おばあちゃんのおにぎり
小学生の頃、お腹が空くとおばあちゃんが特大の丸い味噌おにぎりを作ってくれた。
今でもその時のことは鮮明に覚えている。
決して綺麗とは言えない台所。
物に溢れているちゃぶ台。
残り物の入った鍋。
そこで、おにぎりを握ってくれるおばあちゃん。
”美味しい” という記憶しかない。
そして、その想いが僕を料理に向かわせたと言っても過言ではない。
(誤解の無いように言っておくが、母親も最高に料理上手だ)
*
今、僕はプロの料理人となった。
良い食材を使い、一流の道具を使い、そして技術もある。
しかし、ふと思う事がある。。
あの頃食べたおにぎりより美味しいものが作れているのか?
手間と暇とお金をかけて作った料理は本当に美味しいのか?
誰かの心を躍らせてるか?
*
やっぱ、カウンター割烹をやろう。
そして最高にワクワクするレストランを作ろう。
そして、おばあちゃんのおにぎりのような料理を出そう。
前回の記事で似たような事を書いたが、その原点はこの経験なんだろう。
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