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ダッパーワーラー インドの弁当配達人って?

インド最大の都市ムンバイには100年以上続く驚きのシステムがあります。それはダッパーワーラーと呼ばれる弁当配達人。家庭で作った弁当を職場に届ける仕事です。

ムンバイには5,000人ものダッパーワーラーがいて、1日に20万個ものお弁当を職場に届けるのだそうです。間違える確率は600万分の1個。すごい、でもそこにはインドならではの事情があるのです。

事情① 多様な食習慣

インドには宗教の違いから人により食べられるものが異なります。ヒンドゥー教徒は牛肉を食べられないし、イスラム教徒は豚肉を食べられません。そのため、外食の習慣があまりなく、家庭の味を職場でも食べる習慣があるのです。

事情② 世界最強の通勤ラッシュ

日本のように自分で弁当箱を持っていけばいいやんと思ったかもしれません。でもそれはインドの電車が許しません。有名な話ですが、インドの電車の乗車率は300%にもなるほどです。特にムンバイでは1日7〜8人が亡くなるほど。そんな過酷な状況で弁当を手に抱えて持っていくこと自体が自殺行為に等しいのです。

事情③ カースト制

インドにはカースト制が長い歴史で根付いています。現在では廃止されていますが、身分の低いものが作るご飯を食べることに抵抗があってもおかしくありません。手塚治虫のブッダはインドを題材にした漫画ですが、身分の低いものと高いものの間には同じ人間とは思えないほどの壁があるようです。

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ダッパーワーラー、まさにインドならではのビジネスだと言えます。国を知るにはその国のビジネスを知れば良い。ビジネスは人の欲求を満たすものだから、あるビジネスが流行していることはその国にはある欲求が強いと言えるのです。

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