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世界では無名、どうブランド化するか?

2015年のガイアの夜明けの番組を見ました。
テーマは「世界では無名・・・どう“ブランド化”するか?」です。

番組では、2つの企業に焦点を当てていました。

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「エアウィーヴ」

高反発のマットレスパッドとして、フィギュアスケートの浅田真央選手のCMで話題になった企業です。日本では、2012年から2015年にかけて売り上げが10倍にもなりました。

世界市場を狙う理由
成長を続ける業績にも関わらず、高岡会長は現状に危機感を持っていました。

「今のうちに世界市場に打って出て、エアウィーヴのブランドを広めなければ、今後、類似商品が出てくる可能性がある。そうするとそれらのメーカーが世界市場を獲得してしまうかもしれない」

海外の類似商品が出てきたときに、価格勝負になってしまう…その前に行動しないといけない。確固たる地位を築きたいという想いからアメリカへの進出を考えました。

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▼▼▼ブランド力を広めるための活動
早速オンライン通販での販売に取り組みましたが、全く結果が伴いません。しかし、ブランドの認知度を高めるために2010年からある戦略を立てていました。「IMGアカデミー」への無償提供です。IMGアカデミーはテニスの錦織圭選手が過ごしていた名誉あるプロスポーツ選手養成施設。ここでエアウィーヴの価値を知ってもらうことは明確なブランド価値向上につながります。

「子供たちが、さらにエアウィーヴでいい睡眠をとれることが分かればクリア(明確)なイメージが付くと思う」

また、もう一つの狙いがあります。IMGアカデミーと共同研究を行い、エアウィーヴの効果測定を行いました。エアウィーヴを使用するしないで運動能力に影響があるのかをどうかデータをとります。科学的な根拠に基づく提案を行うのにも打ってつけでした。

「(IMGアカデミーは)アメリカのスポーツ界からは全て認知されていますし、そこと一緒に研究したということは我々のブランド戦略に大きな影響が出る。」

加えて、アメリカオリンピックの正式スポンサーにもなっています。年間2億円のサポートに加えて、アメリカのオリンピック選手が使うトレーニングセンターに130枚も提供しています。

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▼▼▼ブランド戦略の効果
こうした戦略によって地道にブランド力を高めた結果、高級ホテルにも試験的に採用されることが決まりました。さらにアメリカ発店舗をオープンし、そこでもこれまでにない売り上げを記録しました。

一時期はライバル企業の出現により苦労した時期もあったようですが、なんとか成長を続けて、2021年には上場も目論んでいるようです。

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「ジャパンブルー」

岡山県倉敷市児島にあるジーンズメーカーです。元々は藍染の職人で日本では「桃太郎デニム」というブランド名で人気を集めていました。

▼▼▼世界に知られていない日本製ジーンズ
服好きの人なら「桃太郎デニム」という商品を聞いたことがあるかもしれません。しかし海外では日本製ジーンズは全くの無名です。どうやって日本のジーンズを広めるのか?

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▼▼▼ブランド認知戦略
「ジャパンブルー」というブランドを新しく立ち上げ、社名も「ジャパンブルー」と変更しました。さらに青色の特徴を前面に押し出すために(通常は白い)裏地を青いジーンズに仕上げました。日本製を前面に打ち出したブランド名に対して、海外受けは非常に良く、新しく店に置いてもらえる店舗を見つけることにも成功しました。さらに、ヨーロッパの有名ブランド店とのコラボも

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▼▼▼2017年までに海外25ヵ国で販売
海外向けに売り出した「ジャパンブルージーンズ」は今では国内にも逆輸入。海外では25カ国にも販路を広げています。

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業績は右肩上がり、2019年度は売上高50億円達成の中期売上目標を掲げています。すごいですね。日本の本当に良いものが世界のブランドになれば、それは日本国内の売り上げの比ではないなぁ。

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世界でブランド力を高めるためには独自の工夫が必要です。エアウィーヴはIMGとの共同研究をして「プロ選手が使う一流の商品」というイメージを定着させようとしています。ジャパンブルーは、「日本製デニム」の価値を世界に広めるために社名を変更しました。そのほかにも独自の取り組みをする企業はあります。

今治タオルは海外の展示会場に日本の寺の手洗い場を真似た施設を作りました。ここで手を洗ってもらい、今治タオルで濡れた手を拭いてもらってその吸水性をアピールするのが狙いです。

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シャチハタで有名な企業「シャチハタ」は海外の展示会場にシャチハタスタンプラリーを設置して自社商品の魅力をアピールしました。スタンプ文化がない海外には好評だったようです。

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ドラッカーが「顧客の欲求を満たす」大切さを説くように、海外の顧客の欲求を理解する。そして自社の強みを認知して、相手にそれを知ってもらう。地道にそれを繰り返して行動することで世界市場で戦えるブランド力がついてくるように思えますね。

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