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オフィスに植物を取り入れる魅力と効果、維持の方法とは?自社オフィスの“育てるメンテナンス”に密着!

働き方改革や感染症対策の影響から、リモートワークや在宅ワークの方も増えてきた昨今。オフィスに何を求めるか?は多くの企業が考える重要なポイント。
従業員満足度やリクルート効果、企業イメージ向上の観点から「オフィスに植物を入れる」という選択肢に注目が集まっています。

とはいえ、生き物である植物。維持はどうやってするのか?どのような効果があるのか?これは気になるポイントです。

今回のnoteでは、花や植物を使って室内に「公園のようなここちよい空間」をデザインする空間デザインブランドparkERs(パーカーズ)が、オフィスに植物を入れる魅力や、実際のメンテナンスについてお伝えします。

parkERsのオフィスはこんな感じ

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東京都南青山に位置するparkERsのオフィス。波紋が映し出されるエントランスを抜けて中に入れば、水音や木の質感、光や石といった公園の要素を用いて作られた空間が広がります。

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シンボルツリーのシェフレラと、公園の水辺をイメージした池。オフィスは全席フリーアドレスで、働き方や仕事内容によって場所を自由に選ぶことができます。

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入り口すぐに広がる「Indoor Park」は、社員同士のインフォーマルなコミュニケーションが生まれる場所。木の素材感を生かした大テーブルが見どころ。

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窓辺の「Outdoor Park」はブランコの座席や、ウッドチップが一面に敷かれた床が特徴。自由な発想とインスピレーションを生み出します。垂れ下がるエスキナンサスはふと気がつくと小さな花を付けていることも。

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涼しい森のような木立に囲まれ、集中して生み出したアイデアを収束させる「Forest Park」。明治神宮の植生を参考に、この地域の自生の植物を取り入れているのも見どころのひとつ。

デザインについて詳しくは、WebサイトのWORKSをご覧ください。

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高木ではシェフレラ、ベンジャミン・ヌダ、ジャボチカバやガジュマル。垂れ下がるエスキナンサスや、グレープアイビー、下から上へと這うように成長するオキシカルジウム。様々なシダ類やデスクの上のプミラなど、数えきれないほど様々な種類の植物たち。これらは全て本物で、生きています。
では、わたしたちがどのようにして植栽のメンテナンスに取り組んでいるのか、お伝えします。

ある日のオフィスメンテナンスに密着!

わたしたちが目指すのは、「人も植物も育っていく空間」。枯れたら交換することで美観を保つのではなく、その場所で育てていくことを考えて、植物を生育しやすく人もここちよく過ごせる空間をデザインします。そしてそのデザインした空間を維持し植物を育てていくのが、parkERsのグリーンライフチームです。

とはいえ、メンテナンスって本当に必要なの?水やりだったら自分でもできるのでは?そもそも何をしているの?と思うみなさまに、とある日の植栽メンテナンスの様子をお知らせします!

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parkERsのオフィスのメンテナンスは、毎週月曜日の朝に行なわれています。どのくらいの頻度でメンテナンスをするのかは、空間の植物や水などを扱う什器の量により異なりますが、おおよそ2週間に一度くらいです。parkERsのオフィスは植物盛りだくさん!なので毎週行なっています。

行なう作業は、水やり、剪定、枯葉取り、葉拭き、病害虫の除去、植え替えなど。デザインしたオリジナルプロダクトの清掃を行なうこともあります。

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水やり。植物を育てたことがある方は、誰しも経験があると思います。簡単そうに見えて「水やり3年」と言われるほど奥が深い手入れでもあります。
人間にもひとりひとり性格や特徴があるように、植物にも種類によって特徴があり、水が大好きなものもあれば、逆にあげすぎると枯れてしまうものも。その特徴に、季節が夏なのか冬なのか?光が当たる場所なのかそうでないのか?前回のメンテナンスでどれくらいの水をやったのか?といった環境の要素が合わさって、今必要な水の量が決まります。育成期には水に液肥を混ぜて与えるなど、毎週メンテナンスするからこそ、丁寧なメンテナンスができます。

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オフィスができたばかりの2019年11月

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2020年8月

天井から垂れている植物が30センチ以上伸びているのがお分かりいただけますでしょうか?均一で美しい成長は、まさに丁寧な手入れの賜物。

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ライトが当たる部分は生育しやすいため、毎週の成長具合をみてライトの位置を変えたり、ボリュームを増やしたいところを狙って剪定して枝分かれさせたり、チャレンジを繰り返すことでその場所で植物を成長させていきます。

