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その記憶はすぐに忘れられる自信がある

何故かわかんないけど、記憶に残ってる良さげな思い出1〜3。

その1 小学生の時の話。晩御飯を食べ終わった頃、一年のうちに2回か3回、親が「MALT'S買ってきて~」と千円札を一枚渡してくれるという日があった。自分と弟は近くの自動販売機までファンタとかコーラとかを買いにいく。帰ってきてそんなに盛り上がるわけではないがみんなでジュースを飲み菓子を食べるというささやかなパーティーというかいつもと違う日があった。はたしてあのタイミングは一体何だったのだろうかと今になって思う。子どもの前でほとんどお酒を飲まなかった親(今は飲む)が、一年に二回ほど緩んでもいいやと思った日なのだろうか?それとも人生に於いて何か嬉しいことなどあったのだろうか?多分深い意味はないんだろう。ただ子供ながらに「何で今日?」という日だった。急にお年玉をもらうような。現在その時の親を年齢をとっくに超えているが今だに謎である。今度、実家に帰ったら聞いてみようか?いや謎は謎のままが良いか。超個人的な話であります。

その2 新幹線、東京に着く直前の感覚が好き。高層ビルが一気に増えて「いよいよ東京だ」という風景、さりげないけど到着のメロディでテンションが上がる。窓の外のビルを見ながらその都市のど真ん中みたいなところに突入する気がして何故だかわからないがワクワクした。マンハッタン島の橋を渡ってニューヨークに入るぞ〜って感覚と似てるか。いや全然似てないか。田舎者特有の都心シンドロームか。いまだに新幹線で東京駅にインする感覚は何とも気持ちが昂ぶる。同時にセンチメンタルな上京した時の気持ちが蘇る。無理矢理名前をつけるとしたら「立身出世東海道中膝栗毛」か。

その3 最近の話。そのビル郡の真ん中、さっき書いた東京駅近く、皇居の目の前のパレスホテル近辺を歩いている二人組の男たち。先輩と後輩。後輩らしき男が先輩に聞く「ここら辺で働いてる人ってとんでもなく稼いでいるんでしょうね。いいな〜」。先輩がそれを聞いて後輩に説く。「そりゃここらで働いてる人は能力があるから稼いでるんでしょうよ。もしその給料が欲しいなら彼ら同様の仕事をしなきゃいけないし、できなきゃいけない。え?能力のないまま、給料が欲しいって?そんな馬鹿げた話はないだろう。1日でも彼らの仕事を任せられてごらんよ。怖いぜぇ。いやー。できねぇよ。そんな能力ないよ。俺らみたいに平日の昼間っから銀座のあたりをプラプラ歩いて、うわー!『テスラの車だ~』とか盛り上がったり、ケーキ買ってノコノコ帰ったりしてないと思うよ。プレッシャーとかストレスの中、働いた対価だから高収入は当然思うよ。だから羨ましがるってのはナンセンスだよね」とわかったような顔で話している先輩。その先輩は私だった。

次回は「雨」をテーマにです。

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