ユニクロの成長理由を考える

不況と言われるファッション業界で、ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングは大幅に業績を伸ばしています。

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なぜ、ファーストリテイリングは成功しているのでしょうか。過去の主なユニクロのニュースをまとめてみました。

・ヒートテック素材、エアリズム素材を素材メーカーと1から開発する。
・アメリカ、スペイン、インドなど積極的に海外展開する。
・セミオーダースーツの販売を開始する。
・ルメール社など大手ブランドとのコラボによりファッション性を取り入れる。
・反イスラム思想が強いアメリカ国内であえてイスラム向け製品を展開する。
・「ユニクロの低価格版」と言うイメージのGUが「低価格×ファッション」と言うイメージを確立する。
・難民に衣料品提供、資金提供、100人雇用する。
・地域密着を掲げて、店舗ごとに異なる内装にする。
・パートアルバイトから正社員にする。
・世界同一賃金を採用する。

これらのニュースから考えると、ユニクロ成長の秘密は大きく分けて2つあるように思います。①生のデータと②自分で考える姿勢の2つです。

①生のデータ

ユニクロでは、顧客からの生の声、従業員の生の声、市場の変化など、加工を一切加えないデータを取得できる環境を構築しています。コールセンターを社内に設けたり、オンラインストアで顧客からの情報をすぐに開発部門に連携できる体制が整っています。そうした努力の結果、単純にものを売るよりも遥かに高い収益をあげることに成功しています。

例えばユニクロの「ワイヤレスブラ」は販売開始直後は思ったように売上が伸びませんでした。原因を顧客の不満から分析し、サイズ感に不満があることを読み取ります。サイズの不一致問題を解消するため、店内に試着を積極的に勧めるポップを張るようにして、従業員からの試着提案も取り入れました。その結果当初の売上を大幅に伸ばすことに成功しました。

企業の多くは「生のデータ」を扱っているように見えて扱っていません。従業員から上司への報告、子会社から親会社への報告、その連携の際に情報が見栄え良く加工されてしまうからです。ユニクロはどんな企業よりも生のデータを丁寧に取り扱うことで顧客が求めるものを提供することができるのです。

②自分で考える姿勢

入社式は他社よりも1ヶ月早く、3月に行われます。9.11テロなどにより反イスラム思想が高まるアメリカで、イスラム向けのコレクションを打ち出しました。失敗したものの2003年ごろに野菜を売っていました。

これらに共通するのは自分で考える姿勢です。日本企業の多くは横の動きを見て自分の動きを決めています。でも、そうではなく自分で考えているのです。

2014年にユニクロは地域密着こそがグローバルになるという方針を打ち出しました。そこには、チェーン店舗だからこそ「どこのユニクロに行っても同じものしかない」と言う消費者の不満を感じていたからです。地域密着型のモデル店舗である吉祥寺店では独自の試みを行っています。壁には漫画風の広告、店内には地域商店街の紹介、地域の雑貨屋と手を組んだ「オリジナルTシャツ作り教室」など、本部からの指示を受けて行動するのではなく、1つ1つの店舗が自ら能動的に動く姿勢が求められているのです。働く人々一人一人が自分で考えて行動する。

組織的な企業にはないものがユニクロにはあるように思います。

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