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【 ZINE REVIEW 】 COLLECTIVE エントリー ⑮ 小泉 綾子 『ホリエモンが教えてくれたこと』(東京都西東京市)

毎年、COLLECTIVE が開催されるたびに ZINE とはなんだろう、理想の ZINE とは? ぼくらの世代が ZINE に抱くイメージとは? 今の若者が抱く ZINE のイメージとは、当時ぼくらは ZINE をどういうものと捉えていただろうか、などなど、答えのない禅問答のような話し合いの時間を設けています。

ZINE についてジンスタのカナイフユキくんと語ってます
https://youtu.be/d4GUq0rq33c
ZINE について、STOMACHACHE.の tmtm さんと語ってます
https://youtu.be/Y2llCGNOZ6M

『A5』という呪いにかかっていやしないか、妙な価格設定にしていないか、体裁ばかり気にして、作りたいと思った衝動を忘れてはいないか、など。ZINE 原理主義者からみたら、COLLECTIVE はどう見えるだろうか。できのいい ZINE を前に「これってもう立派な雑誌(MAGAZINE)じゃん」と思う時もあれば、ZINE は MAGAZINE 以下という陳腐な発想をやめるべきだと自制したりもします。みんなちがってみんないい。ZINE という成果物ではなく、なぜ作るにいたったのかという想いや、アクションに対してリスペクトを。いい ZINE なんて、はかれないんだった。

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ホリエモンが教えてくれたこと

が、「これはいい ZINE だ」と言える1冊が届いた。全方位的に誰にも文句を言わせない ZINE。ZINE 原理主義的でもあり、 ファッション的でもある(なぜこの ZINE をファッション的かと思うのかがまったく言語化できないので誰か助けて)。東京・西東京市からエントリーのあったライターでアーティストの小泉綾子さんによる『ホリエモンが教えてくれたこと』は、この2日間で一番話題をかっさらってったと言える。これこれ、ZINE ってこうじゃなきゃと言いながらニヤけた顔でみんなが必ず手にする。

ステイホームで暇だったのでホリエモンの本を15冊読んだところ、言いたいことがだいたいわかってきたので、ZINEにしてまとめようと思いました。
書籍から伝わってくる人柄がパブリックイメージとは大きく違い、温かく魅力的な人物だったので、それも伝えたいと思いました。

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突っ込みどころが満載だけれどぐうの音も出ない。背骨を抜き取られたかのような解脱感。なんでつくったのかマジで意味がわからない=そういう ZINE は軒並み美しい。手にする人によってはホリエモンというフィルターを通じて、資本主義社会を切ってるようにも読み取れるし、ずらっと並べられたホリエモンの過去著書のタイトルを(特に小泉さんが赤字を引いたところ)読んでいくと、マジで学んだ気になれる恐ろしい構成だ。(小説『多動力』〜好きなことだけやりきったらロケットだって宇宙に飛べるはず〜)。ホリエモンを小馬鹿にしている1冊、なんて評価は完全に『なし』だ。表4のホリエモンの写真が絶妙すぎて思わずフいた。

無駄は無駄にして無駄にあらず。『これがベスト』と言い切る力、最後まで作りきる力がファッション性にも通じるのだろうか。まぁその辺はいっか。もっと読みたい、もっと知りたいと思っちゃったな。2、3、と続編を期待。もしくは前澤社長とかね。

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自身の(ホリエモンじゃないよ)Twitter をみると制作はおよそ7月中旬あたりから。COLLECTIVE がきっかけで作ってくれたのかな、だったらスピード感、ZINE 力ともに最高ですね。これ、限定5冊ですぐに売り切れちゃうと思うのでお急ぎを。


レビュー by 加藤 淳也(PARK GALLERY)


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作家名:小泉 綾子(東京都西東京市)
東京でアートとZINEを作っています。
https://twitter.com/ayathecat
【 街の魅力 】
ホリエモン、絶対来たことないと思う。
【 街のオススメ 】
フジカフェ ... 終日モーニングセット https://tabelog.com/tokyo/A1328/A132801/13054391/

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