空間デザインプロジェクトの進め方から植栽メンテナンスについて、詳しい内容をお話させていただきました。オフィスのグリーン導入など検討されている方には有益な情報が満載です。

来週配信予定。ぜひご覧ください!
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