ドラマ"団地のふたり"でおばさん談。
NHKのドラマ団地のふたりがとても良い。
キョンキョンと小林聡美さんのダブル主演という時点でつまらぬ訳がなく
このお二人の更に先輩の周りを堅める女優陣からも良〜い味が出ているドラマだ。
キョンキョンは見事におばさんになった。
甘く可愛らしい声は昔のままだけど、体の厚み、顎のライン、二の腕、目尻のシワ
きっとこのドラマを観る人はここら辺にどうしても目が行ってしまうことだろう。
実に生々しくリアルに歳を重ねたキョンキョンをシーンが変わる度にいちいち実感できてしまう。でもね。キョンキョンはそれを隠してないし誤魔化してもいない。多くの芸能女性が施してしまう爬虫類みたいに妙な感じにひきつった口元とかしていないし、小さすぎるお顔からはしっかり輪郭のシャープさが消えている。
キョンキョン演じるノエチも小林聡美演じるなっちゃんもそして(並んで恐縮ですが)私も、子どもが居ない。(恐らく)それ故、いまいち自分がいかほどのおばさん具合なのか、の自覚に欠けがちだ。と言う自覚が私にはある。
ノエチが着ている(アンダーカバー?)のダボっとしたファッションにも注目してしまうのは、アパレル業界に身を置いていた私も年齢的なことで着たい服と着ちゃ不味い服のはざまで悩むことがあって、このあたりももし我らに子どもが居たら違ってくるのかもしれない。と思うから。
しかし姿カタチはおばさんだけど、団地で共に育ったノエチとなっちゃんが公園でアイスを食べたり自転車に乗ってるシーンは、幼い時の彼女たちの姿を勝手に脳内で重ねてほっこりしてしまう。
おばさんだけど、根っこは小さい頃から変わってない変われない。
おばさんだけど、機嫌が良ければ踊っちゃう。
おばさんだけど、パンケーキにワクワクしちゃう。
おばさんだけど、悩んだり落ち込んだりもする。
おばさんだから、食事は体に良いものを。
おばさんだから、昔の思い出に浸りがち。
おばさんだから、困った人は放っておけない。
おばさんだから、いざって時は礼儀も弁えたご挨拶がちゃんとできる。
この国ではおばさんは一括りに疎まれたり自虐の対象になるようだけれど、
あのキョンキョンだっておばさんは避けられないんだから。
若さへの執着で自分を消費する事なく、キョンキョンのように、のえちやなちゃんのように、ご機嫌で愛嬌のある立派なおばさんでいたいものだ。
とおばさんであることに胸を張れるこのドラマ。次回のお話も楽しみです。
*イラストは美味しいご飯を次々繰り出すなっちゃんの団地のキッチン。
☆今日のめっちゃ簡単フランス語 ☆
madame / マダム・おばさん(日本で言うおばさんはフランスに無い)
tant / タント・叔母(tata / タタ・叔母の愛称)
meilleur ami / メイユーアミ・男同士の親友
meilleure amie / メイユーラミ・女同士の親友