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コロナとパーク②

飲食店からヒントを得る

できるだけ人通りの多い道を避けて、運動不足解消のために散歩を。なんてことないコロナ前からの日課だ。歩くといろいろな飲食店がテイクアウトや店先でのお弁当販売に力を入れているのがわかる。こんなところにこんなお店があったんだと、普段気づけなかったお店にも気づく。きっと「客を待つ」という従来の姿勢ではダメなんだと強く認識したのだと思う。それぞれの店舗が『アイデア』を振り絞っている。これを機に飲食店のあり方が変わるかもしれないなと歩きながら思った。付加価値を空間に求めることができなくなるので、腕のいいシェフたちの技が外に出るようになるだろうな。食にまつわる様々なことを仲介するキュレーター的な役割が増えるのかもしれない。5G が進めば、動画でのレシピコンテンツも増えるだろうし、家でも一流シェフの味がもっと気軽に楽しめるようになると思う。となると農家の売り先も変わってくるだろうし、家で使う『調理器具』や『器』もそれぞれがもっとこだわるようになるのかもしれない。テイクアウトも競争が進み、味も容器も変わってくるだろうな。いつまでもプラスチック容器は使っていられないだろうし(それはそれでいい世界)。

PARK GALLERY も、ぼくも、頭のどこかで、いつか、時が来れば、また「元に戻る」と思っていたけれど、そうはいかないと思うようになった。歩けば歩くほど、元には戻らないんだろうなと実感する。『新しい生活様式』という言葉が出た時、「今までのルールの言い方を変えただけじゃないか」という批判も多かったけれど、ぼくは妙に納得した。

いつでも答えはストリートに

4月から力を入れ始めた『オンラインショップの充実』は従来型のアイデアで、これからは新しい生活様式に合ったお店にしていかなくてはいけない。「人が集まる『場』」「アートを壁に飾って売る」というアイデンティティを一度分解して、再構築する必要がある(これはまだまだ時間がかかりそう)。固定観念に捉われてはダメなんだろうな。経済をまわすとかそういう話ではない気がしてる。

とある商店街を歩いていたら、すごく楽しそうに弁当を売ってるお兄さんたちがいた。生ビールも出していて、店先のベンチでカップルがビールを飲みながらお兄さんたちとおしゃべりしていた。もちろんこんな時期に推奨できる行動ではないのはわかるけれど、この先、もし歩道でも営業していいようになったりしたら台湾みたいですてきだなと思った。

そういえばうちにはウッドデッキがある。そこでやればよくない?と。家に帰る頃には『TAKE OUT』をもじった『TAKE ART』という言葉が頭に浮かんでいて(声に出すとほぼ一緒)、今日で3日目。人通りが多いわけではないし、食べれるものでもないし、お弁当みたいには売れないけれど、緊張していた全身がほぐれる感じがある。もっと柔軟にのびのびとギャラリーのあり方を考えてみてもいいんだって、思った。雨の日は休むだなんて、農家みたいでいいじゃない。5月いっぱいまでと思ってはいたけれど、それも従来型の考え方だと思う。いっそ、もう、ウッドデッキに棚を常設してもいいのかもしれない。「中にも入れる」という営業の仕方でもいい。そもそも「入りづらい」と言われるアートギャラリー。ぼくらが外に出ればいいのかなと思った。

というわけで、TAKE ART をきっかけにさらにいろいろと考えていけたらと思っています。みんなのアイデアや意見ももれるとうれしいなと思っています。

PARK GALLERY にやってほしいことなど、リクエストなどもあれば受け付けたいと思っています。

オンラインショップもぜひ
https://parkgallery.stores.jp/

よろしく。

PARK GALLERY 加藤 淳也

 

加藤 淳也 プロフィール
1982年生まれ。2002年、下北沢のスズナリ横丁の小さなバーでバーテンダーをやりながらライブハウスのスタッフを兼任。数々のライブイベントのオーガナイザーを務めながら音楽レーベルを立ち上げる。2005年、写真家やアートディレクターが所属するエージェントに勤務。第一線の広告の現場で、制作のノウハウを学ぶ。2008年、ウェブメディアやギャラリーを運営するデザイン会社へ転職。ディレクターとして2012年に独立。以後、クリエイティブな機能を持つアートギャラリー PARK GALLERY として、実店舗を東京・末広町で運営しつつ、広告制作や本の編集ディレクションを手がけている。ラップユニット WEEKEND としてアルバムを2枚リリース(2012年に解散)。2016年より、毎年神奈川県で大豆の農業体験イベントを運営。

加藤 淳也 instagram
https://www.instagram.com/junyakato_parkgallery/


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