呪われたので呪い返しにいこうかな

足音が聞こえる。
本当は鳴っているハズの無い足音が……。

ぺたっぺたっ

理由はわかってる

ガチャン

あ、壁に飾ってた額縁が落ちた。
ポルターガイストって本当にあるんだー。

確か日本では家鳴り（やなり）っていう妖怪だっけ？

とか、どーでもいい無い雑学が頭をよぎる。
そういえば子供の頃妖怪をメダルにして集めるのが流行ったっけ。
妖怪のせいなのね。そうなのね。

もうすぐ死んじゃうんだと思うんだけど、わたしの頭はなんて緊張感が無いんだろう。

カチッカチッ

えーっと、どうしてこうなったんだっけ？
みたいなことはわかりきってるアレだ。

先週の土曜日にタマ子と一緒に行ったS病院、よくある廃墟探索＆肝試しみたいなやつ。

よくあるといいつつホントに行ったことある人はそんなにいないんじゃないかな？

チチチチチ

で、そこでわたしは例によって出会ってしまった訳よ。
出会ったと言っても意思の疎通もできない影みたいな奴だけど。

病院を探索した次の日からなんかイヤーな感じがしてたんだけど、次の日あたりからぼやーと見えてきた。

んで、昨日くらいからわりとはっきり見えるようになって

「あと1日……」とかつぶやき出して今。

ぷぎゃらたあ

おーよく見える。こんな顔してたんだ。あはは変な顔。

ひゅん！

あ、わたし今死んだ。

さようなら世界。

あーあ、まだまだやりやいことあったのになー。

ごろん

とか思ってたら生きてた！いやまぁ死んでるんだけど。

やりたいことがいっぱい残ってたからかな？

どうやらわたしはあの影と同じ次元の生き物に生まれ変わったらしい。

なんで病院に行っただけでこんな目に合わなきゃいけないのよ！
あー腹が立つ。

顔色も悪いしなんか血の跡が消えないんですけど？

ていうかもしかして同じレイヤーにいるなら倒せるんじゃないの？
やっちゃいます？やっちゃいましょうか。

ワントゥーワントゥー

まずは体の動かしかたね。

ガタガタガタ

待ってなさい！

【つづく】