ART OF LIVING
npo法人森の美術館 インスタライブvol.2
振り返りとして。
写真は、2021年に法人を立ち上げたときのパンフレットだ。
“ ART OF LIVING”
震災のあの時から、ずっとずっと私のテーマである。
あの時。
ライフラインを完全に断たれた私は、フクイチが水素爆発していようとも、屋外で給水車に並ばざる負えなかったし、一方、食べ物を買いに行こうにもガソリンが手に入らず外出すらままならなかった。暖を取るのも電気コンセントのある暖房器具しか持ち合わせず、避難所になったお寺で何日かを過ごさせてもらった。
あることが当たり前だと思っていた、水道・ガス・電気。それがどのような仕組みでどのようにここまで届けられているのか、何の疑問も持たずに、何も考えずに生きてきてしまった30年を心から恥じた。
しかしその時。
農家のじいちゃんばあちゃんの暮らしには、さほど影響がなかったことも目の当たりにした。食べる分の米や野菜は自給。薪を燃やして暖を取り、井戸があるから水もある。何かに頼らないと生きていけなかった私の暮らしとは正反対の、すべて自分たちで賄える暮らしがそこにあった。
それ以来、少しずつ自分の手の中に暮らしを取り戻す小さなアクションを重ねてきたつもりだ。
全てを自分で出来なくても、出来る人と繋がること、いざという時にはみんなでやろうというコミュニティを作ること。
あれから10数年。
おかげさまで繋がりは出来たし、衣食住の自給へ向けたコミュニティ事業にも取り組ませてもらっている。井戸も掘ったし、薪ストーブもある。食料の備蓄もある程度は備えられているし、何より仲間がいる。到底一人では叶わなかったことをみんなが可能にしてくれた。
インスタライブの中でも少し話したが、法人事業は、〝生きる〟というメインテーマに、様々なコンテンツを通して取り組んでいるのだと最近腑に落ちた。
食や衣、そして住まい。アートもそうだし、教育、自然保護も然り。
身の回りの少しずつをまずは自分でやってみると、意外と出来るんだということが体感として腹落ちする。その繰り返しが暮らしを創り、彩る。
これだけ科学技術が進歩した現代において、もしかするとそんな暮らしはとても不効率でスマートではないかもしれない。
しかし、生きることに真剣に向き合う瞬間、とたんに輝きを増して光放つ素晴らしい術となり得る。
時間も掛かるし、いつも季節に追われてバタバタとしているし…それでもなんだか最高に楽しい。
もしかすると少しずつ、私は生き始めているのかもしれない。
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