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2−2:企業の目的

先日の記事の中で企業とは営利組織ではないとまとめました。簡単に言えば、企業の目的は利益ではないということです。では企業の目的は何なのでしょうか。ドラッカー先生の言葉を解釈してみましょう。

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企業とは何かを知るためには、企業の目的から考えなければならない。企業の目的は、それぞれの企業の外にある。企業は社会の機関であり、その目的は社会にある。企業の目的の定義は一つしかない。それは顧客を創造することである。

ドラッカー先生の多くの名言の中でも、これほど印象的な言葉はないでしょう。企業の目的は顧客を創造すること。後の文章でこの補足をしています。

市場をつくるのは、神や自然や経済的な力ではなく企業である。企業は、すでに欲求が感じられているところへ、その欲求を満足させる手段を提供する。

お腹が空いた人に食事を提供するように、暇を持て余している人に痛快なアクション映画を提供するように、企業は欲求を感じている人々にその手段を与えています。企業はより多くの人々の欲求を満たすことで彼らを顧客にする。だから、「顧客を創造する」=「より多くの顧客の欲求を満たす」と言い換えることができます。

欲求が感じられていないこともある。コピー機やコンピュータへの欲求は、それが手に入るようになって初めて生まれた。イノベーション、広告、セールスによって欲求を創造するまで、欲求は存在しなかった。

顧客は欲求を感じていないことが多々あります。例えば、携帯電話が主流の時期にスマホを欲しいと思う人はいなかった。でも私たちは企業の広告や宣伝活動を見てそれらを欲しいと思うようになります。そう思うと、私たちが何かを欲しいと思うのは、宣伝効果による影響を受けていると考えられます。

企業とは何かを決めるのは顧客である。なぜなら顧客だけが、財やサービスに対する支払いの意思を持ち、経済資源を富に、モノを財貨に変えるからである。しかも顧客が価値を認め購入するものは、財やサービスそのものではない。財やサービスが提供するもの、すなわち効用である。

顧客の欲求を満たすために企業は活動を行う。だから企業の姿は顧客によって決まるのである。加えて、顧客はものを買った時に得られる価値にお金を払っている。ブランドカーを購入する人は移動手段を買っているのではなく、ブランドカーを持つことのステータスを買っている。amazonを利用する人は商品購入にかかる手間を省く手段を買っている。ものやサービスそのものに価値はなく、買った人がそこから得られる何かが重要なである。

企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。

企業の目的は顧客の創造をすること。顧客を創造するためにはより多くの顧客の欲求を満たせばよい。顧客の欲求を満たすためには、顧客の欲求を知り、自社のモノとサービスを変容させることが必要なのである。それをマーケティングとイノベーションと言います。

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◆今日のポイント
・企業の目的の定義は、顧客を創造すること。
・企業とは何かを決めるのは顧客である。
・顧客が購入するものはモノやサービスではなく、そこにある価値である。
・企業の機能は2つある。マーケティングとイノベーションである。


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