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ぱりかん旅8 〜エジプト編②〜

ルクソールから始まったエジプト観光は、クルーズ船に乗って、徐々に南下していき、ついにアスワンまで到着しました。この旅の終わりまで残り4日です。

▼2月26日 アスワン

クルーズ船も4日目。

オベリスクの切り掛けに向かいます。オベリスクとはでっかい塔(これ)のこと、切り掛けとは作りかけという意味。つまりここは、オベリスクの製造場です。

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船で向かいます。

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ただの岩場に見えますが、近づいてみると…

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ただの岩場から作りかけの様子が伺えます。

何がすごんだって思われるかもしれませんが、それはその時代背景を考えないといけないと思います。今から数千年も前に岩山から岩を切り出す技術を持っていることが驚くべきことなんです。

当時の時代背景を考えながら作品を考えると、その凄さがわかる。

これはどんな物事にも当てはまります。ビートルズの音楽も、ツービートの漫才も、モナリザもそうです。ビートルズはサビを一番最初に持ってきた、ツービートはたけしさんが主役となる漫才を行なった、モナリザは人の体への理解を深めて極限までリアルに人を描いた。

エジプトにある作品は一見するとただの岩の塊に見えてしまいます。しかし、本当の素晴らしさは何千年も前にそれらを建築したこと、そしてそれが現代まで残っているということです。数千年前の作品が今でも姿を残し、現代の私たちが見ることができることこそ驚くべきことなのです。


いよいよ、アブシンベル神殿へ。
陸路で、ガチの警察の護衛までつけて向かいます。

近くのホテルへチェックイン。豪華なホテルです。

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ホテルで少し時間を過ごし、日が沈みかけた頃、アブシンベル神殿に向かいます。

怪しく光る小さな山。

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近づくとその神々しい姿が目の前に現れます。

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大神殿の四体の像はラムセス2世で、その前に並んでいるのは家族の像である。奥にはプタハ神、アメン・ラー神、ラー・ホルアクティ神、そしてラムセス2世の像がある。像の脚にはヌビア遠征に赴いたギリシャ人傭兵による古代ギリシャ語の落書きが彫られている。

「すごい・・・」

歴史の資料集では何度も見たことがあったのに、実際に目の前にすると、その圧倒的な存在感に威厳を感じないではいられません。普段神の存在を信じていない私でさえ、これを見たときには神がいるとしたらここにいるんじゃないかなと思わせる力がありました。

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▼2月27日 アブシンベル

翌日、朝からもう一度アブシンベル神殿を訪れます。

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中にも入っていくことができます。

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中の写真は許されなかったのでここまでですが、実はこの奥が本当に見てほしいところです。太陽の光がちょうど最深部まで行き届くように設計されており、奥にある像が陽の光を浴びて輝くんです。

「ああ、こうして神の存在を信じるんだろうな、ここに神は宿るんだろうな」

ふと、そんなことを考えさせるほどの力がありました。それほどの力を感じました。もしアブシンベル神殿を訪れる機会があれば、ぜひ朝に訪れてほしいです。そして光り輝く太陽(ラー)を見てほしいです。

一旦、ホテルに戻り、アスワンハイダムに向かいます。

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このダム開発によって、アブシンベル神殿は現在の場所へ移動することになりました。それを批判する人もいます。でも、批判するのは大抵ここに住んでいない人だと思います。この地域に住んでいる人にとってはダム建設によって、不足しがちの農業用水を安定させることができ、砂漠を緑化することができました。

これで下エジプトの観光は終了です。ここからは、カイロに向かいます。

カイロ行きの夜行列車を目指し、駅まで。

途中、エジプトのリアルな街並みをずっと眺めていました。

そして、この景色を見ながら私の中にずっとモヤモヤしていた違和感の正体がわかりました。

あ、俺って日本から来たただの金持ちの観光客なんだ。

つまり、歴史の資料集に載っているのような綺麗に整理された遺跡だけを見るだけで、現地のリアルを何も見ていなかったのです。インスタ映えするような写真だけを撮って、現地の人とろくに会話もしない。ただの金持ち大学生なんだなと気づきました。そして同時にいますぐこのバスを飛び降りて、リアルなエジプトを知りたいという思いがふつふつと湧き上がりました。

もっと現地の人と会話したいし、現地の問題にも目を向けたい。パッケージされた旅行とバスという安全地帯からエジプトを知るのでなく、現地の人と会話して、汚いところも見て、現実をしっかり知りたいと思わされました。

日本人だけのパッケージ旅行はもうやめよう。

旅行をするなら全部自分でコントロールする。そしてパッケージ旅行を選択するなら、現地のものを自分で選ぼうと思いました。それ以来、ここで決めた事を守っています。

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さぁ、夜行列車に乗り込み、カイロに向かいます。

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