虫塚虫蔵

1997年生。特殊同人サークル「迷路」主宰/編集長。批評雑誌『マンガ論争』のスタッフと…

虫塚虫蔵

1997年生。特殊同人サークル「迷路」主宰/編集長。批評雑誌『マンガ論争』のスタッフとして作文や編集に手を染める。現在は再々創刊された『映画秘宝』に鋭意執筆中。編著に『川本耕次に花束を』『鬼畜系サブカルの形成過程における制作者の役割に関する実証的研究』(ともに自費出版)がある。

最近の記事

「消費型趣味」に入れ込むのは不毛で低俗だと本気で思っている話

推し活にハマって困窮している若年層とか 一言で言うと「趣味が悪い」。これに尽きる。 世の中、もっとタダ同然で面白いことに溢れているのに。 そういうわけで「消費型趣味」に入れ込むのは不毛で低俗だと本気で思ってるけど、そう言うと「趣味に生産性を求めるな」という声も根強い。 が、いわゆる「推し活」なる概念に不快感があるのは、それがワンオブゼムに留まっており、かつそれを全肯定する概念だからと思う。 それこそ、貴重な可処分時間と可処分所得を膨大に「推し」に費やすくせに、たいし

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      表題どおり。 日本人クリエイターが持ちがちな「自身の生み出す著作物に対する極めて独占的でクローズドな考え方」は、自分にとっては非常に理解し難いものがある。それでいて、二次創作の文化が非常に根付いていると言うのだから、なおさら意味がわからない。 例えば、絵柄に著作権はないが、絵柄に著作権があって当たり前みたいな考え方が、なぜ普通に浸透してるのがほんとに意味がわからない。半世紀近くコミケットが続いてきた国でそれをいうか? が、そうした矛盾を抱えているのが日本人クリエイターの

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        Source:『映画秘宝』2024年5月号 By Mushizuka Mushizou (虫塚虫蔵) Two-dimensional ero (ero-anime, ero-manga, eroge, etc.) is popular all around the world. In particular, Japan's ero-anime is known as 'Hentai', and 'Hentai' has been the most searched wor

        • 【書評】片岡大右『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか』の問題点:あきれた本

          自分の好きなアーティストが、過去の失言で攻撃され、悪魔に仕立て上げられた場合、その名誉を回復させ、本人に悪意がなかったことを証明したくなる気持ちは、わからなくもない。 それは小山田圭吾氏(以下、敬称略)もそうだ。小山田が社会的に抹殺された2021年、過熱報道がエスカレートするなか、某女性ブロガーが中心になって小山田を擁護する論陣が張られた。もちろん、ろくにファクトチェックをしなかった毎日新聞や、その元になった「孤立無援のブログ」は批判されるべきだ。 しかし、ありとあらゆる

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          ぼざろオンリー同人即売会「ぼっち・ざ・おんりー!」の参加レポート

          ぼざろオンリーイベント、一般参加で回り終わったので、感想 とりあえず公式サイトから開催情報をコピペ 『ぼっち・ざ・ろっく』とは『ぼっち・ざ・ろっく』は、はまじあき原作の萌え系4コマ。略称は「ぼざろ」。ギターを愛する孤独な女子高生・後藤ひとりがバンド活動を通して、ユニークな仲間たちと共に成長していく青春物語。極度の人見知りの主人公に共感する人が続出し、あっという間に大人気となった。 秀逸なギャグもさることながら、登場人物たちの感情がみずみずしく描かれており、マンガやアニメ

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          コミティア134レポート―コロナ禍の同人誌即売会(2020/11/23)

          エアコミティア135にあわせて、2020年11月23日(祝)に東京ビッグサイトで開催された「コミティア134」のレポートを公開します。 「コミティア」とは創作ジャンルに特化した日本最大規模の同人誌即売会です。これは「コミックマーケット」の80%が二次創作であるのに比べると実に対照的ですが、コミックマーケット準備会初代代表の原田央男氏によれば、もともと創作サークルの生み出すオリジナル作品が読みたくてコミックマーケット創立に乗り出したと語っており、本来のコミケも、コミティア同様

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          夢日記ショートショートーすべてはもえるなつくさのむこうで

          意味がないと物ごとは連関性が失われ、全ては脈絡がなくなり断片化し、時間も消え、それが正に夢の世界であり、現実の無意味を追求するシュール画が夢の様になるのは必然なのでしょう。現実も夢も無意味という点で一致するのでシュルレアリスムもリアリズムも目指している方向は同じかと。(つげ義春) 書類を整理していたら変なメモが出てきた。こんな夢を見た覚えはない。(2019年9月1日) はじめに「いつか夢で見たあの素晴らしい景色を求めて」 以下の夢日記は、僕が10代の終わり頃に見た、断片

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          2016年8月30日 夢日記「ウサギマスク」

          映画館?の扉があって、隙間から中を覗いていた。覗いているのは僕ではなく別人。しかも途中から東(アズマ)という名前の女の子と視点が入れ替わっていた。でも主観は僕。 (多分このへんから映画の話=劇中劇の中に紛れ込んだ?らしい) ストーリーテラーはウサギのマスクをした背が異様に高い男。 兎男「はーいみなさんこんにちは~。これから面白いことしようね~。その前に氏名電話郵便住所を教えてねー☆」とか胡散臭い事を言う。 そして「帰れないよ☆逃げたら○す○める」(「殺す埋める」が伏字にな

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          「サブカル」の名付け親は紀伊國屋書店だった!?—石丸元章が語る「サブカル」誕生秘話

          阿佐ヶ谷ロフトA 『バースト・ジェネレーション』presents「90年代サブカル最高会議」(2019年5月20日)より書き起こし 出演者 ロマン優光 姫乃たま 釣崎清隆 ピスケン(欠席) 石丸元章 福田光睦 ケロッピー前田 (以下、太字は石丸元章による発言) 「サブカルチャー」っていう言葉がいつからか、って言うと、89年…おそらく本屋さんで一番最初に「サブカル」という言葉を…「サブカルチャー」という言葉を使ったのは紀伊國屋書店なんだよね。 棚がね、それまで「サブカル

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