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NASAは月に行ってない?

デジカメ使い始めの頃。
 
東北の由緒正しいお寺の薄暗いお堂にて。
 
中に入ると、例祭で使われるであろう様々な物品が保管されている。
 
そして高い天井からは、いくつも垂れ下がる巨大な旗。
 
あまりにも見事だったので、光がほとんどない中暗すぎてほとんど写らないだろうと思いつつ、撮ってみたらなんとも予想外の鮮明な写真。
 
デジカメの撮像素子の高性能さに驚愕したのでした。
 
親父は8ミリが趣味だった。
 
8ミリビデオじゃないよ、フィルムに撮って現像して映写機でカタカタ映す、昔の8ミリ。
 
あれ、屋内の映像はとにかく暗い、普通に照明がある状況でも。
 
露出操作が手動だから、調整ミスった日にゃ本当に真っ黒、何も映らない。
 
それに比べれば今のカメラ、手振れ補正といい技術の進歩はすごいものです。


「NASAの陰謀」論

陰謀論者がよく言うたわごとの一つに「NASAは月に行っていない」というのがある。
 
実はTV番組で科学的見地からUFO信奉者と激論を戦わせ名をはせたあの早稲田大学大槻教授も、アポロ計画については否定派。
 
月面着陸はなかった、と。
 
イギリスでのミステリーサークル調査に同行して以降、ちょっとした付き合いがあったので聞いたのですが。
 
人類初の月面到達を彼が何と言って否定していたのか、その根拠を今一つ思い出せない。
 
今となってはもっとまじめに聞いておけばよかった。
 
大槻教授ともあろう者が、レーザーで月までの距離を精密測定していることも知らないのか?

月面でのスナップはスタジオ撮影?

ま、それはともかく、そのNASAは月に行っていない論者の根拠の一つが、月で撮られた映像に星が写っていない、というもの。
 
確かに当時の映像を見ると、解像度の低い動画はおろか静止画に至っても空は真っ黒で、星らしきものは写っていない。
 
行っていない派は、それが暗くしたスタジオで撮ったためであるとする。
 
でも考えてみて欲しい。
 
「夜空を撮影したら星が写る」のが当然であり、写るようにスタジオ撮影しなかったのがヒューマンエラーであるなら、本当にそんな失敗があり得るのか?
 
あのNASAが主導でスタジオ設営して、国家戦略のもと撮影するんですよ?
 
夜空に星を写すの忘れたなんてことないだろうし、背景に電球かなんかテカらせて見たけど暗すぎて写らなかった、なんてこともないだろう。
 
それに、公開する前に映像のチェックくらいするでしょう。
 
百万がイチ電球が暗すぎる凡ミスがあったとしても、絶対撮り直しするって。
 
米政府が組織した技術者集団にそんなやらかしを想定するのは、おそらく人類を月に立たせるより難しい。

分かってみれば単純なこと

月の夜空に星が写っていない理由、それは単純に光のコントラストが強すぎる為。
 
まずアポロの宇宙飛行士たちが降り立った月面は、朝の時間帯。
 
夜だったら真っ暗で活動に支障が出ます。
 
砂浜の照り返しを思い出すまでもなく、雲や水蒸気の無い月の空を抜け月面で反射される太陽光の明るさは強烈なもの。
 
それに対し空にまたたく星の光なんて、かすかなものです。
 
宇宙飛行士の来ている宇宙服の反射もやはり強い。
 
このような状況で写真を撮れば、シャッタースピードは速くなり星など写らないのは、ちょっと撮影の経験がある人ならわかることでしょう。
 
強烈な照り返しがなくったって、試しに夜スナップ写真でも撮ってみてください。
 
目の前でピースしている友人の頭上に瞬く星など写るものではない、でしょ?
 
コントラストと言えば、部屋の中で撮影した時。
 
部屋の外の景色に露出が合っていると部屋の中は真っ暗に。
 
でも部屋の中に露出を合わせると、窓は真っ白。
 
外の景色はほとんど写りません。
 
こういうの普段実感している視覚とは異なりますね。
 
いかに人間の視覚が優秀か。
 
うまいこと調整されて、部屋の中も窓の外も両方いい具合に見えている。
 
おそらくは単なる受光器としての機能にプラスして、脳の視覚野の補正が効いているのでしょう。
 
最近のデジカメも優秀で、以前よりはこのコントラストにも対処できているように思えます。
 
どうやってんだろうね?
 
それはともかくアポロ16号の宇宙飛行士デュークは、「月面にいる間、星は全く見えなかった」と回想しています。
 
人間の優秀な視覚でも星が見えないくらい、つまりは月面での光のコントラストは強烈だったということです。

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