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障碍」か「障害」か「障がい」か、どれが正しい?

2021年2月16日にオープンした『パラちゃんねるカフェ』
『パラカフェ』と呼んでもらえることも増えてきて、嬉しい限りです(^-^)
この『パラちゃんねるカフェ』では、総勢20名を超えるライターと障害者雇用を促進する企業に執筆いただいています。
今回は、「しょうがい」の漢字表記について私たちの考えを皆さんにお伝えしたいと思います。

「障害」「障がい」「障碍」何が違うの?

コラムサイト『パラちゃんねるカフェ』では、「しょうがい」の表記を統一しておらず、今後も統一する予定はありません。

障害者雇用に取り組むとき、「しょうがい」の表記に対する議論が必ずと言って良いほど発生し、時代の流れとともに表記の取り扱いも変化し、今でも議論は続いています。

果たして何が違うのでしょうか。

■障碍
明治前期まで「しょうげ」と読まれ、仏教用語では「悟りの妨げになるもの」という意味があります。妨げとなるものがある状況として使用されています。

■障害
戦後、「当用漢字表」や「法令用語改正例」において常用漢字として「障害」が採用された結果、便宜的に今でも広く使用されています。

■障がい
「害」「碍」という漢字の定義や意味、意見に左右されない表記として使用されています。

果たしてどの字を使用するのが正しいのでしょうか。

結論として、現時点では正解はなく、それぞれの自治体や団体・個人の考え方により異なっています。

医学モデル(個人モデル)と社会モデルとは

漢字の意味に加えて「障害」と「障がい」という表記においては、「個人(医学)モデル」「社会モデル」という考え方もあり、議論が尽きない場面が多々存在しています。

■医学モデル(個人モデル)
障害や社会的障壁による不利益・困難の原因は、障害、疾病、外傷、その他の健康状態により直接生じた個人の心身機能に原因があるという考え方です。個人の心身機能に原因を置くため、医療による治療やリハビリなど軸は個人となります。
そのため、「障害」の「害」の字は個人を差別すると言われ「障がい」と表記するケースが増えています。

■社会モデル
障害や社会的障壁による不利益・困難の原因は、障害の無い人を前提に作り出された社会(モノ、環境、人的環境等)に原因があるという考え方です。そのため、社会が作り出した障壁を取り除くのは社会の責務であるとして軸は社会全体となります。  
この場合、「障害」の「害」の字は社会の害となるため、そのまま「障害」と表記しています。

どの漢字を用いて表現をするのか、この辺りの議論も踏まえて置くことが大切でしょう。

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捉え方や表記は、人それぞれで良い

コラムサイト『パラちゃんねるカフェ』では、個々の思いのままに「しょうがい」の字を選択してもらっています。

この手の議論は往々にして当事者とは関係のない場所で議論がなされ、あたかも全会一致かの如く、社会に周知されていきます。

このサイトでは、字を強要するのではなく、当事者がそれぞれの思いに合わせて字を選択できることが大切だと考えています。

なぜなら個々の価値観や状況を第一にしたいからです。表面的な奇麗ごとや強要ではなく、個々の実態を発信したいからです。

表面的な字が大切ではないと言うつもりはありません。

字から連想されるイメージが差別や偏見へと繋がる可能性も否定はしませんし、傷つく方もいると思います。

ただ、もし仮に、今の社会が障害のある方にとって誰もが生き生きと働ける、生活できる環境が整っていたとすれば、表記に対する議論が起きるのだろうかと甚だ疑問に感じるのです。

見るべきは根幹であり、表面ではない。

多様性を推進するプロジェクト『パラちゃんねる』では、奇麗ごとを語るつもりはありません。

障害のある当事者も障害者雇用を促進する企業も本音で語るからこそ意味がある。

それぞれがそれぞれの考えにおいて字を選択できること、
これは「誰もが特性を活かせる、多様な選択肢がある社会」を実現するひとつの通過点であり、表現方法だと考えています。

まずは私たちなりの表現方法を信じて挑戦しようと思っていますので、どうかご理解を頂ければ嬉しく思います。

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