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室内緑化をIoTでオートメーション化!もっと身近にグリーンを感じるための第一歩

こんにちは。parkERsブランドコミュニケーション室の坂井です。

水やり三年」と言われる観葉植物の育成と管理。
観葉植物がお好きなみなさんでもご家庭で観葉植物を枯らしてしまい、ガッカリしたことは経験があると思います。グリーンフィンガーからほど遠い超初心者の坂井も、お気に入りだったジュエルプランツを枯らしてしまい、それ以来つい最近までしばらく家には植物がいませんでした。


parkERsが手がける空間では、難しい観葉植物の維持管理のプロであるグリーンライフチームが担ってくれています。

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しかし、parkERsの維持管理は「水やりして、枯れたら交換する」だけではなく「人と植物がともに育つメンテナンス」をする丁寧な維持管理を心がけているため、室内緑化をご提案する際には植物の量ととともに植栽管理費(メンテナンス費)が比例して増えてしまい、室内緑化を導入いただく際の避けられないハードルになっています。

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そこで、parkERsではその状態を改善するべく、IoTを使ったBtoB向け室内緑化オートメーション管理システムIndoor Park Monitoring System(インドアパーク  モニタリングシステム)」を開発。7月にオープンした未来のコワーキングスペース「point 0 marunouchi(ポイント ゼロ マルノウチ)」に導入しました。

そこで、今回はこのモニタリングシステムについて取り上げてみたいと思います。

※ 名称が長いのでこのnoteでは略して「IMoS(アイモス)」と記載していますが、勝手に坂井が略して呼んでいるものです。今後定着するかどうかは未知数…


どうしてこのシステムを開発したの?

室内緑化のご相談いただく際に、施工費は十分に確保いただいても、植物を入れすぎると月々の植栽管理費が負担になり、植栽のボリュームが下がってしまうことが多くあります。

そんな状況を打破するためにも、ブランドマネージャーの梅澤から

parkERsは質を落とさずに、植栽管理費を完全自動化して半分、いや1/3にしたい!

という非常に困難なミッションをparkERs発足当時から与えられていたparkERsの植栽のデザインと維持管理を担当するプランツコーディネーターとグリーンライフチーム。

2年ほど前からこの高いハードルをクリアするために、自分たちのオフィスを始め数カ所で、2年前から室温、湿度や土壌水分などを計測して、PCや端末でその数値の変動を観測していました。いました。

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データやノウハウが少しずつ溜まってきたタイミングで、参画している各企業がそれぞれ実験的な試みを行なっているpoint 0 marunouchi」の植栽デザインを担当させていただきました。そこで、parkERsのチャレンジとして、遠隔で操作もでき、データ蓄積をすることができるBtoB向け室内緑化オートメーション管理システムを開発し、試験的に導入することになりました。


「IMoS(アイモス)」ってどういうシステムなの?

Indoor Park Monitoring System(IMoS)」は、ひと言でいえばカメラや各種のセンサーでモニタリングして、そのデータに応じて水の量やタイミングを測って給水する、室内自動潅水(かんすい)システムです。

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農業の分野では珍しい技術ではありませんが、実はBtoB向け室内緑化業界(一般的に「植栽レンタル」と呼ばれているジャンル)で実現するには非常に困難な技術でした。

というのも、農業はビニールハウスなどでその作物のために快適な環境を整えることができますが、室内緑化では“人”が使う空間に植物を入れるため、当然ながら“人”にとって快適な環境が優先されます。夏にはエアコンがつき、照度も育成には十分ではないなど、温度、空調や照明など植物の育成には不特定多数の要素がありすぎて、植栽の維持管理を完全自動化するには非常に高いハードルがありました。

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しかし、parkERsでは室内緑化のプロがいて、さらに2年間かけて地味に蓄積してきたデータやノウハウがあったからこそ、このモニタリングシステムを開発することができました。


要するに、よくある自動潅水システムを自動化したんでしょ?


