見出し画像

ON THE WAY TO PARK #019 『大嫌いな月曜日が少しだけ好きになれる、楽しい古着屋へ』 (ハレルスリフトストア)

違う自分に会うために、一番てっとり早い方法は知らない服を着ること。見たこともない色、ヘンな形、触ったこともない素材。そういうさっきまで存在を想像すらしていなかった物を手にとって、自分の一部になる。持っている服や靴を想像して、不思議とワクワクしてきたならそれはひとまずレジへ行った方がいい。

さて、そんな服と出会うなら、PARK からも歩ける距離にある古着屋『ハレルスリフトストア』がおすすめだ。このお店、本当に他所でどうあがいても見つからなそうな「知らない服」と出会うことができる。蛍光ピンクのパジャマ、紫に後染めしたデニム、全く記憶にないオリンピックの記念Tシャツ、ノースダコタ州立大学(?)のキャップ、どこかの家族がノリで作ったと思わしき手作り感満載のTシャツ ……。これらはすべて『ハレル』で買ったもの。

いつも店の奥で一人黙々とスチームアイロンを当てている店主の方の横には、まだ品だしされていないくしゃくしゃの古着が山積みになっている。その中にも明らかに目を惹く柄とか色があって、棚に並ぶまで待ち伏せしたくなってしまう。さすがに本当にしたことはないけれど。

あと一つ『ハレル』で大切なことは、やっぱり安いこと。ただでさえほとんどの商品が 5,000 円以下で、3,000 円を切るものもたくさんあるのに毎週月曜日は半額、学生さんはいつでも半額ときた。手に取って何かを感じたら、その直感を信じたくなるだろう。信じて損はしないはずだ。

基本的に一度着た組み合わせは二度と着ることがない私にとって、だんだんそういう服と出会えることは減ってしまうのかもしれない。ただ、それは何も自分に課しているわけではないし、気づいたらそうなっていたという方が正しい。毎朝、出かけるとき、鏡の前に立つ自分が毎日少しずつ違うことが楽しくて仕方ないからだ。

ハレル スリフトストア
〒110-0005 東京都台東区上野3丁目20

イラスト:あんずひつじ

ivy(アイビー)
東京・外神田を拠点に活動。編集・ライター。『ANTENNA』の編集部に在籍する他、カルチャー系の媒体を中心に執筆を手掛ける。あまり役に立たない本、後ろ向きな音楽、胡散臭いメガネ、ジジ臭い服、だらしない酒、意味のなさそうな旅、苦い珈琲を愛する。旅の目的地は、何もないけれど何かが起きる場所。
https://www.instagram.com/ivy.bayside

🙋‍♂️ 記事がおもしろかったらぜひサポート機能を。お気に入りの雑誌や漫画を買う感覚で、100円から作者へ寄付することができます 💁‍♀️