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パリのカフェで想う東京のカフェ。

コロナ禍の一時帰国から4週間ぶりにパリに戻った。日本へ発った時フランスは夜8時から朝6時までの外出制限でレストランもカフェもクローズしていたが、シャルルドゴール空港から我が家に帰るタクシーの車窓からはカラフルなビストロチェアーが並べられたカフェのテラスが新鮮に映る。パリの街がこんなに華やかになるとは、カフェはフランスの文化というのは本当だなと実感。

パリに戻った翌朝は5時に起きた。実は3時には目が覚めていたが、ベッドでまどろんで時間を潰し、犬の散歩が理由ならアプリで外出許可証が取れる事を思い出し、犬を起こして散歩に出る。流石に誰も歩いていない。外出が許される朝6時になるのを待って滅多にやらないジョギングに出た。完全なる時差ボケハイ。

時差ボケのせいで妙な空腹を覚え、カフェに朝食を取りに行く。カフェに行くのは前々回のロックダウン以来8カ月ぶり。ずっとクローズしていた近所のお気に入りのカフェに開店時間の7時少し過ぎに着くとまだ通りにテーブルや椅子を並べている最中。

プティデジュネ食べられる?と聞くと、ちらっと腕時計を見て、良いですよ!と。

広々整然と並べられたテラス席の一番居心地が良さそうなシートをもれなくゲット。すぐに現れた本日のお客様2番目は私より少し若いかな?ってくらいのムッシュ。ボサボサ頭に無精髭で朝日に目を細めながらただただ遠くを見てタバコをくゆらす。全然タイプじゃないけれどなんかすごく素敵だ。

お次はお一人様マダム。サングラスを掛けているが、目はつむっていそう。陽の良く当たる席に座ってツンと顎を上げてじっと動かない。

お次は白い犬を連れたおじいさん。時々犬にクロワッサンのパン屑をお裾分けしながら犬に何か話しかけている。

お次はお一人様マダム。分厚い本を読みながら時々顔をあげて遠くを見てはカフェラテをすすっている。

私が東京に居る時は、家の近所のスタバか上島珈琲店を多用する。今回は緊急事態宣言中とあっていつもより空いていたものの、やはり窓際など少しでも良い席は競争のように埋まっていく。客の多くはお一人様で勉強道具やパソコンなどを持ち込んでコーヒー一杯で粘りに粘っている様子。そうでなくても、下を向いて忙しそうに携帯電話をいじっている。多くの客は朝でも綺麗にお化粧は施されているし、皆身なりもこぎれいだしブランドのバッグなんか携えてる人も少なくない。読書をしている客はごく稀で、ぼーっと遠くを眺めている客なんぞが居たら通報されてしまいそうなくらい皆一生懸命何かをしている(ように見える)。

パリのカフェは人と会うところ、考え事をするところ。と聞いたことがある。着の身着のままふらっと立ち寄って、コーヒーを一杯飲み終えたらテーブルに代金を置いてすっと出ていく。朝日がぐんぐん登ってキラキラ光り、澄んだ空気の爽やかな風が吹いて、バスが通ると街路樹の緑がさわさわ揺れる。朝の静かでとことん爽やかなパリのカフェテラスで、ふと東京のカフェの光景を思い出していた。

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☆今日のめっちゃ簡単フランス語 ☆

petit déjeuner / プティデジュネ・ 意味:朝ごはん

matinal / マティナル・ 意味:早起き




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