「世界はグレーからグリーンへ」ライブ配信。ゲスト5組とparkERsが今、考えること
空間デザインブランド parkERs(パーカーズ)が主催する、人と地球の未来を考える「Indoor Park "ONLINE" Talk Show (インドアパークオンライントークショー)」。約1年ぶりに開催場所をオンラインに移し行なったのは、シリーズ企画の第1弾「クリエイターとアウトプット」(全5回)。
オンライン配信の準備をするparkERsブランドマネージャー梅澤(左)と、クリエイティブディレクターの城本(右)
私たちにできることは“生み出し続けること”をキーワードに、様々なジャンル・業界で活躍するゲストを招き、コロナ禍での変化について考えながら「人と地球の未来」についてゆるく語り合うオンライントークショーを開催しました。
アーカイブは見返す時間がない...という方にもお楽しみいただけるよう、特に盛り上がった企画とゲストの考えを引き出したQ&Aをご紹介するので、気になる方は目次の「ピンポン玉ボックス企画!」からご覧いただくのもおすすめです。
#1 リサーチから紐解く「働く」の世界的ニューノーマル
株式会社オカムラ WORK MILL編集長 山田雄介さん
第1回のゲストには、これからの「はたらく」を変えていく『WORK MILL』編集長の山田さんをお迎えし、『WORK MILL』が行なうリサーチを元に世界的なワークスタイルの変化やあり方を考えた初回配信。山田さんが考える、コロナ禍で変容した「はたらく」にまつわる3要素についての考えなど、リモートワークで自ら経験した体験をもとにお話いただきました。
#2 クリエイター理想の働き方を考える
CCO(チーフクリエイティブオフィサー)/株式会社スマイルズ 取締役 野崎亙さん
コロナ禍で日常のあり方が変化する中、いかにクリエイターが実力を発揮し、成果を生み出し続けていくのか。「Soup Stock Tokyo」をはじめ、数々の人気ショップをプロデュースしてきた野崎さんの頭の中をのぞいて、当たり前の毎日をクリエイティブな発想で見つめ直してみる1時間となりました。
#3 デザイン思考の現在地とアウトプット
近畿大学 経営学部 教授 廣田章光先生
廣田先生の専攻分野である「デザイン思考」を深掘り。一般的なビジネス会議とデザイン思考を取り入れて行なう会議の違い、ビジネスにデザイン思考を取り入れることで広がるメリットなど、廣田先生の明快な説明で次々とクリアになっていく頭の中。全5回の中でも特にアカデミックな内容をお届けした#3となりました。
#4 文化人類学のエスノグラファーと、人類の「場」と「創造」について考える
ランカスター大学 朱藝ティーチング・フェロー
北陸先端科学技術大学院大学・研究員 大戸朋子さん
お二人の専門である「エスノグラフィー(エスノ=民族、グラフィー=〜を書いたもの)」についてご説明いただくとともに、コロナ禍を経て主流になったオンラインでの場づくり、「文化人類学」をビジネスに応用するとどうなるのかといった内容についてもお話を伺いました。
朱先生曰く「マネージャーは誰しもがエスノグラファーであるべき」。
偏見を入れずに社員を観察し、客観的なことから結論を見出す、この繰り返しを行ない分析することが重要だと教えてくれました。
#5 世界のデザインプロダクトの変化
(株)ロフト MoMA事業部 事業部長 伊地知俊介さん
(株)ロフト MoMA事業部 ブランディング& クリエイティブディレクター 山下ひろみさん
ニューヨーク近代美術館の「MoMA Design Store」の日本誘致を実現し、現在のMoMAリテール日本事業の推進も担うお二方に、コロナ禍で見えた消費動向の変化、MoMAのユニークな"GOOD DESIGN"の選定基準や、2003年に直談判して日本誘致の契約合意に至った経緯など、他ではなかなか聞けない貴重なお話が満載。
「危機がクリエイティブを生み出す」という今の時期には希望にも思える名言も出て、刺激的な1時間となりました。
一問一答企画でゲストの素顔を深堀り!
