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【panpanya漫画考察】『いつもの所で待ち合わせ』

今回は、久しぶりにpanpanya漫画考察シリーズをお届けします。

『panpanya』は私の推し漫画家さんです!
夏休みに読むのにピッタリの漫画ですよ!
どんな漫画か知りたい方は、こちらへ↓

考察なので、漫画に関するネタバレ注意です。
漫画を先に読むことを強くお勧めします。

『いつもの所で待ち合わせ』

主人公と友人がとある場所で待ち合わせをする。
台詞だけを読むと同日同時刻に交わされた一連の会話のようだが、実は風景の一部が少しずつ変化している。

「あれっここの店潰れたんだ」2人の視線の先には「テナント募集」の看板。
友人のこの発言は、主人公への語り掛けである。主人公は「そうだね」と相槌をうつ。
しかしこの台詞は私たちへのサインでもある。
ほとんどの読者は、ここで前のコマのラーメン屋が潰れたのだと気づくだろう。

「この辺ちょっと来ないとすぐ様変わりするね」確かに、ラーメン屋以外にもいろんなものが無くなったり生まれたりしている。
みなさん、もちろん変化を探しましたよね。
私もやりました。間違い探しみたいで楽しい。

・背景の変化 どこが変わったか調べてみた

  • 画面右奥の酒屋がサンクスに変わり、更にファミリーマートになっている

  • 酒屋の背後はなにもなかったが、2コマ目からビルが建設され、次のコマで完成する

  • 3コマ目サンクスの真上に信号機が新設される(奥にビル群が建ったので人通りが増えたのだろうか)

  • 信号機の「すすめ」「とまれ」の表示が白地から黒字に変わっている(LEDに変化)

  • 1コマ目画面左下「焼き肉館」店前に植木鉢→「ラーメン屋」が開店しポリバケツが置かれる→「和食ダイニング」が開店すると壺に植えられた笹が飾られる

このように、実はかなりの年月が経過しているのである。
また、一方で「OK不動産」や「消火栓」の位置はずっと変わっていないのも面白い。
 


ラストで主人公と友人は「君は変わらないな」「お互いにな」と話しながら歩き始める。
幼馴染と再会した時の常套句のような台詞だが、これはまた、違った意味もある。
背景から推察するに相当な年月が経過しているはずであるが、全コマを通して2人の風貌は全く変わらない
老けないどころか、服装も髪型も最初から最後まで同じだ。
・・・この2人、いま何歳なん?

panpanyaの漫画は基本的にシリーズ連載ではなく一話完結だが、キャラクターの見た目が変化しないことは一貫している
「主人公」と「友人」の顔つきはランドセルを背負っていても社会人でも変わらない。
なので、単行本を通読している人からすれば「君は変わらないな」は自明のことであり、逆に言うとこの2人だけを見ていても時間が経過していることには気が付かないのだ。

ちなみに、今よく見てみたら2人のカバンはコマによって変化があった。
みなさんは気づきましたか?

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