ミニマリストな黒レザージャケット
アメリカンスタイルのライダースジャケットについて、ここnoteで触れたことがある。今回は、ロンドンスタイルのライダースジャケットに着想を得て作られた1着について。
友人が誘ってくれて、年に数回ほど通っていた中規模ブランドのファミリーセール。
遠目にもなんだかステキなレザージャケットを見かけて、思わず近寄る。上質のレザーだ。
羽織ってみたら私の肩幅にちょうど。革の薄さに対して身幅はゆったりめに思える。裏地はシャツ地みたいなコットンで、なぜかベージュ肌色... あ、ヒョロッとしたスレンダーなモデルが、肌にじかにピッタリ着るというコンセプトか、もしかして!しかも素材表示タグが手書きで、プロトタイプのもの。ショーで使った後、プレスルームに保管されていたのだろう。袖が心もち長い気がするものの、短すぎるよりはいい。
以来15年ほど、春と秋に頻繁に着ていたので、裏地の袖口が擦り切れが気になりはじめた。なにせもとがベージュ肌色の綿地なので、埃でグレーっぽくなった感じも目立つ。
裏地を付け替えたいと思うことダラダラ数年、やっと信頼できる修理職人に出会う。この際、光沢のある黒い裏地に変えてしまおう、とモンマルトルの生地屋で黒の高級な裏地を調達した。
彼の手に託して待つこと2ヶ月(もともと超多忙な人である上に年末年始を挟んだので)、仕上がりを見て歓喜!普通の裏地の付け方ではなく、クッションのような補強布を挟む作り方だったのを、そのまま再現してくれた。
これで少し袖をまくって着ることもできるし、光沢のある裏地なので動きがしなやかになった。裏地の素材ひとつで着用感がだいぶちがうもんだね。
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