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言いそびれた「ありがとう」

昨年出した電子書籍を
一番読んで欲しい人がいた。
冒頭から登場する、友人の和子さん。
自分の好きなように生きてみよう、
フランスで暮らそう、
その一歩を踏み出すキッカケをくれた人だ。

今思うと、
「私は和子さんのおかげで、
こんなに幸せに生きています」
そんなふうに、本を通して
和子さんに伝えたかったのかもしれない。

本を出版した11月、
私は和子さんに連絡をするつもりでいた。
でも、なんとなく、
もうこの地球にはいないような気がして、
そして、それを知るのが少し怖くて、
連絡せずに数ヶ月が過ぎた。

今年の1月、やっとメールを送ってみた。
本のことを真っ先に書いて。

翌日、メールのアイコンに
受信のお知らせがあった。

でも、返信してくださったのは、ご主人。
私の予想通りだった。
和子さんは、昨年の11月に他界されていた。
本が出たすぐ後に。

私は、寂しかったけれど
悲しくはなかった。
魂は死なない、そして
見えない世界があることを
教えてくれたのは、他でもない、
和子さんだったから。

和子さんによると、
一番最初に私に会った時、
実際の目の前にいる私の姿と、
普通の人には見えない、
本来の私、本当の姿が
ものすごく違っていたという。

当時の私は、どちらかというと
聞き役で、自分から率先して
なにか発言したり、
行動するタイプではなかった。
見た目も地味な方だった。
でも、本来あるべき私の姿、つまり、
和子さんが見えたものは、
もっと生き生きとして、明るく、
華があり、女性としての魅力に溢れた私。

「このままでいいんですか?」
「一番したいことは何?」
本来の私とのギャップに驚いた
和子さんは私に質問した。

誰にも言ったことがなかった
「フランスに留学してみたい」という言葉が
無意識みたいな感じで私の口から出てきた。
蚊の鳴くような声だったのを覚えている。

今は、和子さんが私に言ってくれた
いろんなことが理解できるし、
腑に落ちる。

パリに来た最初の頃、
うまくいかない行政手続や
ちょっとしたトラブルのことを
和子さんに愚痴ると
それは、私自身の不安が現実となって
現れただけだ、と言う。
不安が現実となる??なんだそれは?
全然意味がわからなかった。

「起こることは、すべて自分で
創り出しているんだよ」
そんなことも言っていた。
意味がわからなかった。
だって、起こってほしくないことも
自分で創り出してるって変だもの。

でも、それが今はすごくわかる。

何年か前のことだったと思う。
「不安なことを想像すると
現実に起こるから、
もし、想像してしまったら
口にだして訂正すれば間に合うよ。
でも、そのうちに想像したことが
すぐに現実になる時がくるから」
たしか、そんなようなことも言っていた。
まさに今のことだ。
風の時代は展開が早い。
現実になるのが本当に早い。
このことを言っていたのか。

和子さんが会ったことのない
私の友達も、まるで見えているかのように
性格や様子がわかっていた。
自分が生まれてくる前のことも
いくつもある前世のことも
覚えていて、
植物や動物とも会話したり、
妖精とか龍も見える人だった。
その時は、スピリチュアルという言葉も
知らなかったけれど、
猫と話せたり、妖精が見れていいな〜と
うらやましく思った。

パリにも春が来て、桜が咲き、
真っ青な空が広がる。
和子さんの声が聞こえるような気がする。

「大丈夫。こわくないよ。
これからは、ぴょーん、ぴょーんと行くよ。」
パリに来て不安だった私に、
和子さんが言ってくれた言葉。

私は空に向かって思う。
ありがとう!!!
どんな出来事も楽しんで幸せだよ!

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