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“先週より伸びている植物を見たり、狙い通りの育ち方をしている様子を見ると嬉しい気持ちになる”とグリーンライフチームのスタッフ。

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枯葉や黄色い葉取りも重要な手入れのひとつ。実は、植物を枯れた葉を落とすことにもエネルギーを使います。ひとつひとつ取ってあげることで、美観を保ち植物も元気に。ご自宅で植物を育てている方も参考にしてみてください。

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このような黄色い葉は取ってあげるのがGOOD。

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霧吹きは汚れを取るだけでなく、病害虫の予防にもなる大事な作業。
植物の変化にも気がつけるため、どんな人にでもおすすめ。parkERsのオフィスメンバーは、毎朝の掃除やリフレッシュにも霧吹きをしています!

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一枚一枚丁寧に葉を吹く。葉拭きの作業は、植物のスキンケアともいえます。

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オリジナルのメンテナンスオイル“Grow Green”を使用することも。100%植物由来の素材から作られており、そこで過ごす人にも安心なオイル。マスクと手袋をつけて撒くような“薬剤”ではないので、毎週かけても問題なく、健常な時に予防として使用することも。

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番外編。水槽の水草の剪定も担当!この日は、水草剪定用のハサミを新しく導入したとのことで、和気藹々とした雰囲気。自社のオフィスだからこそ、デザインもメンテナンスもトライアンドエラーで、新しいチャレンジを重ねます。

植物をオフィスにいれるメリットとは?

“人間には、もともと生物や生気に引きつけられる心理的傾向がある”というバイオフィリア仮説に基づいた空間デザインの手法を、「バイオフィリックデザイン」といいます。バイオフィリックデザインを職場環境に取り入れることで、従業員の生産性や企業価値の向上、職場の雰囲気の改善等につながるとする研究も報告されています。

ヒューマン・スペース(2015)「世界中の職場におけるバイオフィリックデザインの効果」
アメリカのロバートソン・クーパー社による調査報告。
職場環境に自然を取り込むことで、従業員の幸福度、生産性、創造性の上昇につながるということがわかりました。
矢動 丸琴子, 大塚 芳嵩, 中村 勝, 岩崎 寛(2016)「オフィス緑化が勤務者に与える心理的効果に関する研究」
植物を設置することで,勤務者の負の感情状態が改善されること及び業種・職種ごとの特徴や社内の雰囲気などにより結果に差が見られるということが示唆されました。
源城 かほり, 松本 博, 緒方 伸昭, 中野 卓立(2018)「オフィス空間への植物設置によるメンタルヘルスケア効果に関する実証研究」
植物設置による視覚疲労の緩和効果や自覚症状の緩和効果を確認し、グリーンメンタルヘルスケア効果が見られることを確認しました。また、その効果は植物の種によって異なり、男女差やオフィスによる差も見られました。

オフィスに植物を入れることで、企業イメージの向上やリクルート効果も図れますが、従業員の満足度や働き方の向上が、植物がオフィスにある一番のメリットなのではないか?と個人的にはparkERsのオフィスで働いていて感じます。

実際のスタッフの意識調査でも、昨年オフィスを移転して就業環境への好感が15.8%増加、不満が15.2%減少したという結果が得られました。

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その場で育てていく生きている植物だからこそ、生気に癒されたり、成長に気づいて愛着が湧いたり、社員同士のコミュニケーションが生まれると、わたしたちは考えています。

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あ、新芽だ!

毎日このparkERsオフィスで仕事をしていると、こんな変化に敏感に気づくように。室内にいても季節や天気の変化など、自然の小さな移り変わりに気づく視点が養われたような気がします。

オフィスが気になった方はぜひ、オフィス見学(法人向け)にいらしてください。
五感を使って、公園のようなオフィスの魅力を体感いただけます!

※感染症対策のため以下の点に注意してオフィスを運営しております。
・オフィス内は常時換気・業務内外に関わらず、「こまめな手洗・アルコール消毒・うがい・咳エチケット(マスクの着用)」の実施・業務内外に関わらず、三密を避ける・体調不良の際は出社禁止

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この記事を書いた人
ブランドコミュニケーション担当 矢崎
オフィスメンテナンスは朝7:30から!
社内でも意外と知らないメンテナンスの裏側を知れました。