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ぱらぱる 2021年3月号

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今月のテーマは「特に出来事やハプニングがあったわけじゃないのに、何でか良い記憶として残ってる、忘れられない思い出」です。
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#ぱらぱる

その記憶はすぐに忘れられる自信がある

何故かわかんないけど、記憶に残ってる良さげな思い出1〜3。 その1 小学生の時の話。晩御飯を食べ終わった頃、一年のうちに2回か3回、親が「MALT'S買ってきて~」と千円札を一枚渡してくれるという日があった。自分と弟は近くの自動販売機までファンタとかコーラとかを買いにいく。帰ってきてそんなに盛り上がるわけではないがみんなでジュースを飲み菓子を食べるというささやかなパーティーというかいつもと違う日があった。はたしてあのタイミングは一体何だったのだろうかと今になって思う。子ども

グラタン

「お母さんの料理の中で、いちばんグラタンが好き」 そう言ってから、母は毎年、私の誕生日にエビグラタンを作ってくれる。 じゃがいもとマカロニを茹でて、玉ねぎとベーコンを炒めて、 バターと小麦粉をよく炒めてから、少しずつ牛乳を加えてホワイトソースを作って、 全ての材料を混ぜたあと、温めた器に分けて、 チーズをのせて、オーブンでじっくり焼く。 もう30年以上続く恒例行事で、当たり前のようになっているけど、 あの時の、ちいさな私のことばを、母がずっと覚えてくれていると思

記憶が書きかえられていなければ

「特に出来事やハプニングがあったわけじゃないのに、何でか良い記憶として残ってる、忘れられない思い出」 というテーマですが、 わたしは忘れっぽい質のようで、ちゃんと覚えている記憶はとても少ないです。 こんなわたしが覚えている最初の記憶は、おそらく1〜2才くらい(座れるけどちゃんと歩けなくてちゃんと喋れないくらい)の頃、 『実家の茶の間で、猫とか犬が出ている映画らしきものを観ている。親戚がたくさん来ている日なんだけど、みんな仏壇のある隣の部屋にいるようだなあと思っている』