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【 完結 】 COLLECTIVE 2022 レビュー

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COLLECTIVE 2022 に全国から集まった ZINE を PARK GALLERY 加藤が1つ1つ向き合いレビューしていきます。まだ触れたことのないパーソナルな ZINE…
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#愛知県

COLLECTIVE レビュー #55 むま / YUKIRI PUBLISHING『バンコクうろうろごはんのこと』(愛知県)

「あなたには人間力が足りないのよ!」   社会人になりたての23歳くらいの頃、つまり仕事をするにも目の前にあることを右から左へ受け流すことだけで精一杯だった頃、サブカルチャーの知識を詰め込んで頭だけが大きくなって<実社会>では何もできないぼくに、ある日、社長が言い放った。仕事のミスが続いていたこともあったと思う。   「3日の休みとおこづかいをあげるからひとりでインドにでも行ってきなさい。」   なかなかないチャンスだと思った。はじめての海外。ひとり旅。   調べてみるとはじ

COLLECTIVE レビュー #29 えだ 『町の空似』 (愛知県)

今年は例年に比べて ZINE らしい ZINE が多い(ZINE らしさとは)。参加の条件を「ZINEと呼称しているもの」と制限したのがよかったのかもしれない。参加の申し込みがあったけれど断った人も何人もいた。これは ZINE ですかね?と事前に相談してくれる人もいて、申し訳ないけれどその時点で ZINE ではないかもしれないと伝えたりもした。ZINE としてエントリーしてくれたけど、その人の SNS を見たら「小冊子」って書いてあって断った例もある。   だから ZINE

COLLECTIVE レビュー #19 ぽつねんとして、『ともこ』(愛知県)

ZINE を作るプロフェッショナルといってもいいと思う。   2020年から3年連続で参加してくれている鈴木恵里(イラスト)と松山由佳(テキスト)による ZINE ユニット「ぽつねんとして、」。 それぞれが美術家としても活動する2人。毎回、工夫に工夫を重ね製本された ZINE は、見る人たちを楽しませてくれる。去年、一昨年は、noteで連載している《ふたりごと》の2019年分と2020年分を掲載した ZINE でのエントリーだったが、今回は「ともこ」というなんとも不思議なタイ