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本とエッセイ

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私が読んだ本の紹介を私なりにさせていただきます。本を知るきっかけになれば何よりです。
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#本

夜を明かす方法。#本とエッセイ『ここはすべての夜明けまえ』

There is not ネタバレ. Yeah. どうも、コーシです。 あの時こうしていれば、”今”はどう良かっただろうか。 でも、そうしていなかったらこの今に出会うことは出来ない。 今は楽しいし幸せ。だからもちろん惜しい。 ただそれは友人や家族など、環境によって得れるものであって。 ”今の自分”、ただそれのみを良いと思えるかどうかは自身が持てない。 とまぁ、「今」という文字のゲシュタルト崩壊を起こしてもらったところで早速本題に入る。 その今に至るまで、私は”人”を何回

よし、俺も天下を取ろ。#本とエッセイ『成瀬は天下を取りにいく』

無いよ、ネタバレなんて。 どうも、コーシです。 自分という人間を分析した際、どのような言葉で表すのが適切だろうか。 世の中の一つ一つを一言で表すなんてことは無理だと思う。 それによって生まれる誤解を考えるのも面倒し、生まれてきた以上は一言では収まらない中身がすべての対象に存在する。 ここまでの文章ですでに自分という人間がよく分かるじゃないか。 よく悩む人だ。 ”言葉で表す”と言った手前、その文章の裏側によぎる”そんな簡単なもんじゃない”という反対意見。 言葉一つによる誤解

演じている。自分が見ている。#本とエッセイ『舞台』

そろそろ気合いを入れ直しときましょう。 どうも、コーシです。 ”10代の頃”と言う言葉を使えるようになったので、使ってみる。 10代の頃、というか思春期の頃、自分の声がとても嫌いだった。それは声質や、声の高さではない。自分の声の変幻自在さが嫌いだった。 特に声変わりをしてきた時はとても聴いていられなかった。 家族といる時は、少し高い声が出る。 友人といる時の声は、まぁうるさく無い程度の声。 先生と話す時は、ちょっと透き通ったような声。 好きな人や気になっている人と話す時

努力とか、運とか、綺麗事とか。#読書感想エッセイ『運転者』

 毎度のこと、ネタバレはないです。  どうも、コーシです。  さぁ!本を読もう!  春休みに入って開口一番である。読みたい本が溜まりに溜まっていた。  私の場合、本も映画も大っ好きなんだけど、心の余裕が必要なのだ。疲れていると、物語が自分の世界とあまりにも乖離してしまって、感情が全く動かなくなってしまう。  ようやくその余裕ができた。  手始めに、失礼ながら気軽に読めそうだなと思った本から手をつけることに決めた。しかしこの男、次の日の夜にはその本を片手に号泣することと