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長編小説『暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌』まとめ【完結済】

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周囲から孤立している「僕」と自称狛犬の少女が、神社で歌の練習を通して仲良くなっていく話です。
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#田舎

【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #1

10月2日(水)――(1)  僕は青空が嫌いだ。  理由は至極簡単、嫌なことを思い出すからで…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #2

10月2日――(2)    反射的に顔を上げ、声のした鳥居のほうを見る。  すると鳥居の下に…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #3

10月2日――(3) 「……は?」  少女がなにを言っているのか、咄嗟に理解できなかった。い…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #4

10月2日――(4) 「次、反対の腕だ」 「ああ、うん」  少女は態度を変えることなく、手当…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #5

10月3日――(1)  どんなに憂鬱でも、学校は休まない。  これは僕が半年前から自分に課し…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #7

10月3日――(3)  チャイムの鳴る音がして、僕は嫌々目を開ける。  その一瞬だけで、教室…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #8

10月3日――(4) 「おお、アキじゃないか! また来てくれるとは、ワタシは嬉しいぞっ!」  山道の入り口付近に自転車を隠し、道を登っていくことしばらく。  神の遣いである狛犬を自称する少女は、平然と社殿の前に座っていた。僕の姿を認めると、弾む足取りで駆け寄ってくる。その顔は、今日もアニメ絵のお面で覆われていた。暢気な性格の割に、意外と用心深いらしい。  自称狛犬。  自称神の遣い。  いわゆる『本物』なのか。  狐か犬に化かされているのか。  或いは、同級生にからかわれて

【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #9

10月3日――(5) 「そうしたら、なんの話をしようかなあ」  足をぱたぱたさせながら、少女…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #10

10月3日――(6) 「――……と、まあ。こういう感じの曲だ。アキ、どうだった? ……アキ…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #11

10月4日(金)――(1)  かつて賑わっていたらしい商店街は、高齢化の煽りを受けて、ずっ…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #12

10月4日(金)――(2)  クラスの選択曲決めは、難航を極めた。  そもそも、昨日の学活の…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #13

10月4日(金)――(3) 「ふーふふふんふーん、ふーふふふんふーん、ふーふふふんふー、ふ…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #14

10月4日(金)――(4) 「それじゃあアキ、まずは腹式呼吸の練習だ」 「え? 歌の練習じゃ…

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【長編小説】暮れなずむ秋と孤独な狛犬の歌 #15

10月4日(金)――(5) 「……明日は、土曜日だな」  逡巡の末、僕はそう話を振ってみることにした。  迷惑がられている気配を察知したら、大人しく引き下がるとしよう。あくまで、少女の気持ちが最優先である。 「むむ、もうそんなに日が経つのか。……あ、いや、人間の暦では、そう呼ぶのだな?」 「そ。だから明日は、学校が休みなんだ」 「良いことじゃないか」 「そうだけど。だから、夕方にここへは来られないってことを言いたくて――」 「えっ」  果たして、少女は愕然とした声を上げた。