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M-65フィールド・コート

ミリタリージャケットは数あれど、その王座に君臨するのはM-65ではなかろうか。ジャングル・ファティーグも、フランス軍のM-47ジャケットもそれぞれ素晴らしいのだけれど、抜きん出て強く美しいのはM-65だと思う。それも、オリーブグリーン色のモデルが最高。

「セルピコ」でアル・パチーノ、「タクシードライバー」でロバート・デ・ニーロ、「ランボー」でのシルヴェスター・スタローンほか、あまたの映画の登場人物に着られた。不思議なことに、どんな体型の誰が着ても、だいたい似合ってカッコいいのだ。

着たことがある人にはわかってもらえると思うけれど、けっこうな重量がある。こんな重い上着を肩で支えながら、よく戦えたものだと感心するけれど、この重量も見た目のカッコよさに大きく貢献していると私は思っている。

綿入りでもキルティングでもないのに分厚い。洗濯したら、まる4日は干さないと乾かないくらい分厚い。

寒さは防げるけれど、とにかく重い。なのでチャチャっと自由に動くことができず(鍛えられた軍人じゃないし)、自然と動きが優雅に(というか鈍重に)なる。いかにも威厳があるように見える。

重さがあるので裾が勝手にいい感じに落ちる。風が吹いてもピラピラしない。なので映画の主役のように、常にスタイルがキマっている。

ところで私自身はM-65のsmall-shortサイズ1969年製を持っているのにもかかわらず、愛用しているのはMil-Tecが女性用に製造した1980年ごろの品(ジッパーがアルミ製なので、1982年よりも前の時代のはず)。

これがまためちゃくちゃ本物に忠実に作られていて(Mil-Tecはアメリカ軍需品の公式製造企業の1つだったので当然だけれど)、生地もジッパーも本物とまったく同じものを使用して作られている。

しかも女性用のSサイズなので小さく、布の分量が少ないからそこそこ軽い(すごく軽くはない)。丈も短めで、スカートにも合わせられるので気に入っている。

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