というとそうではなく、「IMoS」の一番の特徴は自動潅水をオートメーション化するだけではなく、

事前にその空間が植物の育成に適しているかどうかを照度や室温などいくつかの項目で環境測定をして、その空間の植物育成条件に応じてランク分けすることで、維持管理サービスの選択肢が広がる

というところにあります。

お客さまとしての最大の強みとしては、デザイナーとプランツコーディネーターのふたりが空間デザインを手がけるので、高いデザイン性を担保しつつ、そもそも育成条件のよくないところには植物を配置しない、照度などで環境を改善したり、環境に合う植栽を選定するなどして、育成環境そのものをデザインで改善して、環境設定のランクをあげることもできます。

このシステムを導入いただくことで、parkERsはデザイン性が高く、植物が育つ空間をご提供するだけでなく、維持管理についてはお客さまの求めるサービスのレベルに応じて選択することが可能になります。

当然、植栽管理費を押さえながら室内緑化がご提供できることにもつながります。

つまり「IMoS」は、モニタリングしたデータに応じて自動潅水するシステムというだけではなく、人も植物も心地よく過ごせる「デザイン力」とその後もその空間を維持しながら、その先のサービスをご提供するプロたちの「専門性」の融合というparkERsしかない強みがあるからこそ実現できるシステムなのです。

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「IMoS」では、測定したデータはクラウド上で管理され、parkERsのスタッフが現地の状況とモニターでの遠隔管理を併用しながら、現在「point 0 marunouchi」でより精度をあげるべくデータとノウハウをさらに蓄積しています。


導入すればメンテ費って本当に安くなるの?

「はい、なります!」

一般的に、植栽管理費(メンテナンス費)は主に、

 ①「人件費」現地に行って水やりや植栽交換を行なう費用

 ②「枯れ保証」枯れた時交換する植栽などの費用

で構成されています。

①「人件費」については、現地から送られてくるデータを元に遠隔からparkERsのスタッフが見守りつつ給水を自動化することで、現場に行く人数と回数が減るので人件費の軽減が可能になります。

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さらに、parkERsで空間デザインをする際に環境条件(照明や空調など)を整えて植物が育成しやすい環境を整えつつ、環境に合う植栽を選定することで、枯れにくい環境を整えて(環境設定のランクをあげて)②「枯れ保証費」も軽減することが可能になります。

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導入いただくお客さまのメリットとしては、単純に植栽管理費用負担が減るということではなく、

いままでは植栽の種類と数で決まっていた植栽管理費が、お客さまが求めるサービスのレベルや環境設定のランクに応じて、選択の幅が増える

こと。

導入いただくことで、例えば「引越しサービス」のように、すべてお任せしながら空間の維持管理にとどまらずグリーンワークショップなどのコミュニケーションサービスをご提供することもできれば、(parkERsスタッフによる遠隔管理と指導のもと)自分たちでメンテしてコストを最小限に抑えることもできるようになります。

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まだまだ実験的な段階ではありますが、今度はご要望のサービスレベルに応じて様々な選択肢が増えることが可能になっていきます。


「IMoS」の今後はどうなっていくの?

いまはまだ「point 0 marunouchi」で実験的に導入をしながら本格的な実装に向けてデータを収集して最中の「Indoor Park Monitoring System」。

ここで自動潅水の精度をあげながら、データを蓄積し、そのデータを東京大学大学院農学生命科学研究科の内田圭先生と共同研究の中で分析していきます。そして、より精度の高い自動潅水システムにしていきます。


しかし、parkERsはこのモニタリングシステムで植物の維持管理を完全自動化にすることだけを目指しているわけではありません


維持管理を自動化して負担が軽減する分、parkERsのグリーンライフチームのメンバーには、parkERsしかご提供できないお客さまのご要望とご期待にお応えする次世代のサービスを開発し、その先にある、parkERsが目指す「人と植物の距離が近くなる空間づくり」へとつなげてきます。


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parkERsは、7月に設立したリサーチ&ディベロップメント室を中心に、より室内緑化の導入ハードルを下げて広めるだけではなく、人と環境(空間)と植物の関係を研究しながら、維持管理にとどまらない新しいサービスをご提供して、植物と人の距離をより縮めでサスティナブルな室内緑化への挑戦を続けていきます。

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もちろん、室内緑化オートメーション管理システム「Indoor Park Monitoring System」だけではなく、他の協業先や大学と連携しながら、様々な角度で人と植物と空間のつながりをデータ化する研究をスタートさせていますので、今後も続くparkERsの新しい挑戦にもご期待ください!


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この記事を書いた人
坂井 邦子
parkERs ブランドコミュニケーション室
オフィス引っ越し準備してると書類と資料と私物の多さにビックリ
家の「いつか使うかも」は使わないことが多いけど
仕事の資料は使えることが多いので断捨離迷走中