今回のオンライントークショーでは、ゲストの素顔を引き出すウォーミングアップ企画として「1分間10の質問」も実施。
1分間という限られた時間の中で、YES or NO の一問一答形式でお答えいただくコーナーです。
ゲストによって多少質問も変わりますが、以下のような質問にお答えいただきました。
1分間10の質問
1 実は今、緊張している
2 私はこだわりが強いほうだ
3 私は職場で好かれていると思う
4 自分は変わっていると思う
5 友達は多いほうだ
6 部下には絶対言えない一面を持っている
7 好き嫌いははっきりしているほうだ
8 上司には言えないが墓場まで持っていく覚悟の決断をしたことがある
9 正直、仕事と遊びの境目は無い
10 生まれ変わったらもう一度自分になりたい
自分は変わっていると思う?、仕事と遊びの境目はない?など、ゲストの素の表情を引き出すような質問に率直にお答えいただきました。それぞれのアーカイブの冒頭の方でこちらのコーナーを実施しているので、気になる方は映像冒頭をご覧ください!
今回のオンライントークショーでは、大学で活躍する先生のみなさまにも登壇いただいたため、#3と#4は少し内容を変えて「どうしても分かり合えない学術分野がある?」「学者の道を後悔したことがある?」など、教鞭をとる教授/先生ならではの内容で深堀り。
※「1分間10の質問」は#5のみ未実施でした。
参加との交流が難しいオンラインでの開催の中、出演者も聞き手もリラックスして話し始めることができ、意外な趣味や思いも明らかになった貴重なお話でした。
ピンポン玉ボックス企画!
もう一つ行なった企画は「ピンポン玉ボックス企画」。ボックスの中からピンポン玉を一つ引いてもらい、そこに書かれている数字の質問にお答えいただくコーナーもご用意していました。
実は本番のトークが盛り上がり、時間切れで本番中には実施できなかった回も多いのですが(笑)様子を少しご紹介させていただきます。
こちらの質問もゲストによって内容を変更していますが、まずは#2のスマイルズの野崎さんをゲストにお迎えした時の内容をご紹介します。
この時も危うく時間オーバーの予感がしましたが、#1で実施できなかったため(本編が終わったあとの編集後記では無事実施できました)、#2こそは!という思いもあり、何とか企画まで持っていくことに成功。
野崎さんは京都からオンラインでの参加だったため、代理でピンポン玉をひかせていただきました。(写真上の野崎さんはPC画面のボックスからピンポン玉をひくジェスチャーをしてくれています^^)
ピンポン玉は3番。質問は「小学生時代どんな科目が得意でしたか?またどんな小学生でしたか?」
クリエイターの幼少期は実に気になるところですね。
野崎さんは3人兄弟の中で「自分だけの特別な何かを見つけなきゃ!」という思いから、とにかく沢山”食べる”ことに奮闘し、兄弟の中で「一番食べるキャラ」を勝ち取ったというエピソードをお話してくれました。
数々のプロジェクトのブランディングを手がけてきた野崎さんの、初めての自分自身のブランディングだったのかもしれません!
各回でのピンポン玉ボックス企画での質問と回答も、簡単にご紹介させていただきます。
Q「たくさんの取材を通じ、この組織はいい組織だなと思った企業とその理由」
A 山田さん(#1):「オーガニックシャンプーを開発している台湾の『O’RIGHT(オーライト)』」。
美容師の手荒れ問題、皮膚が弱かった自身の体験からオーガニックシャンプーの開発を実現し、人の健康、地球の健康を考えながらプロダクトを作る精神に感銘を受けました。社食には地元の農家の野菜を使ったり、社員同士も温かくオフィスにもその精神が宿っていると感じました。
Q「魔法使いになったとして、世の中ひとつ変えられるとしたら何したいですか?」
A 廣田先生(#3):「コロナをなくすこと。」(一同共感!)
