『できる』と『できない』を区別し、『できる』には責任を持つ
どんな企業でも『できること』『できないこと』があります。
何を当たり前のことをと思われるかも知れませんが、『この区別』を明確にすることが重要で、もし見誤ってしまうと企業は人々を失望させてしまいます。
▼組織は『できること』『できないこと』を明確にしないといけない
少し具体的な話からしますね。
初期の『ZOZOスーツ』を覚えていますか?
これです。
ガンツスーツっぽく、メカメカしい雰囲気でカッコイイ。
当初、ZOZOはこの初期スーツを大量生産する構想を立てていました。
この構想は多くの顧客を惹きつけ、多くの予約注文が入りました。しかし、開発を委託したストレッチセンス社が生産スケジュールやコストを見誤って失敗、プロジェクトは頓挫してしまいます。結果、ZOZOスーツを心待ちにしていた何百万人を失望させてしまいました。
ストレッチセンス社は自社の『できること』を大きく超える依頼を引き受けてしまった。また、ZOZOは顧客から『できること』を超える注目を集めてしまった。両者とも『できるできないの区別』を誤ってしまったと言えます。
ZOZOスーツ失敗の例から学べることは…
「組織は『できること』『できないこと』を明確にしておかないといけない。そうでないと、企業は人々を失望させてしまう危険がある。」
ということです。
▼だから『できること』を身につけないといけない
『できること』『できないこと』を明確にした上で、『できること』については責任を果たせるように準備しないといけません。自分が及ぼす影響についての責任は取れる力を持たないといけないのです。
上の例で言えば、ストレッチセンス社はZOZOから仕事を受注すべきではなかったし、仮に受注するなら『できること』としてすでに準備しておく必要がありました。
ただ、私もサラリーマンとして『できること』の判断の難しさは感じます。
人も企業も現状維持を好みます。ふとすれば、『今できること』だけで満足してしまうことが往々にしてあるからです。だから、外部圧力(大きな案件)があって、初めて行動するケースが多いです。
でもそれじゃあいけない。
本来、人も企業は先に先に準備をして、何かを受注するときには『できること』として引き受けるべきなのです。
▼社会問題についても『できること』だけ取り組むべき
組織は仕事を引き受ける中で、『できること』なら取り組むべきと書きましたが、社会問題についても同様です。
つまり、企業は成果を上げられる社会問題については『できること』として取り組むべきですが、そうでない社会問題については手をつけるべきではありません。
特に「重要だと思っていない社会問題」については無視すべきです。例えば、環境問題を重視していない企業が環境問題に取り組むのは避けるべきです。取り組んでも大した成果も上げられず、資金の無駄遣いになってしまうからです。
実際、ユニクロとZOZOのCSR活動を比較すると、それぞれの企業が意識して取り組んでいる分野がよく分かります。
ユニクロは「服を製造する組織」だからこそ、「服が生まれる環境問題」「服を着る人の健康」「服を届ける国の経済格差」を意識したCSR活動を行なっています。
一方、ZOZOはユニクロや一般的なメーカーと違い環境負荷は小さいです。しかし、多くのエネルギーを使っているため「サイト運営のための省エネ」「服が捨てられないようなリサイクル」「文化の盛り上げ」に注力しているように思われます。
「環境意識が強いユニクロ」は環境に関する社会問題に力を入れる一方、「文化への意識が強いZOZO」は文化に関連する社会問題に力を入れる。
それぞれの組織がそれぞれ意識する社会の問題に注力することで、結果的に大きな成果を生むんです。
▼まとめます
組織は『できること』『できないこと』を明確に区別して、『できること』だけ取り組むべきです。そして『できること』である以上は責任を持って取り組む必要があり、『できること』は常に準備をして体制を整えなければならないのでしょう。
そして、それは社会問題についても言えます。社会問題についても自社が意識する問題について取り扱うからこそ、成果を上げられるのです。
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