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総曲輪店の閉店

2022年9月4日、富山市の中心市街地、総曲輪通そうがわどおり商店街にあるParade総曲輪店そうがわてんが、48年の長い歴史に幕を閉じました。
1974年のオープンから2006年までの32年間、我が社の本店として、大いに支えてくれた店舗です。
私が2001年に入社してから7年間勤務したお店でもあります。入社当時、総曲輪店の売場は、地下1階から3階まで4フロアもあり、商店街は多くの人で賑わっていました。しかし、2000年、2002年と、郊外に大きいショッピングセンターができると、年を追うごとに人通りが減っていきました。
わたしは、2008年からペガサスクラブでチェーンストア経営の勉強を始めたのですが、当時、渥美俊一先生がおっしゃった言葉が胸に突き刺さりました。
「商店街からはさっさと逃げなきゃいけない。」
人々が買い物へ行く場所の変化を、店舗に立ちながら実感していたものの、商店街に未来はないとハッキリと言われたことが、単純にショックでした。
一方で、富山市はコンパクトなまちづくりを掲げ、中心市街地は再開発が進んでいきました。ただ、我が社の総曲輪店の地区を除いては…。再開発やるやる詐欺か?!と突っ込みたくなるくらい、再開発の話が出ては、消え、かれこれ20年くらい経ちます。
再開発までは店舗を続けたい気持ちもありましたが、コロナ禍もあって厳しさが増し、ついに閉店を決断することになったのです。

総曲輪店と言えば、1984年の入社から38年間、総曲輪店一筋、店長の新木さんです。新木さんから靴を買いたい!と、長年通ってくださっているお客様がたくさんいらっしゃいます。
総曲輪店が閉店すると聞いて、多くのお客様が駆けつけてくださいました。
「子供が生まれたときから、成人、就職し社会人になり、すべての靴をこちらの店舗で購入させてもらい、感謝しています。」
新木さんが勤務している間に、産まれた赤ちゃんが、すっかり大人になっています。そして、お子様の成長と共に、総曲輪店で新木さんのおすすめした靴がずっと寄り添っていたと思うと、感慨深いです。
総曲輪店の営業最終日、店舗に行ってみると、たくさんのお花であふれていました。新木さんへの感謝が詰まった、たくさんのお客様達からのお花です。こんなにもお花であふれた閉店は、見たことがありません。
単に靴を売るだけじゃなく、お客様の人生と伴走してきた新木さんの偉大さに敬服すると共に、販売業の素晴らしさを感じました。
チェーンストアを目指す気持ちに変わりはありませんが、靴を通じてファッションと健康面からお客様のお役に立てる店舗、そして社員でありたいと改めて思います。

※新木さんは、Parade今泉本店へ異動します。新木さん、初めての異動です!

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