Q「あなたの知見で視聴者が明日から実践できることを教えてください」
A 朱先生(#4):「日記を書くこと。事実と感情を分けて書くのもおすすめ。感受性豊かなリアルな自分に気づけて、客観的に自分の感情に対応できるはずです。」
Q「苦楽を共にしてきたお二人ですが、相手に対して実は『すごいな!』と思っていることを教えてください。」
A 伊地知さん(#5):「これは一番簡単な質問!山下さんは僕にはないものを持っている人で、素晴らしい右脳の持ち主。考えたことを絵にしてビジュアルで見せてくれたり。クリエイティビティや美的感覚をリスペクトしています。」
Q「魔法使いになったとして、世の中ひとつ変えられるとしたら何したいですか?」
A 山下さん(#5):「憎しみをなくしたい。」(こちらも一同共感!)
最後に未来を担う子供からの質問
最後は、今回登壇者としてゲストのみなさまと一緒にトークを展開させていただいたparkERsブランドマネージャー梅澤の5才の息子さんからの質問タイム!?
各回、それぞれ以下のような質問が投げかけられ、みなさま個性豊かにそれぞれの思う回答をお話いただきました。
Q「働くってなんですか?」
A 山田さん(#1):「息子さんの好きなサッカーを例に考えてみましょう。グラウンドやボールはなぜあるかを考えてみてください。グラウンドを整備してくれる人、ボールを作ってくれる人、サッカーができる準備をしている人がいるということ。これが働くということ。」
Q「クリエイターってなんですか?」
A 野崎さん(#2):「『クリエイティブとは』への回答になるかもしれないけれども、答えるならば『プロジェクター』。プロジェクトっていうのは"企てるもの"、プロジェクターは光でイメージを映し出すもの。実態のない自分の”企て”を、届けたい相手に対して投射して、おぼろげながら見えてくる像を作る人のこと。」
Q「イノベーションってなんですか?」
A 廣田先生(#3):「『組み合わせの新しさ』。違うもの、例えば緑と車、あるいは人工物と自然とか...新しい組み合わせの中に新しい価値を生み、そこにお客さんを作っていく、これがイノベーションだと思います。」
Q「人類ってなんですか?」
A 大戸さん(#4):「私が言えるのは、人類とは『わからない存在』です。わからなくて不思議なので、わかりたくて私たちは研究者をやっています。」
A 朱先生(#4):「人類は伝統や慣習を言語化することができるので、それをどうやって継承するかを考えることもできるし、逆に伝統を壊すこともできる。そういう意味では面白いし、確かにわからない存在です。」
Q「MoMAってなんですか?」
A 山下さん&伊地知さん(#5):「ずばり、大きくなったら絶対に行ってほしいところ!大きくなったらぜひ行ってみてくださいね。」
子供に分かるように説明すると思うと途端に難しくなる...。「お子さんには難しいかな...」と考え抜いた先に、素敵な答えへ導いてくださったみなさま、本当にありがとうございました!
まだまだ続くオンライントークショー
9月25日(金)でシリーズ1を終了したparkERsの「Indoor Park "ONLINE" Talk Show」ですが、実はすでにシリーズ2がスタートしています!
シリーズ2のテーマは「これからのデザインの形」。
バイオフィリックデザイン、コミュニティデザイン、インテリアデザイン、UXデザイン、都市デザインなどなど、様々な「デザイン」について考える約1ヶ月間です。
ほぼ毎週火曜日の18:00〜19:00に、parkERsの公式YouTubeチャンネルでライブ配信をしていますので、少しでもご興味ありましたらぜひご視聴お待ちしています!
parkERsの本業は空間デザインではありますが、こんな時期だからこそ人とのつながりを強く持ち、イノベーションを生み出すきっかけを作っていくためにも、parkERsでは今後もこういったイベント開催を実施していく予定です。
気になる方はpeatixをフォローしていただけますと、最新情報が届くようになるので便利です。引き続き、今後のイベントもお楽しみに!
配信の裏側
この記事を書いた人は
parkERs マネジメント室
ブランドコミュニケーションチーム
森み
初回配信から早1.5ヶ月。
毎週ゲストの頭の中を覗けて刺激的な日々。
ラジオ感覚で聞いていただくのもおすすめです!