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今回は英語の文章(或る歴史学の本の序文の冒頭部分)を配り、それを訳してもらう問題を出しました。専門用語は少ないですが、Last Judgmentやend of the worldなど、定訳のある言葉がしばしば出てくるものを選びました。うまく訳せなかった場合は、こういった用語で変な訳をつけないように意識してほしいのと、訳せた場合は、知っている用語から、文章全体でどういうことを言っているのか、どういう含意があるのか、想像をふくらましてほしかったというのがその理由です。具体的な話に入る前で抽象的なのも、評論の訓練として良かったかと思います。

以下、気になる点をいくつか確認します。


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今回のポイント

① 論題は分かっているか

今回の文章は、歴史家が資料などの観察対象を見る視点や、資料を読む際に歴史家がどう言った関心を持っているかについての話から始まります。ここで、歴史家の仕事の仕方について、筆者の見解を述べている箇所だと気づくと、後の話が理解しやすくなります。こういう箇所を読んで、「歴史家が観察対象を分析する方法について議論があったんだな」とか、「何の歴史を探求するかによって、方法や関心は変わるのかな」と、その文章では明示されていないけれども、背景にあると思われる議論の存在を意識することが大事です。論点を把握することで、その文章の言いたいことや、独自性がわかるようになります。これに関しては現代文・古文・漢文は勿論、どういう問題なのか、何に答えたら良いのかを把握して、それに応じた手法を選択するという点で、数学でも似たようなことが言えると思います。

また、訳の付け方についても、文章の主題に合わせて選択することになるので、これは重要です。

② 関係代名詞は、前から訳しても良い

関係代名詞を訳す際に、「[関係代名詞節1]である〜が、[関係代名詞節2]である〜を……」となどと、主語も長く、目的語も長い文になってしまう場合があります。そう言った場合、2文に分けるというのも一つの手段です。一旦一つ目の関係代名詞節と主文を訳して、そのあとで「この〇〇は〜」ともう一つの関係代名詞を訳す

というのもありです。何にかかる関係代名詞なのかを明示することさえできれば、あえて一文に全てを詰め込む必要はありません。


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以上になります。今回も御覧いただき、ありがとうございました。

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