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外食チェーン大廃業時代について考える

今、全国のチェーン店が次々と廃業に陥っています。サンドイッチチェーン店サブウェイは過去4年半で約200店舗を閉鎖、ハンバーガーチェーン店バーガーキングも2019年9月に22店舗を閉店。まさにチェーン店大廃業時代。

外食チェーンへの顧客離れの背景には、顧客の飽きがあります。どこの店に行っても同じ内装と同じ味、顧客はそんな同じ場所に飽きを感じてしまっているのです。しかし、そんな逆境の外食チェーンでも業績を伸ばすために努力している店はあります。彼らはどんな挑戦をしているのでしょつか。

▼▼▼クリスピー・クリーム・ドーナツ
アメリカで1937年に創業したドーナツチェーンです。日本には2006年に初出店しました。出店当時はドーナツブームを日本で巻き起こすなど顧客が絶えることがありませんでした。しかし、数年前から赤字が続き国内の店舗が次々に閉鎖に追い込まれています。理由は、アメリカの形をそのまま輸入してしまったことです。甘すぎるドーナツは日本人の舌には合いません。顧客の回転率を意識しすぎた内装は席の感覚が狭すぎて、ゆっくりと休むことができません。そんなアメリカンスタイルのドーナツ屋には顧客が寄り付かなくなりました。

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このままではいけない。クリスピー・クリーム・ドーナツは日本の顧客が求めるものを考え直しました。試みたのは、甘すぎないドーナツとくつろぎのある落ち着いた内装という2つです。甘すぎないドーナツの代わりにメインとなるモーニングセットを考案しました。厚切りのベーコンをのせたドーナツ、ヨーグルト、ドリンクのセットです。これをきっかけに徐々に客足が戻ってきました。

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そして内装も1から見直します。顧客がゆっくりとくつろげるようにと、座席感覚を適度に開けたテーブル席や落ち着いた店内を構築しました。

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こうした取り組みの結果、赤字続きだった経営は持ち直しました。この追い風に乗って、数年ぶりの新規出店を北海道で行います。初の試みとして北海道限定の「チーズケーキドーナツ」を新しく取り入れ、こちらも高評価を受けます。一店一店に住民に喜んでもらえる工夫をすること。店側の都合を押し付けるのでなく顧客に寄り添った店づくりが必要なのですね。


▼▼▼サブウェイ
アメリカに本社を置くファーストフードチェーン店です。2013年の世界店舗数はマクドナルドを凌ぐほど、世界的に有名な企業です。日本にも上陸した時は大人気となりましたが、現在は売り上げが大きく落ち込んでいます。理由は、他店が野菜メニューを積極的に取り入れたこと。例えば、牛丼の吉野家はベジ丼という野菜だけを使った新メニューを開発しました。どこでも野菜が食べられるなら、顧客はわざわざサブウェイじゃなくても良いかと思うようになったのです。

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そこでサブウェイが取り組んだのが、企業コラボメニューの開発です。これまでのサブウェイは野菜を食べるところというイメージが強かったのですが、肉感たっぷりのハンバーグをメインに添えた商品を開発しました。しかも2個も。

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日本人に好まれる味を徹底的に追求し提供する。アメリカ本社の味をそのまま持ってくるだけでなくローカル向けに工夫することが必要なのですね。


▼▼▼ドムドムバーガー
ダイエーの系列店として一時期は300店舗ほど日本中に広がっていました。しかし今では35店舗ほど。なぜこれほど店舗が減少したのか。様々なライバル企業の出店ももちろんありますが、何より安パイな商品しか提供しなかったことが理由です。事業が拡大すればするほど提供するサービスは極めて平凡なものになってします。いつの間にか個性を失ってしまったのです。そこで起死回生として取り組んだのが「面白いバーガー」です。

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パティを2枚使った「ビッグドムバーガー」や、過去の人気商品「お好み焼きバーガー」を導入するなど、顧客に興味を持ってもらうための商品を次々と投下しました。これが大ヒット。業績を立て直しました。今では、2020年に50店舗、2027年に100店舗のビジョンを掲げて行動しています。外食チェーン店がひしめく現代では、顧客に気づいてもらう、興味を持ってもらえるような商品が求められているのかもしれません。

▼▼▼最後に
顧客の好みは一貫性があるものではなく、時代の流れとともに変化します。そんな流動的な流れの中で店だけがいつまでも同じでは顧客は通わなくなってしまいます。常に顧客が何を求めているのか、その欲求を見極めて変化し続けることが必要なんですね。

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