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水底の鏡に映る紅葉世界を体験

12月上旬、散歩の感覚で足をのばし、夕方から荻窪を散策しながら住宅街を入っていくと、大きな庭園が現れました。ここは「大田黒公園」という杉並区の公園で、音楽評論家の大田黒元雄さんのお屋敷の跡地なのだそう。

ちょうど「紅葉ライトアップ」が始まる時間だったので、行列に少し並んで足を踏み入れてみました。

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公園に到着した時点ではまだ明るかったのですが、まさにつるべ落とし。あっという間に日が暮れていきました。ずっと外にいるのに、いつの間に暗くなったのでしょうか、、、。

自然そのものの美しさを引き立てるライトアップ

12月といえば各地のイルミネーションが有名ですが、きらびやかな電飾の美しさを楽しむイルミネーションとは違って、ライトアップは照明機器を用いて自然界の美しさを引き立たせるもの。

さまざまに色づいた紅葉を、絶妙な陰影のバランスで魅せてくれるライトアップ。照明デザイナーさんの職人芸のおかげで、幻想的な世界が広がります。ライトの位置が少し違うだけで見え方が変わるのでしょうね。

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体験してこそ感じる自然のチカラ

写真で見たことはあったのですが、紅葉のライトアップを「体験」したのは今回が初めてでした。水面にたゆたう紅葉世界はまるでパラレルワールド。水底に広がるもう一つの紅葉世界に引き込まれます。シンとした厳粛な気持ちで水面世界を見下ろすと、自分の心の奥を覗いているような不思議な気持ちに。鏡の国のアリスのあべこべ世界が水の底に広がっているのかも、、、歩みを進めながら、つらつらと思いを巡らせることがまさに体験なのですね。

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コロナ禍では、オンラインでの飲み会や会議、オンライン旅行など、ネットの恩恵はたくさんありました。ネットでの疑似体験も良いけれど、今回、公園のライトアップに行ってみて、実体験することの価値、ありがたさを改めて感じました。

人との距離に気配りしながら、思い思いのペースでライトアップされた公園を散策し、そこに広がる幻想的な「今」に浸る人たちと共有した時間と空間。そこには穏やかな笑顔があふれていました。「見る」ではなく「体験する」ことで、美しくて雄大な自然のチカラを感じた一夜でした。

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