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あえて、地球の反対側へ

一人娘である私を、地球の反対側に送り出すことは、難しかっただろう。

「Voice Up Japan」の活動を始める前は、とにかく自分をチャレンジさせたいと言う気持ちを抱いて、南米チリに渡航を決めていた。「チリにとりあえず行きたい。」と親に伝えた19歳になったばかりの自分は、慣れた環境から離れて、自分自身を「挑戦」させるために環境を変えたかった。人間関係が複雑になり、将来何がしたいかわからなくなっていたと同時に、社会が言うような「安全な道」を選ぶことがどうしても嫌だったからだ。

「チリにとりあえず行きたい。」と親に伝えた19歳になったばかりの自分は、慣れた環境から離れて、自分自身を「挑戦」させるために環境を変えたかった。人間関係が複雑になり、将来何がしたいかわからなくなっていたと同時に、社会が言うような「安全な道」を選ぶことがどうしても嫌だったからだ。

南米への留学は、予想以上に難しかった。
友達や知り合いがいないまま始めたチリでの生活は孤独に感じることが多く、簡単な授業さえ何も理解ができなかった。頼る人がおらず、やっぱり居心地の良い日本に帰る方が自分は幸せになれるとも思った。

そんな難しさと同時に、初めて「自分自身」の可能性を信じられる機会が与えられた。日本にいる時は、なぜか夢を持つことが許されない様に感じており、他と違うことを願うと、直ぐに周りに反対されていた。

「大学院に行きたい」と言うと「女の子だから大学院に行く必要はない」と言われることもあれば、「調子に乗らずに普通に就活すれば」と言われることもあった。

ただ、南米ではそんなスティグマが少なく、初めて他と違うことをすることや、新しい道を自分で切り開いていくことに勇気づけられた。

自分のジェンダーや国籍、年齢関係なく、学びたいことを学び、やりたいことをやっている友人に恵まれたことから、自分は団体や会社を立ち上げたりする勇気が持てた。

その経験がなければ、今の自分もいなければ、もちろんこの活動もないだろう。
そして「Voice Up Japan」と言う団体も、きっと存在しない。

それぐらい、今の自分の仕事も、活動も、全て「自分らしい人生」から生まれたものだと思っている。

私は、大学を卒業するために日本に帰国し、学位を取得すると同時に日本を旅立ち、南米チリに戻ってきた。
それは、「自分らしく」生きるためだった。

日本にいたら、大好きな家族や友人、大事な仲間もいれば、自分のことを応援してくれている人、共感してくれている人が多くいる。
同時に、自分にとって「居心地」が良すぎるということでもある。

私は、もっと大きな目標のために、自ら挑戦し続ける必要があると思った。自分がより学び、苦労しながら経験を積むめに、日本から出なければいけない、と思った。

もちろん、その選択は簡単なものではなかった。
計画がない状態で、金銭的に数ヶ月後どのような状態で生活するか全く目に見えない状態で、単身、南米に渡航した。
それは、とても辛かったし、とても不安に苛まれた。
だけど、そんな状態でも南米に残ると決めた。

それは、自分にとって精一杯の「自分らしい道」だったからだ。

今は、様々な仕事の機会をチリと日本で頂きながら、毎日予想以上にワクワクした人生を生きている。

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私が感じてきた壁や困難、は、ネジュマのものに比べたら、比べ物にならない。ただ、ネジュマの人生、ネジュマの経験というのは「珍しいもの」でもなく、未だに多くの女性が日々目の当たりにしている人生である。

女性というだけで、自分の人生の選択権を取り上げられるのも、女性というだけで殺されるのも、世界中で起こっていることだ。

だから、私は声を上げ続けたいと思っているし、女性が、女性というだけで命の危機にあう世界をどうしても変えなければいけない。
女性、男性などジェンダー関わらず、自分の人生を自分で決められる社会になるためには、声を上げられる私が、声を上げなければいけないと思う。

【著者】山本和奈(一般社団法人Voice Up Japan代表理事)
起業家&活動家。南米チリ在住。
国際基督教大学在学中、南米チリで留学をし、南米ペルーで教育支援事業をする国際NGO, Educate Forを立ち上げる。大学の同級生と竹の歯ブラシJust Smileを立ち上げ、2019年1月には「ヤレル女子ランキング」に対する署名活動や抗議活動を通し一般社団法人Voice Up Japanを始める。現在は7つの大学に支部を作り、幅位広い年代とバックグラウンドのメンバーと共に性暴力に対する啓蒙活動や性暴力の刑法改正、女性の政治家を増やすための活動に取り組んでいる。
Twitter: 
https://twitter.com/kazuuuuuuuus
instagram: 
https://www.instagram.com/kazunayamamoto/

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